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赤ちゃん・子供に意外と多い乳製品(ミルク)アレルギー。その症状とママにできること

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乳製品アレルギーの原因

人の身体は、異物が体内に入ってくると、抗体を作ってそれを除去しようとしますが、人体に危険のないはずの花粉や食物などに対しても抗体を作ってしまい、必要以上に強い反応で日常生活に支障が出る状態になることをアレルギーと言います。

1歳未満の乳児の食物アレルギーの原因となるもので最も多いのは「鶏卵」で、次に「牛乳」、「小麦」ですが、離乳食で食べる鶏卵と小麦に対し、牛乳はミルクという形で新生児期から口にするので、1~3ヶ月の乳児ではで一番多いアレルギーの原因といえます。

乳製品アレルギーの原因となる成分は、牛乳に含まれるたんぱく質で、よく知られている「カゼイン」の他に「ホエイ」や「βラクトグロブリン」、「アルファラクトアルブミン」があります。

下痢、嘔吐、湿疹など、乳製品アレルギーと似た症状が出る乳糖不耐と新生児・乳児消化管アレルギーがありますが、乳糖不耐性は乳糖(ラクトース)を消化する酵素ラクトースがない、あるいは少ないために起きる症状、新生児・乳児消化管アレルギーは食物アレルギーの原因となるIgE抗体はなく、はっきりしたメカニズムはまだ分かっていません。

乳製品アレルギーの症状

乳製品アレルギーの症状には、鶏卵、大豆などのアレルギー反応と同じく、摂取後2時間以内に起こる即時型反応と、食後6~8時間後に起こる遅発型、食後1~2日後に起こる遅延型の反応があります。

乳製品アレルギーで見られる主な症状には次のようなものが挙げられます。

  • 皮膚の赤み、かゆみ、じんましん
  • 唇、舌、のどのかゆみや腫れ、口内炎、声の枯れ
  • 腹痛、下痢、嘔吐、血便
  • 目の充血、かゆみ、まぶたの腫れ
  • 鼻水、鼻詰まり、咳、くしゃみ、喘鳴、呼吸困難
  • アナフィラキシー(血圧の低下、意識障害、失禁)

赤ちゃんは話せないので、アナフィラキシー以外の症状を自分で訴えることはできませんし、遅発・遅延型の反応の場合、ただの風邪や体調不良と区別するのが難しい場合も多いです。赤ちゃんの場合には、脂漏性湿疹が広がって、しつこいアトピー性皮膚炎のほうな症状になるケースもよく見られます。

医師の指導にあわせて、皮膚を清潔に保ち、保湿に注意したり、ステロイド外用薬を塗ったりしているのに、症状が2ヶ月以上改善しないばあい、アレルギーの可能性があります。

ミルクの赤ちゃんであれば、乳製品アレルギーの可能性が濃厚ですが、母乳の赤ちゃんの場合は、お母さんが食べた鶏卵などのアレルゲンに反応しているかもしれません。いずれにせよ、離乳食を始める前に、アレルギー専門医の診断を受けるのがベストです。

乳製品アレルギーの検査法

アレルギー専門医や専門医療期間を受診した場合、問診や必要な検査などをしてアレルギーかどうかを調べます。

一般的に次のような流れで診断していきます。

 

1. 問診:

詳しい問診の後、湿疹がひどい場合は、スキンケアや外用薬による湿疹の治療を行います。

離乳食を始める時期であれば、血液検査や皮膚検査で原因を特定します。乳製品アレルギーの場合、カゼイン、ホエイ、βラクトグロブリン、アルファラクトアルブミンのどのたんぱく質が原因なのかも血液検査で特定できます。

2. 食物除去:

母乳の赤ちゃんの湿疹が改善されない場合、原因と疑われる食物をお母さんの食事から1~2週間除去して、経過を観察します。

3. お母さんの食事から特定の食品を除去する。

お母さんの食事から特定の食品を除去することで、湿疹が改善されたのであれば、その食品が赤ちゃんのアトピー性湿疹の原因の可能性が高くなります。

お母さんが除去した食品を再び食べた後に授乳して湿疹が悪化するのであれば、その食品のアレルギーによるアトピー性湿疹と診断されます。

除去する食物や期間は、必ずアレルギー専門医などの指示に従います。

避けるべき食品

基本的に、市販の食品には『食品成分表』が記載されており、『乳』はアレルギー成分として表示が義務付けられています。

でも、ヨーグルトやアイスクリームなど、牛乳の成分が含まれていることが広く知られている食品には表示されなくてもよいことになっています。

同じ乳製品でも、たんぱく質の含有量によってアレルギー性の強いものと弱いものがあり、食べる人のアレルギーの程度によって、少量でもアナフィラキシーを起こす人もいれば、一定量を超えなければ大丈夫という人もいます。

乳製品アレルギーは牛乳に含まれるたんぱく質の量が重要なので、たんぱく質がどれだけ含まれるかによって、その食品を食べられる量が変わります。

例えば、牛乳(たんぱく質量3.3%)が10ml飲める人は、ヨーグルト(たんぱく質量3.6%)を10g、バター(たんぱく質量0.6%)なら55g食べられますが、スライスチーズ(たんぱく質量22.7パーセント)は1.5g(1枚は18g)しか食べられない、という計算ができます。

乳製品を食べないことによって、カルシウムが不足しやすくなるので、自己流で乳製品を除去した食生活をせずに、医師の指導のもと、食べられるものは食べ、必要最低限だけを除去するようにしましょう。

その他、乳製品アレルギーの人が避けるべき食品をみてみましょう。

牛肉は牛乳とはたんぱく質の成分が異なるので、避ける必要はありません。

またドレッシングやマヨネーズなどの調味料やお菓子の原材料にある「乳化剤」は牛乳とは関係なく、通常の状態では混ざりにくいもの(例えば水と油)を均一に混ぜるためのものです。

一般には大豆や卵由来のものを用いるので、乳製品アレルギーとは関係ありません。

食品ではありませんが、整腸剤や吐き止め、喘息の治療薬、ワクチン、歯磨き粉などに牛乳由来のたんぱく質を原料とするものがあります。

アレルギー値が高い場合は、医師に確認しましょう。

子どもの大好きなケーキやクッキーはアレルギー対応の市販品を購入することもできますが、ホットケーキミックス(スキムミルクなど乳製品不使用のもの)や豆乳、植物性生クリーム、マーガリンなどを使って、簡単に家庭で手作りすることもできます。

豆乳ヨーグルトにフルーツを入れて、フローズンヨーグルトを作れば、アイスクリームが食べられない不満も少しは解消されるのではないでしょうか?

ベシャメルソースの牛乳を豆乳に替えて、グラタンやクリームシチューも簡単に作れます。

グラタンの上にはチーズの代わりに、ハーブソルトをきかせたパン粉をかければ、乳製品なしでも大満足の味になります。

アレルギー対応レシピはネット上で簡単に検索できますし、普通のレシピを代用品に置き換えるだけで、お料理の幅はかなり広がります。

乳糖不耐と新生児・乳児消化管アレルギー

両方とも、下痢・嘔吐など乳製品アレルギーと似た症状が出ますが、原因は異なります。

乳糖不耐は乳製品に含まれるたんぱく質ではなく、乳糖=ラクトースを消化するための酵素、ラクターゼが不足あるいは欠乏するために下痢を起こします。

ラクターゼは乳幼児期に多く、大人になると減るのが普通で、元々乳製品を食べる習慣がなかったアジア人やアフリカ人は乳糖不耐の人が少なくありません。

アレルギー検査をしても、たんぱく質のアレルギー反応が出ないのが特徴です。

含まれる乳糖の量が少ないバターや熟成されたハードチーズ(パルメザンチーズなど)、乳酸菌により乳糖の消化が助けられるヨーグルトであれば、牛乳由来の食品が食べられる人もいますし、山羊乳や羊乳の乳製品も食べられる場合がほとんどです。

うちの5歳になる息子は、生後6週間でアトピー性皮膚炎と授乳1時間後の腹部膨満感による大泣きが始まりました。

7ヶ月で卵、小麦、乳製品、ナッツ、魚アレルギー検査を受けて、何も問題はないはずと言われたのですが、乳製品を食べると皮膚炎が悪化したので、乳糖不耐だと診断されました。

2歳以降の乳糖不耐は存在しない、と専門医に断言されたのですが、日本人の成人の75%が乳糖不耐というデータを見ると、息子は日本人の遺伝子が強いのかなと思います。

フランスに住んでいるので、豆乳ヨーグルトはもちろん山羊乳や羊乳のチーズやヨーグルトが普通にスーパーで入手でき、チーズの値段が牛乳由来のものの倍以上する点以外は、牛乳なしの生活も慣れてしまえばまったく苦になりません。

外食やおよばれの際の食事は、周囲に気を遣わせない程度により分けて、普通に食べていますし、市販のケーキもときどきであれば食べさせています。

うちの場合は1~2日後に顔や腕、太股などに湿疹が出るので、本人も「ぶつぶつがかゆいから、アイスはやめておく」と自分で納得して自制してくれるようになりました。

もう一つの新生児・乳児消化管アレルギーは、新生児期、乳児期に、ミルク、母乳を摂取してから、何度も吐く、血便が出る、下痢が長く続く、体重が増えないなどの症状が出ます。なかなか診断がつかない病気で、難治性疾患とされています。

食物アレルギーは、血液の食物IgE検査や皮膚テストで原因食物を特定できるのですが、この病気は、IgEとは関係なく、原因の疑いのある食品を一旦除去してから、再度食べてみて症状が出るかどうかを確認しかありません。

原因は、牛乳や乳製品、牛乳由来ミルクが、95%と最も多く、母乳が20%となっています。その他、米、大豆が10%、卵が数%で、原因を取り除いても数週間も症状が消えないこともあります。逆に、原因を毎日摂取していても2週間程度無症状で、その後急に症状が出るということもある病気です。

主な症状は、反復する嘔吐、血便、下痢、体重の停滞などです。

嘔吐と言えば、赤ちゃんはよく吐くわけですが、この病気では何度も強く吐くこと、体重が増えなくなることが特徴です。

消化器官のどこで炎症が起こっているかで、体重の増加や血便の状態などが変わってきますが、体重の停滞から検診で見つかることが多い病気です。

対応したミルクを飲ませれば、症状は改善しますし、1歳で7割、2歳で9割が治るといわれています。

まとめ

牛乳アレルギーは子供の食物アレルギーの中でも比較的多く見られるもので、1歳までに2.5%の子供が経験しますが、3歳までにはその85〜90%が自然に治ってしまうと言われています。

アレルギーと共存するコツは、ダメな部分に注目せず、大丈夫な点に目を向けることです。アレルギーに落ち込まずに、食べられるものを上手に使って、日々の生活を楽しみましょう!

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