「紫外線に当たるとシミができてしまう」というのはあまりにも定着してしまっている常識ですよね。でも本当に紫外線がシミの原因といえるのでしょうか…?
「え…原因じゃないの?嘘なの?!」とビックリしてしまうと思いますが、ズバリ答えは「嘘ではない」。もっと正確に言えば「原因の全てではない」のです。
そこで今回はシミができる本当の原因やシミのメカニズムについて詳しくお話ししていきたいと思います。
「紫外線=悪」は本当なのか?
紫外線に当たると日焼けやシミだけでなく肌を老化させたり、ひどい場合は皮膚ガンのリスクだってある…。
とにかく肌のためには何1つ良いことなどないし、紫外線は百害あって一利なし!…という意識は近年、特に美白大国である日本では常識となっています。
でもちょっと待ってください!紫外線に当たっている人ほどシミが多いと言えるでしょうか?一概にそうとは言えないと思いませんか?
例えば、紫外線対策なんてほとんどしていなくてマリンスポーツもガンガン楽しんでいるというわりに、シミがほとんどない!という人もよくいますよね?
ちなみに歌手の松崎しげるさんは皮膚科でシミがどれだけあるのか調べてもらったところ、普通の人ならシミが50個くらいあるはずなのに、松崎さんはたった1個しかシミがなかったそうなんです!
逆に日焼け止め、日傘、サングラス、アームカバー、美白スキンケアなどなど、紫外線対策命!と頑張っているのに長年シミに悩み続けている人というのも結構いませんか?
「もともとの肌質が違うからじゃないの?」といわれると、それも確かに正解ではあります。でもここで私が言いたいのは「ある程度の紫外線を浴びることは肌のためにもなる」ということ。
そしてこの理由は次にお話しするシミのメカニズムと深く関係しているのです。
紫外線はシミに良い?!
シミはなんらかのさまざまな刺激(これについては後で説明します)を受けると肌の奥に存在するメラノサイトというメラニン生成の指令物質が活性化します。
するとそこからメラニンが発生し、メラニン色素で黒くなった肌細胞がターンオーバーとともに角質となって表面化します。これがシミです。
シミはターンオーバーが正常なら自然と肌の外へと排出され、古い角質とともに剥がれ落ちてくれるわけですが、ここで実は紫外線が役立つのです。
身体のリズムや機能を正常に整えるためには太陽の光はとても大切。心地よいと感じる程度の太陽の光を浴びることは肌の生まれ変わりの作業であるターンオーバーを促してくれる役割もあるのです。
ターンオーバが正常ならシミが出来たって排出されるので怖くありませんよね?
もちろん炎症が出るほどの強い紫外線は様々な肌トラブルを招いてしまうのでNGですが、少しくらいの紫外線は実は健康なお肌のために大切なものなのです。
つまりけして紫外線=悪ではないということなのです。
なぜシミができるのか?シミのメカニズム
シミはメラニン色素が集まって出来たものです。
メラニン色素は肌を守るため紫外線を吸収してくれる働きがあります。なのでお肌のためには必要なものでもあります。
でもメラノサイトが活性化され過ぎると大量のメラニン色素が発生してしまいます。
そうしてシミができる量に対し、それがちゃんと排出できるくらいターンオーバーが常に正常に働き続けてくれるなら問題ありません。
でもターンオーバーは日常の様々なものが原因ですぐにリズムを狂わせてしまいがちなもの。
シミが排出される量よりもメラニン色素が生まれる量の方が上回ると、排出しきれなくなり肌表面にシミとなって残ってしまうのです。
紫外線だけじゃない!さまざまなシミの原因と対策方法
紫外線を浴び過ぎればやはりシミの原因にもなり悪化させてしまいます。
でもシミの原因は紫外線だけではありません!メラノサイトを刺激するものは紫外線の他にもたくさんあります。
シミの原因!化粧品
界面活性剤
日常使っているスキンケアやメイク品などに含まれる界面活性剤。
これが入っているから肌に悪い!というものでもありませんが、肌が弱くなっていたり傷んでいたりするとそこから界面活性剤の成分が入り込みます。
すると肌は外部からの侵入者を危険と察知し、メラニン色素を発生させて肌を守ろうとしてしまい、これがシミとなります。
接触性皮膚炎
化粧品に含まれる成分から刺激を受けアレルギー反応が出て肌が炎症を起こしてしまいます。
この炎症の刺激がメラニン色素を発生させシミになります。
古い化粧品
古い化粧品の場合、油分が酸化してしまっていたり雑菌が繁殖していたりすることも。
これが刺激になり肌を傷めてシミの原因に。
美白化粧品
出来てしまったシミをなんとかしようと美白化粧品を使うとそれがシミの原因になることも!
美白化粧品は比較的刺激の強いものも多いので、肌を傷めてしまいメラニンが発生してしまって逆効果になってしまう場合もあるのです。
化粧品が原因で出来るシミの対策方法
敏感肌用化粧品を使う
化粧品でのシミトラブルが出やすい人は敏感肌の場合が多いです。
界面活性剤など肌に刺激になる可能性のある成分を避け、なるべく敏感肌メーカーのスキンケアを使用するといいでしょう。
古い化粧品は使用しない
化粧品の使用期限はメーカーやアイテムにもよりますが約1〜3年。
もったいないからと期限を過ぎた化粧品を使うのはやめましょう。
健康な肌作りを目指す
美白化粧品もあまり強力なものは刺激になるので避け、なるべく敏感肌メーカーのものにするのもいいでしょう。
また、シミのメカニズムでも話しましたが、正常なターンオーバーが出来ていればシミは排出できます。
どうしても肌に合わないようなら無理に美白のものを使わなくてもいいのです。
しっかりと保湿したり正しい洗顔など、健康で正常な肌づくりを心がけるといいでしょう。
シミの原因!摩擦・刺激
美顔ローラーなどでマッサージをする時、つい強くゴリゴリと押し当てていませんか?
この刺激が日々積み重なり、肌の表面もしくは内部に炎症を起こしてシミになってしまうことも。
またメイクブラシやパフなどの摩擦や汚れによる雑菌なども、知らず知らずのうちに刺激になりシミの原因に。
摩擦・刺激が原因で出来るシミの対策
マッサージはつい力を入れがちなので、とにかく優しくを心がけて!
メイクブラシやパフなどきちんと洗って清潔で肌触りの優しいものを使うようにしましょう。
シミの原因!ホルモンバランス
妊娠・出産・加齢・生理不順・ピル服用・閉経など、ホルモンバランスが乱れることで肌が刺激を受けやすくなり、肌を守ろうとしてメラニンの分泌が促されシミに。
また妊娠出産や閉経時に肝斑と呼ばれる左右対称に出来るシミができやすくなります。
ホルモンバランスが原因で出来るシミの対策
肝斑に関しては妊娠出産後や閉経後の落ち着いた頃に自然に消えることも。
肝斑以外のシミに関してはホルモンバランスとターンオーバーを整えるようにしましょう。
納豆や大豆製品などの大豆イソフラボンやビタミンE、B6などが含まれた食事をとりましょう。漢方などもいいですね。
そしてなるべく規則正しい生活と食事に気をつけましょう。紫外線対策も忘れずに。
シミの原因!ニキビの炎症・ニキビ跡
ニキビの炎症繰り返していたり長い間炎症が続いてしまうことで肌が深い部分まで傷ついてしまいメラニンが発生します。
すると炎症性色素沈着を起こしてしまいニキビ跡になり、それがシミとなります。
ニキビが出来やすい人や治りにくい人はターンオーバーも乱れやすい状態。
するとニキビ跡も長く残りやすく、シミとなって表面化したまま排出されにくくなるのです。
ニキビの炎症・ニキビ跡が原因で出来るシミの対策
ニキビ改善のケア+ターンオーバーを整えることが大切です。
ニキビの炎症がひどいようなら皮膚科で治療するようにしましょう。同時に紫外線対策も忘れずに。
シミの原因!クマリン
ミカン科、マメ科、グレープフルーツ果実エキス、レモン、オレンジ果実エキス、アシタバエキス、ベルガモット、セリ科(パセリ、セロリ、春菊など)に含まれるクマリンという光毒性物質は食べた後12時間は紫外線に過敏になってしまい、メラニンが発生しやすくなります。
また柑橘系の精油に含まれるフロクマリン酸という成分が紫外線を吸収してしまい、痒みや湿疹、シミを引き起こすことも。
クマリンが原因で出来るシミの対策
朝など、外出前にこうした食事や化粧品は避けるようにしましょう。
柑橘類などに含まれるビタミンは肌にいいものなので夕食に取るようにするといいでしょう。
シミの原因!生活習慣・ストレス
偏った食事や睡眠不足などはターンオーバーの乱れを引き起こしやすく細胞の生まれ変わりうまくいかなくなります。
すると肌はメラニンを発生させてメラニン色素で肌を守ろうとします。
するとメラニンが排出されずにシミに。
またストレスは脳の視床下部が刺激を受けることでストレス対抗ホルモンも分泌されます。
このホルモンがメラニン色素の発生を促進してしまう作用があるのでシミができやすくなります。
生活習慣・ストレスが原因で出来るシミの対策
規則正しい生活、十分な睡眠、ストレス改善のために適度なスポーツやリラックスできる趣味や好きなことをするよう心がけましょう。
またストレスには幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やす食品である乳製品や大豆製品、魚類やナッツ類、バナナや卵などを摂取するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
紫外線はお肌の大敵!と言いますが、適度な日光浴は肌の健康を守るという側面もあるのです。
そして紫外線だけがシミの原因の全てではなく、他にも数多く存在するのです。
でもどんな原因の場合でも紫外線でシミは悪化してしまうので気をつけるようにしてくださいね。
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