今まではママ以外の人に抱っこされてもおとなしくしていたり、ご機嫌さんになっていたのに、急にママ以外の人を受け付けなくなった。なんてことはありませんか?
それ、人見知りかもしれません。
人見知りは成長の証であり、一時的なものなので、他人に懐かなくなったからといって心配する必要はありませんが、ママ以外の人に会うたびに泣いたりすると、なんだか相手に申し訳ない気持ちになりますよね。
人見知りが始まったなと思ったら、人見知りを早く克服できるように、上手に対処してあげましょう。
そもそも人見知りとは?赤ちゃんもするの?
赤ちゃんのこんな行動が人見知り
人見知りとは、馴染みの薄い人に対して警戒心をあらわにする行動です。
赤ちゃんの場合は、よく知らない人に会ったり抱かれたりすると、隠れたり泣いたりして警戒心を示します。
人見知りの時期
早い子だと生後5ヶ月頃から始まる赤ちゃんもいますが、平均的には6~7か月頃に始まります。
しかし、とても個人差の大きいものなので、1歳を過ぎてから始まるケースや、一度おさまったように見えて再び始まるケースもあります。
人見知りは人それぞれなので、他の子と比べて心配することはありません。
終わる時期も人それぞれですが、だいたい2~3歳くらいが目安とされています。
人見知りしない子もいる
赤ちゃんの反応が気づかれない程度の軽さだったケースや、パパやママ以外のたくさんの人に世話してもらう環境に生まれて、他人に慣れているケースでは、はっきりとした人見知りがないまま、人見知りの時期を過ぎることもあります。
人見知りがなくても、それは赤ちゃんの性格によるものなので、心配することはありません。
赤ちゃんの人見知りの原因
人見知りは赤ちゃんの発達段階において起こる反応で、成長の証。
人見知りがはじまったとき、赤ちゃんにはどのような変化が起こっているのか知ることで、上手に対処できるようになります。
ママと他の人を区別できるようになった
生まれて間もない赤ちゃんは、まだ個人を認識したり区別することができません。
しかし、脳の発達や視覚・聴覚・嗅覚の発達に伴って、だんだん個人の区別ができるようになってきます。
そのため、ママやパパ以外の人を「他人」と認識できるようになり、警戒心を抱くようになるのです。
不安や恐怖といった感情が芽生え始めた
赤ちゃんは自分でできることが限られています。
そのため、大人に世話をしてもらわないと生きていくことができません。
よりたくさんの人に守ってもらうため、はじめは誰にでも身をゆだねる本能を持っています。
しかし、成長して自立に向かう過程の中では、安全な場所や信頼できる人を見極めていかなければなりません。
そのため、脳の発達に伴って、不安や恐怖といったマイナス感情も芽生え始めるのです。
すると、慣れ親しんだ安全なもの以外には警戒心を抱くようになります。
この警戒心が他人に対して出たときに、「人見知り」となるのです。
自分の気持ちを表出できるようになった
ただただボーっと目を開けたり、泣いたりすることしかできなかった赤ちゃんですが、成長に伴って、泣き方にも変化が出てきたり、笑ったりすることもできるようになってきます。
そのため、ママやパパなどの安心できる存在に守られていると感じるときはニコニコしたり、一生懸命お顔を見たりして「快」の感情を表現するのですが、よく知らない人には警戒心を抱き「不安」を表出するようになります。
赤ちゃんの人見知り家族の接し方
「びっくりしたね」など、赤ちゃんの気持ちに共感を示してあげる
他人に対して警戒心をあらわにしたとき、「なんでそんなふうにするの」と、赤ちゃんの反応を否定するような言葉を発してしまっていませんか?
まだ自分の感情をうまく受け止めることができない赤ちゃんにとって、無意識に出てしまった反応を否定されると、自分の存在自体が否定されたように感じてしまい、さらに不安になってしまいます。
大切なのは赤ちゃんに芽生え始めた感情をママやパパが上手に言葉にしてあげること。
よく知らない人に抱かれて泣いてしまったときなどには「びっくりしたね」などと声をかけてあげると、赤ちゃんも「この感情は『びっくり』なんだ」と認識できるようになり、感情を整理したり、うまく言葉として表出できるようになります。
赤ちゃんのペースに合わせる
人見知りして泣いたり隠れたりしている子を、早く慣れさせようとして無理に相手に抱っこしてもらったり、強引に関わらせようとしたりしていませんか?
人見知りはよくわからない人に対して「怖い」「不安」といった感情をいだいて起こる反応です。
無理になれさせようとして「怖い」「不安」の感情を大きくしてしまうようなことをすると、それがトラウマとなってさらに人見知りを悪化させてしまいます。
赤ちゃんの「怖い」「不安」の感情が和らぐまで、自然に見守りましょう。
赤ちゃんが安心できる環境を守ってあげる
赤ちゃんが「怖い」「不安」を表出しているときには、ママが抱っこして安心できる環境を整えてからコミュニケーションをとったり、自宅などの慣れた場所で少しずつ接していくようにしましょう。
赤ちゃんにとって「何があっても守ってもらえる」という経験と安心感は、今後の情緒の発育や社会性にも良い影響を及ぼします。
安全な存在だという事を伝える
赤ちゃんは、よく知らない人に出会ったときにどういう反応をしていいのかまだ知りません。
ママやパパが率先して相手と打ち解ける様子を見せて、子供に「この人は安心できる人だよ」ということを感じさせたり、他人とのコミュニケーションの取り方を見せて教えることが大切です。
まだ言葉を発することができない赤ちゃんほど、パパやママの表情などをしっかり見て、感情などを読み取っています。
パパやママがいいお手本となれるよう、和やかな雰囲気を作りましょう。
「挨拶してみたら?」などと、人とのかかわり方をアドバイスする
少し言葉が理解できるようになった子には、「こんにちはして?」などと、人との接し方やコミュニケーションの取り方をアドバイスしてあげるのもいいかもしれません。
まだ言葉を話すことはできなくても、「にっこりして」「お辞儀は?」など、赤ちゃんができるリアクションで、充分相手に伝わることを学んでもらういい機会になります。
赤ちゃんへの接し方で絶対にやってはいけないこと
不安がっているのに親が離れてしまう
赤ちゃんが警戒心を表出しているのに、パパやママなどの安心できる人がその場から離れてしまったり、赤ちゃんから見えない位置に行ってしまったりしたことはありませんか?
そういった行動は赤ちゃんに見捨てられたと不安を抱かせてしまい、パパやママへの信頼感が薄れてしまいます。赤ちゃんが人見知りをしているときは、必ず赤ちゃんからパパやママの顔が見える位置にいてあげましょう。
「困った子」「ダメな子」などと否定的なことを言う
赤ちゃんが人見知りをして泣いてしまったときなどに、相手に気を使ってつい「困った子なんです」などと言ってしまったことはありませんか?
子供はそれをちゃんと聞いていて、その言葉を真に受けてしまいます。
すると「自分は親を困らせる存在なんだ」と感じてしまい、人と接することがどんどん怖くなってしまいます。
まとめ
人見知りは赤ちゃんの成長過程のなかの正常な反応です。
しかし、期間や程度には個人差がありますので、他の子と比べて心配する必要はありません。
無理せず赤ちゃんのペースに合わせて不安や警戒心をといてあげて、少しずつ人と接することに慣れさせてあげましょう。