出産したら、祝い金や給付金、子供用にお年玉などをいただく機会があると思います。
それらのお金はどのように管理されていますか?
子供の将来のために貯蓄したいと思うなら、子供用の銀行口座を開設し、預金通帳を作るのがおすすめです。
今回は子供用の銀行口座を作るメリットデメリットや開設方法、さらに開設した口座を管理する際の注意点などをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
子供名義の銀行口座を開く際に要注意! そのメリットとデメリット
そもそも子供用の銀行口座を作る必要はあるのでしょうか?
親の口座に一緒に入れておけば良いのでは・・・と考える方もいると思います。
そこでまずは、子供用の銀行口座を作るメリットとデメリットをご紹介します。
子供用の銀行口座を作るメリット
1.子供のためのお金を管理しやすい
子供にもらったお年玉や入学金など、子供の将来のためにとっておこうと思っても、親と同じ口座で管理していると、区別がつかなくなっていつの間にか使ってしまっていたり、困ったときについつい手を出してしまいかねません。
子供用に別口座を作って管理すれば、親の預金と混同することはありませんし、いざというときの抑止力も働きやすくなります。
抑止力をさらに強くするために、子供用の口座はあえてキャッシュカードを作らずに、窓口でしか引き出せないようにするという方法もあります。
2.それ相応のまとまった金額を貯蓄できる
子供用の銀行口座を作ってコツコツと貯蓄することで、預金はある程度まとまった金額になります。
学費や結婚費用など、子供が将来、ある程度のお金が必要になったときにきっと助けになるでしょう。
ただし、あとで詳しく説明しますが、贈与税の対象にならないように、年間の貯蓄額を一定額以下に抑えるといった工夫も必要です。
3.子供への金銭教育につながる
子供が一定の年齢になったら、通帳を預け、自分で管理をさせるようにすると、お金に対する責任感が芽生え、管理能力を養う勉強にもなります。
4.ジュニアNISA(NISAの非課税枠)が利用できる
子供が0~18歳の間は、ジュニアNISAを利用して資産運用を行い、貯蓄を増やすことも可能です。通常は課税の対象になる譲渡金や配当金が、この制度を使えば非課税になります。
年間投資額の上限が80万円、子供が18歳になるまでの間は原則払い出し不可、などの制限はありますが、一定期間しか使うことのできないお得な制度ですので、興味がある方は活用してみてはいかがでしょうか。
(※利用額や利用期間は時期によって異なることがあります。事前に金融機関にご確認ください。)
5.贈与税の特例を活用できる
通常、年間110万円を超える財産を人から贈与されたときには贈与税というものがかかるのですが、結婚や子育てにかかる資金であれば、20~50歳の子供や孫に対して1,000万円までをまとめて贈与しても贈与税がかからない、という特例が平成27年に設立されました。この制度を利用するためには子供(もしくは孫)名義の口座を開設する必要があります。
子供用の銀行口座を作るデメリット
1. 贈与税の支払い義務が生じる場合がある
メリットのところでも述べましたが、通常、年間110万円を超える金額を贈与した場合、贈与税の支払義務が生じます。
毎年110万円を超える金額を子供用の銀行口座に貯蓄していた場合、将来その銀行口座を子供に譲渡する際に、結構な金額の贈与税を支払わなくてはならなくなる可能性もあるので、注意しましょう。
2.親が管理できなくなる場合がある
子供名義で銀行口座を作っても、子供が未成年の間は親が代理人となって自由に入出金できますが、子供が成人したあとは、出金は子供本人のみしか行えなくなります。
(銀行によっては委任状があれば親でも行える場合があります。)
実際に、親が入用になったために子供名義の口座から出金しようとしたが出来ず、銀行と親の間で非常にもめたというケースもあるようです。
金融犯罪の増加により、銀行の管理も厳しくなってきていますので、事前にルールをしっかり確認しましょう。
3.長期間放置しておくと休眠口座となる場合がある
預金口座が未使用のまま一定期間(ほとんどの金融機関は5年か10年)放置されていると、休眠扱いとなり、休眠管理料がかかったり、最終的には金融機関の収益として換算されてしまいます。
また結婚などして苗字が変わった子供が引き出す場合にはさらに面倒な手続きが必要になります。
子供のために銀行口座を作ったら、きちんと子供にもその事を伝えて、親子で管理を忘れないようにしましょう。
子供の将来に備えたお金を管理するために子供用の銀行口座を作るのは、いくつかのデメリットにさえ注意しておけば、非常に良い方法だと言えます。
親が使うお金と混同することもなくなりますし、子供の金銭教育や、資産運用などに使うこともできます。
次の段落では、子供用の銀行口座の開設方法や、適切な開設時期などについてご紹介します。
子供に預金口座を!その注意点とおすすめポイント!体験談もご紹介
子供用銀行口座の開設方法
<必要なもの>
- 運転免許証など、親の本人確認資料
- 子供の保険証
- 届出印
- 開設時に入金する現金
口座開設時に入金する金額に決まりはありませんので、とりあえず開設したいという場合は1,000円程度を入れておくと良いと思います。
先ほども述べたとおり、最近は銀行のセキュリティが厳しくなっており、上記に加えて、口座開設理由を問われることがあります。
「子供のお年玉を溜めるため」「お小遣いを管理させるため」などすぐに答えられるように用意しておきましょう。
また子供用の銀行口座を親が開設できるのは、子供が15歳未満の場合のみ、など銀行によって年齢制限が設けられている場合があります。
口座を開設する予定の銀行に予め問い合わせるなどして確認しておきましょう。
自動積立定期預金がおすすめ
口座の種類は、普通預金、定期預金、貯蓄預金、積立定期預金など色々なものがあります。
お年玉や祝い金など、不定期でもらうお金を貯蓄しておくなら普通預金や定期預金、毎月一定の金額を積み立てていきたいなら自動積立定期預金がおすすめです。
自動積立定期預金では、毎月自動的に親の普通預金口座から子供の口座に定額を積み立てることができます。
口座を作るタイミングって?
子供用の銀行口座を作るタイミングはいつが適切なのでしょうか。
先輩ママたちのクチコミで多かったものをご紹介します。
○出産祝いをもらったとき
「子供が生まれてお祝い金をもらったときに作りました」
「出産祝いが少し余ったので、それを機に作りました」
○子供がお年玉をもらったとき
「子供がはじめてお年玉をもらったときに作りました」
「子供が生まれて初めて迎えたお正月に、お年玉を入金するため作りました」
○児童手当などの給付金をもらったとき
「児童手当を受け取るときに、子どもの通帳を用意しました」
「児童手当の入金先として子どもの預金通帳を作りました」
(クチコミ出典元:https://kidsna.com/magazine/lifestyle-lecture-112709-2045)
口座開設のタイミングとして特に正しいものはないので、「このお金は子供のためにとっておこう」とママやパパが思ったときで良いと思います。
子供用に貯蓄したお金の使い道は?
最後に、子供用の銀行口座を作ってためたお金は、みなさんどのように使っているのでしょうか?こちらもクチコミを確認してみましょう。
○子育て費用の一部として使用する
「貯める専用ではありますが、ハイチェアなど少し値段の張る育児グッズを買うときに、一部費用を子どもの通帳から使いました。勉強机とか、これからも少しここから出すつもりです。社会人になるときに渡して足しになればよいかなと思っています」
「基本的に貯めるだけに貯金通帳を用意しています。ただ、運転免許取得費用はここから捻出しようとは考えています。社会人になるとき、もしくは結婚するときに通帳を渡すつもりです」
○使い道は子供に任せる
「子どもに将来渡すために貯金しています。通帳をいつかは渡そうと思っていますが、時期は決めていません。早くとも、義務教育が終わってから渡そうと思っています」
「まだ未定です。何かをやりたい、というときにお金がないと大変なので、足しになればよいなと思っています。通帳を渡す時期は決めていませんが、高校卒業や一人暮らしを始めるなど、何かの節目のときだと思います」
「将来、自分の意志で何かしたいと言い出したときに渡したいと思っています。大切に使ってほしいので、子どもがしっかりしてからかなと思います。本当にやりたいことを見つけて、自分のために有意義に使ってほしいです」
(クチコミ出典元:https://kidsna.com/magazine/lifestyle-lecture-112709-2045)
将来は子供に通帳を渡し、管理や使い道を全て本人に決めさせる、という意見が大多数でしたが、中には子供の大学の学費や免許取得費用、結婚費用など、使い道を決めて貯蓄している方もいました。
いずれにせよ子供の将来のために使われる、大事なお金であるということに変わりはありません。
まとめ
いかがでしたか?
子供の将来のために貯蓄をしようと考えたとき、子供用の銀行口座を作っておくと管理が楽です。
一旦口座を開設したら、贈与税や休眠口座などで損をしないように注意してください。
貯蓄したお金を将来どのように使うかは親子で話し合って決められると良いですね。
子供に責任感や管理能力をつけさせるためにも、将来自分で口座を管理させるのがおすすめです。