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普段、私たちが何気なくしている「呼吸」。
この「呼吸」、やり方一つで心や身体の不調を改善することができるんです。
人間はストレスがかかると交感神経が緊張します。
この緊張した状態が長く続くと呼吸が速く浅くなります。
この「浅い呼吸」が“くせもの”。
浅い呼吸では、酸素を効率よく取り込めず新陳代謝を促す効果が半減してしまうため、「疲れが取れにくい」、「肌に張りがなくなる」「髪が抜けやすい」などの不調があらわれてきます。
そんな時におすすめなのが「深い呼吸」。深く呼吸する習慣を身につければ、心や身体の不調も驚くほど改善できるんです!
今回は、「深い呼吸」にスポットをあてて、その驚きの効果をご紹介します。
呼吸が浅くなる原因とは?
生命維持に欠かせない「呼吸」。
普通に呼吸しているのになんだか調子が良くない…なんてことありませんか?
もしかしてそれは、呼吸は浅くなっているからかもしれませんね。
では、どうして呼吸が浅くなるのか?まずは、その原因についてみていきましょう。
原因① 姿勢の悪さ
パソコンでのデスクワークやスマホなど、前かがみの姿勢での作業が多い現代人。
重い頭部を支えたこの姿勢では猫背になりがちですね。
さらに肋骨が内側に閉じた状態になるので、胸部が縮こまった体勢になり浅い呼吸になってしまいますね。
原因② 過度なストレス
適度なストレスはやる気を向上させ、精神力を強くするのに役立ちます。
しかし、「過度なストレス」がかかると交感神経が必要以上に緊張するため、精神的にも身体的にも大きなダメージを与えることになります。
これにより、不眠症や過呼吸のほか、呼吸が速く浅くなってしまいます。
原因③ 運動不足
運動不足も浅い呼吸の原因になります。
呼吸の働きの約7割を「横隔膜」が担っていますが、運動不足やデスクワークなどで座りっぱなしの状態が続くと「横隔膜」の動きが悪くなります。
そのため、呼吸も浅くなってしまうわけです。
原因④ 口呼吸になっている
花粉症などのアレルギーや、スマートフォンの操作で下を向いていることが多いと「口呼吸」になりがちです。
口での呼吸では酸素を取り入れる量が少なくなるため、これも浅い呼吸の原因になります。
浅い呼吸を改善するために知っておきたい呼吸の仕組み
呼吸は身体のガス交換、つまり「身体の換気」です。実は、「呼吸」は鼻や口からの呼吸だけではありません。
厳密には「内呼吸(ないこきゅう)」と「外呼吸(がいこきゅう)」の2つに分けられます。
「内呼吸」とは、細胞と毛細血管の間で行われるガス交換のこと。
身体の内側で行われる「呼吸」というわけです。
「外呼吸」とは、まさに今回のテーマの「呼吸」のこと。つまり、身体の中と外の「呼吸」のことを言います。
「外呼吸」(以下「呼吸」)に大きく関わっているのが「肺」。
空気を吸うことで酸素が肺に取り込まれ、吐くことで、不要な二酸化炭素を体外に排出します。
取り込まれた酸素は、血液を通して心臓へ運ばれ、この血液がめぐることで全身に酸素が行き渡るわけです。
「肺」は自ら膨らんだり縮んだりすることができません。
「肺」を膨らませたり縮めたりするのは、「横隔膜」や「肋間筋」などの呼吸にかかわる筋肉の役目なのです。
これらの筋肉が伸び縮みすることで「肺」に酸素を取り込む、つまり「呼吸」ができているというわけです。
2種類ある呼吸法
腹式呼吸では「横隔膜」が、胸式呼吸では「肋間筋」が「肺」を動かす役割を担っている筋肉です。
動かす筋肉が違うので、身体への効果も違ってきます。
しかし、この2種類の「呼吸法」は、どちらも心や身体の不調の改善にとても効果があります。
生活の中で使い分けてみるといいですね。それではそれぞれの「呼吸法」についてみていきましょう。
腹式呼吸~横隔膜のストレッチ~
鼻から息を吸っておなかを膨らませるようにする「腹式呼吸」。
ヨガで行う呼吸法で、深いリラックス効果が得られます。
息を吸う時に横隔膜が下がるので、肺が広がりおなかも膨らみます。
息を吐くと横隔膜が収縮するので、おなかもへこみます。
「腹式呼吸」は横隔膜を動かすことでできる「呼吸法」というわけですね。
ちなみに、横隔膜は大腰筋とつながっているので、横隔膜を動かすことは大腰筋を動かすことにもつながります。
大腰筋は、背骨と太ももをつなぐ重要な筋肉で歩行や姿勢に大きく関わりますから、よく動かすことで姿勢が良くなり、くびれを作るなどの効果があります。
胸式呼吸~腹横筋を刺激する~
「胸式呼吸」は、鼻から息を吸い、肋間筋の働きで肋骨を大きく広げて胸をふくらませる呼吸法です。
息はゆっくりと、吸う時の倍くらいの時間をかけて吐きます。
ピラティスでもおなじみの呼吸法ですね。交感神経を刺激して、一日のスタートである朝などにおすすめの呼吸法です。
ちなみに「胸式呼吸」は肋骨を広げるので、肋骨の下にある「腹横筋」を刺激します。
「腹横筋」を刺激すると「脊椎」や「骨盤」を正常な位置へ戻すことができるので、骨格を正しい位置に矯正することができます。
深い呼吸で心も身体も健康に!
それでは、2種類の呼吸法それぞれの効果をご紹介しましょう。
深い呼吸を身につけて、心と身体の不調を改善しましょう!
腹式呼吸
腹式呼吸をすると、自律神経とよばれる「交感神経」と「副交感神経」のバランスが安定します。
自律神経は、身体のさまざまな働きを調整している神経ですから、安定することによって身体を整えることにつながり不調を改善できます。
深いリラックス
腹式呼吸の効果と言えば、一番に挙げられるのがリラックス効果です。
呼吸を早くすると交感神経を刺激して活動的になり、呼吸をゆっくりにすると副交感神経を刺激します。
リラックスしたい場合は、ゆっくりと呼吸するのがポイントですね。
一日の終わり、お休み前の腹式呼吸でぐっすり眠れること間違いなしですね。
リンパの流れが良くなる
「腹式呼吸」の特徴として、「リンパの流れが良くなる」ことも挙げられます。
リンパ液が流れるリンパ管は、動脈や静脈などの血管のように全身に張り巡らされています。
リンパ液は血液とは違い、心臓のようなポンプの役割をする器官がないため、リンパ管の周りの筋肉が動くことではじめて流れることができます。
仰向けになって腹式呼吸すると横隔膜が動き、この動きで腹部の奥にある「乳び槽(にゅうびそう)」を刺激します。
「乳び槽」は体内最大のリンパ管のことで、リンパ液の約8割が集まる場所です。
「乳び槽」には脚のリンパも直結しているため、脚のむくみなどを「腹式呼吸」でスッキリさせることができます。
内臓を適正な位置に戻す
横隔膜を使ってお腹を動かす腹式呼吸は、おなかの中の臓器を動かすことになります。
これによっておなかの内臓を適正な位置に戻す効果があります。
胸式呼吸
胸式呼吸は肋骨を広げ、肋骨の周りにある腹横筋を刺激します。
腹横筋をほぐすことで、より呼吸しやすくなりますね。
交感神経を優位にするので、エクササイズなど筋肉を鍛える時にもピッタリの呼吸法です。
脂肪燃焼率アップ
「胸式呼吸」は交感神経を優位にすることで脂肪燃焼率もアップしますから、エクササイズなど筋肉を鍛える際に最適な呼吸法です。
肋骨のズレを矯正する
肋骨のズレは「肋間神経痛」を起こす大きな原因となります。
肋骨は、呼吸する時はもちろんのこと、腕を上げる、身体をひねるなど身体を動かす時に大きく関わっていますから、ほぐしておくことはとても重要ですね。
交感神経を刺激してやる気アップ!
「胸式呼吸」は息を吸うことにも重点を置いています。
息を吸うと交感神経を刺激し、頭や身体は覚醒するのでスッキリして身体が活動的な状態になります。
「胸式呼吸」はやる気アップにもつながりますね。
「腹式呼吸」がリラックスなら、「胸式呼吸」はリフレッシュするのに最適な呼吸法と言えます。
まとめ
「深い呼吸」を意識して行うのは、始めはなかなか難しいかもしれません。
でも習慣にしてしまえば、心や身体の不調を改善できますね。
まさに「内臓のエクササイズ」と言えるでしょう。
私の友人はヨガを長く続けることで、すっかり「深い呼吸」が習慣になり、健康や美容にもとても効果があると言っていました。
私も寝る前にこの「深い呼吸」を行うようになって、眠りの質が格段に良くなってきました!
眠りがとても浅かったので、この変化には本当に驚き!!みなさんも是非、ご自分の身体で“実験”してみてくださいね。
不調を改善できますよ!