スプーンやフォークを使って自分で食べられるようになるこの時期。
ただ単に「食べる」ことから一歩進めて、「食事のマナー」を教える時期でもありますね。
個人差はありますが、お箸を使い始める時期でもありますから、食事マナーを教えるのに、絶好のタイミングです!とは言え、消化機能が未熟ですから大人と一緒のメニューでは身体に負担がかかります。
2歳児の食事の内容などを踏まえ、ステップアップしながら「食事のしつけ」について考えていきたいですね。
あくまで「食事は楽しく」!
せっかくの食事で親が怖い顔をしてしつけをするのは、子供にとっても楽しくなく、むしろ逆効果。
そんな2歳児との関わり方など「2歳になったら教えたい食事のマナー」について詳しくみていきましょう。
2歳児の食事量はどのくらい?~2歳児の食事量と栄養の目安~
日本の厚生労働省が定める「食事摂取基準」では、国民の健康維持・増進のため、エネルギーや栄養素の摂取量の基準があらわされています。
2015年版の食事摂取基準では、1~2歳の一日に必要なカロリー(推定エネルギー必要量)は、男の子で950㎉、女の子で900㎉となっています。
ママたち大人の女性の推定エネルギー必要量は大体2,000㎉ですから、成人女性の約半分が1~2歳児の一日に必要なカロリーということになりますね。
それでは、栄養素ごとにどのような食品を、1日にどれくらいの量摂ればよいのか、具体的な目安の一部を見てみましょう。
2歳児の1日に摂取する食品の目安量
主食
必要な糖質の量 200~300g
主食の適量例
- 朝:ごはん 子ども用茶碗1杯(100g)
- 昼:食パン 6枚切1枚
- おやつ: ロールパン1ヶ
- 夜:ごはん 子ども用茶碗1杯(100g)
主菜
必要なタンパク質の量
- 肉・魚・卵 30~40g、
- 大豆・大豆製品 30~35g、
- 牛乳・乳製品 200g
タンパク質を30~40g摂る適量の例
- 肉…薄切り肉1枚または、ひき肉大さじ2
- 魚…切身1/2
- 卵…Mサイズ1個
- 大豆・大豆製品…納豆2/3パックまたは、豆腐1/10丁
副菜
- 緑黄色野菜:80g
- 淡色野菜:100g
- 海藻・きのこ類:10g…噛むのが難しい場合、様子を見ながら献立に加えましょう
- 果物類:150g…バナナ1本100g、みかん1個100g、りんご1/2個125gなどを参考にしましょう
「幼児食」の役割とは?
離乳食が終わる1歳頃から5歳頃までの食事を「幼児食」と言います。
幼児期は消化機能が未熟なので大人と一緒の食事では身体に負担がかかります。
そのため、硬さや大きさ、薄味にするなど食べやすさなどを考慮して作るのが「幼児食」というわけです。
また、食事のとり方やマナーなど食事をする上で大切なことも「幼児食」を通して学ぶことができますね。
2歳になったら、スタートしよう!食事のマナーとしつけ
「いただきます」、「ごちそうさま」食事の挨拶をしよう!
食事の際、「いただきます」、「ごちそうさま」の挨拶は、基本中の基本。
作ってくれた人たちや自然への感謝も込めて「いただきます」、「ごちそうさま」をしましょう!
また、なんとなく食べ始めるのではなく、メリハリをつける意味でも挨拶は重要ですね。
食事中は座っていられるかな?立ち歩かないで食べましょう
食事の前に「ご飯を食べている時はきちんと座って食べましょう」と立ち歩かないことを約束しましょう。
2歳ではまだまだ集中して座り続けるのは難しいですね。
個人差はありますが30~40分を目安にしましょう。「立ち歩いたら、ごちそうさまね」などの声掛けも重要です。
すぐにできるようにならなくても、しつけは、日々の積み重ね。なるべく例外を作らず、約束したことは守るようにしましょう。
また、スプーンやフォークを口の中に入れたまま立ち歩くのは大変危険ですから、ケガの危険もあることを充分教えておきましょう。
立ち歩かずに座って食べることができたら、たくさんほめましょう!
音を立てない、口に入れすぎない
クチャクチャと音を立てない、口に入れすぎない、口に食べ物を入れたまま話さないなどを教えましょう。
よく噛み、食べることに集中させるためにも、「口に入れたら一生懸命噛んで、食べようね」、「よく噛んで食べたら、大きくなれるね」と声掛けしましょう。
食事のマナーは、食べている周りの人たちへの思いやりが形になったものです。
マナーを守れば、みんなの気分よく食事ができますから、その点についても伝えていきましょう。
食事に集中させましょう
テレビやおもちゃに気を取られて食べることに集中できないと、満足な量が食べられませんね。
テレビは消す、食事する部屋におもちゃは置かないなど決めておけば、ママも食事中にバタバタしないで済みますね。
食器を叩かない
食器を叩くのは、遊び食べにもつながります。もし食器を叩いてしまったら、周りの人たちもうるさく感じ、また食器の破損などでケガの恐れもあり危ないということを教えましょう。
マナーを守って、みんなが楽しく食事ができるように伝えましょう。
やめないようなら、ごちそうさまをさせるのもいいでしょう。
食事は「楽しく食べる」が基本ですが、危険な行為や言って聞かせてもやめない場合は、親が静かに、しかし毅然とした態度で注意しましょう。
真剣に目を見て話すことで、その場では反抗していても心にはちゃんと伝わっているもの。
根気よく伝えていくことも大切です。
正しい姿勢、正しい持ち方で
悪い姿勢で食事することはマナーの問題だけではありません。
実際に背中が曲がることで、食道が曲がり胃の上部も圧迫されるため、食べ物がスムーズに胃に入って行きません。
そのため、消化も悪くなりますね。
正しい姿勢での食事は、胃にスムーズに食べたものが入るので、食事の量も増えますね。また、スプーンやフォーク、お箸なども正しい持ち方ができるよう、根気よく教えていくのも重要なポイントです。
何事も、すぐにできるようになることばかりではありません。
時間がかかっても親が「待つ」姿勢で見守ることが、子供たちが自分のペースで成長できることにつながりますね。
正しい姿勢、正しい持ち方ができたら、是非、ほめてあげて下さいね。
食べる食材を増やしていく
「味わう」ということは、食べ物の味はもちろんのこと、匂いや歯ごたえ、温度など口の中の感覚を通して脳を刺激することにもなります。
味覚が確立していない幼児期にいろいろな食べ物の味を覚えるのは、味覚の発達にもつながります。
ただし、舌にある味を感じ取る「味蕾(みらい)細胞」の数が、大人の1.3倍もあるので、子供の味覚は大人に比べてとても敏感です。
薄味など、幼児用の味付けにすることをお忘れなく。
お箸も使ってみよう!
2~3歳は、まだスプーンやフォークで食べる子供が多いですね。
もし、お箸に興味を示したら、持たせてみるのもいいでしょう。
但し個人差もあるので、握り箸などが続き、「まだもう少し先かな」という時は一旦やめて、改めてチャレンジしてみましょう。
お箸を使い始める目安としては、スプーンを鉛筆のように持てるようになった時がいいでしょう。
比較的スムーズにお箸が持てるようになるようです。
どうして食べないの?~食べない理由と対処法~
「イヤイヤ期」真っ只中の2歳児。
食事もこのイヤイヤ期特有の反応で、なかなか食べない時がありますね。
また、「遊び食べ」「偏食」「ムラ食い」など、ママたちを悩ませることばかり!一体どうしたら、食べてくれるのでしょうか?
食べない理由とその対処法を見てみましょう。
まだ遊んでいたい
目の前のおもちゃや遊びに夢中で、「食事モード」になっていないことがありますね。
お腹がすけば自分から食べるようになるものです。
食べる気分じゃない
イヤイヤ期特有の「今は、食べる気分じゃない」のかもしれません。
好きなキャラクターの食器を使う、キャラ弁などキャラクターをかたどったおかずにしてみる、好きなメニューを出すなど、少し気分が変わる方法を試してみてくださいね。
お腹がすいていない
食が細い場合もありますし、生活リズムが不規則なためお腹が空いていないということもありますね。
同じ時間に起きて、同じ時間に朝ごはん…というように、毎日同じリズムの生活にすることは、この先、幼稚園などに通うようになった時にあわてずに済みますから、徐々に生活リズムを整えていくといいですね。
食が細いのはある意味、仕方のないことです。
その子の身体にあった量なので無理に食べさせるのではなく、食べられたら大げさなくらいほめる、一緒に喜ぶなどママのうれしい気持ちを伝えましょう!子どもの励みにもなるでしょう。
食べ慣れないものがある
食べたことのない食材など、味に慣れていないため食べられない。
特に少し前まで離乳食だった幼児期は、食べたことがないものがたくさんあります。
「味見してみる?」など、少しの量だけチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
好みのものなら、もう一口、と食べるものです。
ただし、幼児期は味覚が敏感でもあり、またアレルギーの心配などもありますので、スパイスなどの刺激の強いや生もの、そば、はちみつ、生卵、魚卵類はやめておきましょう。
まとめ
2歳児と言えば、「イヤイヤ期」。でもたとえそんな時期でも、食事マナーなど「しつけ」をないがしろにはできませんよね。
私も子供が小さいころは、つい感情に任せて大きな声で怒ることが何度もありました。
そう、「叱る」ではなく「怒る」。どっちが子供だ?!と思うほど大騒ぎしたこともあります。
でも反抗しながらも子供は、驚くほどママの様子を見ています。そ
して、やっぱりママのことが大好き♡ だからこそ食事のマナーについても、まずはママがお手本になりましょう!「イヤイヤ~!」と反抗しながらも、実はこっそりママの様子を見ています。
ママも女優さながらの演技力で、お手本を見せてあげてくださいね。ママが愛情を持っておこなったしつけは子供の心の中で、芽を出し、やがて大きな花を咲かせますよ。
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