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幼児(子供)はよく鼻血を出すものです。
しかし突然、我が子が鼻血を出してしまったら驚かずにいられる人はいないのではないでしょうか?また、原因はわからないけど頻繁に鼻血が出るといった場合、何か悪い病気なのではないかと心配になりますよね。
そこで今回は幼児の鼻血の原因と効果的な対処法、予防法についてお話しします。
幼児の鼻血の主な原因
鼻の粘膜が傷つきやすい
鼻の中には「キーゼルバッハ部位」という箇所があり、鼻血のほとんどはここからの出血です。
キーゼルバッハ部位は血管が網目状に密集していて表面に浮き出ている状態であり、鼻の穴からも近く指が届きやすいところにあります。
この部位の粘膜は薄いため少しの刺激で出血しやすいのです。特に幼児は無意識のうちに強く鼻をこすったり、ほじったりしがちなため粘膜を傷つけてしまい出血してしまいます。
また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の場合、鼻の中がムズムズするので何度もこすったり鼻をかんだりすることで粘膜が弱り出血してしまいます。
特に幼児はよく鼻風邪をひきやすいため、鼻の粘膜が腫れて切れやすくなることで鼻血が出やすくもなります。
鼻の血液量が増加する
発熱・気温・興奮・のぼせなどによって鼻の中の血液量が一時的、急激に増加し鼻血が出てしまいます。
特に幼児は鼻の粘膜が薄いため、血液量増加で血管が拡がってしまうだけでも粘膜が傷つき出血してしまいます。
血液量が増加した場合、鼻血が出る前に顔のほてりや赤みなどの症状が出るので注意してみてください。
幼児の鼻血の原因別対処法
では実際に、突然の鼻血でも落ち着いて対処できるよう原因別の止血方法をご紹介します。
鼻の粘膜が傷つき出血した場合
まず子供を椅子に座らせて下を向かせるようにしてください。なるべくなら背もたれのある椅子の方がいいです。椅子がなければ背もたれなしの椅子、もしくは地面に座らせてもかまいません。
そして小鼻の上あたりを強くつまんでください。
この部分はキーゼルバッハ部位にあたるところです。
この部位を鼻呼吸ができないくらいの強さでつまむようにしてください。すると約15〜20分ほどで自然と血が止まります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の場合も上記の止血処置で構いません。
そしてアレルギー性鼻炎などの場合はなるべくアレルゲンを排除するなどして良好な生活環境を作っていくことも大切です。副鼻腔炎も専門医による治療をしましょう。
血液量の増加による鼻血の場合
身体を冷やすことで血液量を元に戻しましょう。
先に述べた止血方法に加え、鼻を冷たいタオルで冷やすようにしてください。
太陽の熱射や気温などが原因の場合は日陰や涼しい場所に移動してください。
風邪などの発熱が原因の場合は熱を下げる処置が前提ではありますが、同時に上記のような止血処置をしましょう。
鼻血が出た場合のNG対処法
古くから知られている鼻血の対処法は現在では間違いである場合が多いようです。
上を向かせる
上を向くことで胃やのどに血液が入り込み咳や吐き気をもよおす原因にもなるのでやめましょう。
首の後ろをトントン叩く
全く意味がないのでやめましょう。
鼻の穴にティッシュを詰める
一般的によく行われる対処法ですが、ティッシュを詰めることで幼児の鼻の粘膜を傷つけやすくなり、却って逆効果です。しかも肝心の幹部にティッシュがきちんと届いてないことが多いため全く止血にならず、鼻に栓をして呼吸が苦しくなるだけです。
しっかり出血場所を抑えるように、柔らかいガーゼなどを鼻の穴にキツめに詰めるようにすれば効果的ですが、幼児の鼻の穴に上手く詰めるのは難しいかもしれません。
鼻血の予防方法
幼児は鼻の粘膜がもともと弱いことが鼻血の主な原因ですが、この粘膜を強くするために家庭でできる予防法をご紹介します。
まずはぶつけたり転んだりなどのケガに気をつけることや、のぼせによる鼻血を防ぐため適正体温を保つように洋服や空調温度など、子供の体温調節にも気をつけることが大切です。そしてぜひ試してみて欲しい方法が食事による鼻血の予防改善です。
食事で幼児の鼻の粘膜が強くなるようサポートすることができます。では鼻血予防の食べ物をご紹介します。
そば
そばに含まれる「ルチン」という成分が毛細血管を強くする働きがあります。このルチンは粘膜を強くする働きのビタミンCと合わせて摂取すると相乗効果があります。
ネギにはビタミンCがたっぷり含まれているので、そばを食べるときはネギを多めに入れてみましょう。
たんぱく質
卵や牛肉・鶏肉、大豆類などのたんぱく質も血管を強くする働きがあります。動物性たんぱく質も植物性たんぱく質もバランス良く摂取すると効果的です。
お茶
緑茶・紅茶・ウーロン茶などに含まれる「タンニン」という成分には止血効果があるので鼻血を止まりやすくしてくれます。
尚、タンニンは鉄分の吸収率を下げてしまうので、鉄分摂取をしたい場合は一緒にとらない方がいいでしょう。
また補足ではありますが、幼児の鼻血の原因にはもう1つ原因が考えられます。
それはストレスです。ストレスが溜まると体内で抗ストレスホルモンが分泌され、ストレスを抑えようとする働きがあります。
この時、ストレスによって体内のビタミンCが大量に奪われ、不足してしまうことで毛細血管が弱くなり、鼻血が出やすく、止まりにくくなるのです。
幼児にストレスなんて…と思ってしまいますが、例えば幼稚園や保育園に入りたての頃などは、慣れない場所や人や環境の変化がストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。そういった内的要因も鼻血の原因になり得るかもしれないので気をつけてみてください。
大きな病気が原因の鼻血の特徴
もし大きな病気が原因の場合は大量に出血したり血が止まるまで時間がかかるといった鼻血の症状が出ます。
判断基準としては通常、出血は15〜20分ほどで止まるのですが、止血に30分以上かかるといった状態でしたら耳鼻科を受診するようにしてください。
では幼児の鼻血から考えられる大きな病気にはどのようなものがあるのか、次に詳しく見ていきましょう。
幼児の鼻血から考えられる重大な病気
白血病・突発性血小板減少性紫斑病(ITP)・先天性血液凝固因子欠乏症などの血液の病気は比較的、幼児にも発症し得る可能性が高い病気とされています。
例えば白血病は小児ガンの中に占める割合が高めです。
また突発性血小板減少性紫斑病の急性型は病気が発症しても、6ヶ月以内に血小板の数が正常に戻り回復するものなのですが、この急性型も比較的幼児に多いとされており、この病気を発症した幼児の75〜80%は急性型とされています。
心配ない鼻血と大きな病気の鼻血を見分けるには
大きな病気の話ばかりで不安に感じてしまいますが、こうした病気が原因の場合、鼻血だけが初期症状としていきなり現れることは極めてまれとされています。
例えば先に述べた血液の病気の場合、ぶつけた覚えがないのに手足に無数のアザがあるとか、点のような出血があちこちに見られるなどの症状の方が初期症状としては一般的なのです。
また顔色が悪く元気が無くなったり、ひどい貧血になったりなども初期症状の1つですが、子供にそういった様子は見受けられず、元気な様子なら心配はいりません。
まとめ
いかがでしたか?突然の子供の鼻血はパニックになってしまいがちですが、子供の鼻血のほとんどは家庭での処置で治せます。
また子供の成長とともに鼻の粘膜も強くなり、鼻血が出にくくなっていきます。
まずは子供の状態を冷静によく見て正しい対処法を行ってください。