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「あれがしたい」「これが欲しい」「そっちに行きたい」…などなど、子どもはやりたいことがたくさん!
でも生活の中では子どもに我慢してほしい場面が山ほどあります。
そんな時、「だめ!我慢しなさい!」と言ってはいませんか?
子どもに「だめ!」と言って、押さえつけてばかりでは本当に我慢できる力は育ちません。
むしろ「自分でやりたい」という気持ちの成長を妨げたり、親の目の届かない所では我慢できない子どもになってしまう可能性もあります。
我慢できる力が育つと、自分の気持ちをコントロールする力が育ち、メンタルの強い子どもに育ちます。
また物事に取り組むときに色々な角度から考えられるようになります。
じゃあどうやって子どもに「我慢」を教えればいいのでしょうか?
今回は子どもに我慢を教える時期とその方法を紹介します!
「我慢」と「やりたい」はセットで育てたい!
「したい、見たい、欲しい、食べたい、行きたい」などなど、子どもの様々な「やりたい」気持ちはママたちを困らせる原因です。
でもそれは子どもが健康に育っている証拠でもあります。
「こうしたい」という自分の考えを持ち、それを表現できているということは、しっかりと周囲との信頼関係が育ち、主体性が育っているから出来ることなのです。
子どもにとってこの「やりたい」気持ちが成長には不可欠なものです。
しかし「やりたい」という気持ちだけでは、周囲に迷惑をかけることが多かったり、無茶な挑戦ばかりして自分の身を危険にさらす可能性が高まります。
そこに「我慢」する力、つまり自分の気持ちをコントロールする力が同時に育っていくことで、社会と自分のバランスを取りながら、自分の能力を発揮できる人間に育っていくのです。
まずは子どもの気持ちを理解しよう!~どうしてそうしたいのかを聞いてみる
我慢できない子どもに「我慢しなさい!」と言っても、大抵の場合は上手くいきません。
なぜなら子どもの中には、そうしたい理由があるからです。
子どもが我慢できない時は、まず「○○ちゃんは~~したいんだね」と、やりたい気持ちを認めてあげましょう。
そして、どうしてそうしたいのか、子どもにその理由を聞くことが大切です。
しかし毎日の家事や育児、仕事に追われるパパやママにそんなのんびり話を聞いているような余裕はないのが正直なところです。
つい「だめ!我慢しなさい!」と言って、大泣きする我が子を引きずりながら帰る、なんてこともあるはずです。
そんな時は食後のテレビの時間や、お風呂の時間、布団に入ってからなど、ゆっくり出来る時間に「そういえばあの時どうしてそうしたかったの?」と話を聞いてあげるのも良いでしょう。
焦らずに丁寧に聞いていけば、子どもでも自分の気持ちを伝えられるはずです。
そしてどうしてダメなのかを分かりやすい言葉で、シンプルに伝えましょう。
子どもは自分の気持ちを分かってもらったという安心感・満足感があるので素直に聞けるようになるはずです。
「我慢」と「諦め」は全然違うもの!
何かを我慢する時に、「仕方がない」と諦めて我慢することと、「なるほどそうか」と納得して我慢するのとでは全く意味が違ってきます。
子どもに我慢をしてもらう時、ママに気持ちを聞いてもらい、きちんと我慢しなければいけない理由を教えてもらった子どもは、はじめは「仕方ない」と諦めて我慢していても、そのうち納得して我慢できるようになります。
しかし「だめ!」と言って、親が強制的に我慢させていては、大人の前では我慢は出来るけれど、例えば子どもたちだけの場面では我慢できない子どもになっていき、トラブルメーカーになってしまう可能性もあります。
「仕方ない」という諦めと、「なるほど」という納得を繰り返しながら、子どもは我慢することを学んでいくのです。
子どもに我慢を教える時期とポイント
我慢を教える時期は?
ママとしては早い時期から我慢を覚えてもらえば楽ですよね。
でも我慢が出来るようになるのは、大体3歳前後、幼稚園の年少になる頃を目安にしましょう。
それには理由があります。
3歳前後は子どもが「やりたい」という気持ちをしっかりと持ち、さらに自分の気持ちをコントロール出来るようになってくる時期でもあります。
言葉の理解力も育ってきており、ゆっくり分かりやすく話せば大人の説明も納得できるようになってきています。
2歳までは目先の事にとらわれがちで、「あれもこれも」とどんどん興味が移り変わっていくことに加え、我慢しなければいけない理由を理解する力がまだ未熟です。
そのため、我慢することを教えてもあまり効果は期待できないようです。
我慢を教えるポイント5項目!
子どものテンションにつられない
子どもは楽しみなことが目の前にあるとそれしか目に入らなくなってしまい、テンションが上がってどんな注意も耳に届かなくなってしまいます。
そんなとき、ハイテンションになっている子どもに怒鳴ってもムダです。
同じように大声を出す大人の姿に、子どものテンションは上がっていくばかりです。
なのでまずは子どもを落ち着かせることを優先しましょう。
抱きしめて静かになるまで待ったり、人気のないところに一度移動するのも良い方法です。
そこで人の話を聞ける状態になってから、「ここで騒ぐと、みんなにぶつかってけがをしてしまうよ」など、なぜ落ち着かないといけないのかを説明しましょう。
小さいうちは周囲の雰囲気を理由にしても良い
レストランなどで騒ぐ子どもに「店員さんに怒られるよ」と注意する親の非常識さがよく話題になりますよね。
でも、そこまで極端にする必要はありませんが、我慢してほしい時に周囲の雰囲気を伝えるのは、小さい子どもにとってわかりやすく効果的な方法です。
例えば病院などでは「周りの人は具合が悪いから、ここでは静かにしようね」といった具合です。
もちろん成長に応じて説明の方法を変えていく必要があります。
年長くらいになれば、「病院は何をする場所なの?」「そこではどんな風に過ごさないといけないの?」など、子ども本人に考えさせる方法も良いでしょう。
ゲーム感覚で楽しく
我慢をすることは子どもにとって苦痛であることが多いものです。
大人でも嫌なことは続けたくないものです。
ましてやそれが何度も続くとなると、我慢も限界に達してしまいます。
そのため、我慢する時間を楽しいものに変えることで、子どもにも無理なく我慢をしてもらうことができます。
例えば、シール遊びを準備しておく、「時計の長い針が6から9に動くまでに、この紙にお絵描きしりとりしていよう」など、じっとしているだけではない我慢の仕方を伝えていきましょう。
状況を予測して約束しておく
病院の待合時間や、スーパーでの買い物の場面など、子どもに我慢をさせる必要の有無がある程度予想がつく場合があります。
そんなときは前もって「この前お菓子を買ったから、今日はお菓子は買わないよ。今日は我慢して、家に帰ってきてからこの前買ったお菓子を食べよう。」など、我慢する必要があることを前もって伝えておけると良いでしょう。
そうすることで子どもにも心づもりができます。
突然我慢しなさい!と言われるよりも、前もって伝えることで見通しが持てるため比較的納得しやすくなります。
もちろんスムーズに受け入れてくれないときもあるはずですが、そこで折れてしまっては我慢の練習にはなりません。
子どもと話し合いながら、お互いが納得できる選択肢を見つけてから出かけるようにしましょう。
我慢は親のためではない
子どもが我慢してくれると、親も楽になります。
しかしそれが親の得になるから子どもに我慢をさせるわけではないことを心に留めておきましょう。
子どもに我慢を教えるのは、子どもが将来的に自分の感情や行動を環境に合わせてコントロールしていけるようになるためです。
そのため、「今テレビを見ているから話しかけないで!」などという我慢のさせ方は本当の目的からずれてしまっています。
そんな教え方では子どもは「我慢=親の機嫌を取るため」と思い、顔色をうかがいながらビクビクして過ごすようになってしまいます。
なぜ我慢することが必要なのか、まずはパパやママがしっかりと理解するところから始めましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
我慢が出来るということは、将来的に社会の中でうまく自分をコントロールしながら能力を発揮できる人物になることにつながっていきます。
過去にアメリカで行われた「マシュマロ実験」というものが存在します。
4歳児に「目の前の1個のマシュマロを食べるのを15分我慢出来たらその時は2個あげる」と言うのです。
結果は186人の、約3分の1は15分我慢出来ました。
そしてその我慢出来た約3分の1の子どもは、成長後の大学受験の際に我慢出来なかった子どもよりはるかに成績が良かった、という実験結果になりました。
つまり我慢出来る子どもの方が、将来的には有望!?なのかもしれません。
ぜひ今回の記事を参考にお子さんに我慢の練習をさせてあげてくださいね!