いい香りに癒されるアロマセラピー。
雑貨屋さんや化粧品売り場などで気軽にアロマオイルを購入できるようになり、リラクゼーションの方法としてかなり一般的になりました。
実はこのアロマオイルの中には、安眠に効果的と言われているものがあります。
その効果はなんと!医療施設や介護施設でも取り入れられるほど!きちんと安全なものを選び、適切な使用方法を実践すれば、赤ちゃんにも使えます。
今回は赤ちゃんの寝かしつけに役立つアロマを紹介いたします♪
アロがなぜ赤ちゃんの寝かしつけに役立つの?
アロマオイルに含まれる香りの成分は、その成分ごとに様々な作用があると言われています。この香り成分の中には安眠効果が期待できるものもあり、その成分を鼻や肺の粘膜から体内に取り入れることで、香り成分の作用を得ることができるのです。
また、嗅覚は脳の奥深くに刺激を与える唯一の感覚で、身体にも様々な影響を与えます。
身近なところでいえば、美味しそうなものの匂いを嗅いでよだれが出たり、街中で恋人と同じ香水の香りがすると心臓がドキドキしたりといった経験はありませんか?これは、香りが脳を刺激し、以前にその香りを嗅いだときの記憶を呼び起こして、それに身体が反応するからなのです。
これは、人間がまだ動物として生活していたころに、食べられるものと食べられないものを見分けるための機能や、仲間とそうでないものを見分けるための機能のなごりと言われており、嗅覚と記憶の関係は、生物として本能的に備わった反応なのです。
この反応を利用して、たとえば赤ちゃんが眠るときに毎回ラベンダーの香りを嗅がせていれば、ラベンダーの香り=睡眠と脳の中で結びつき、しだいにその香りを嗅いだだけで眠くなってくるという効果を得ることができるようになるのです。
超重要!安全なアロマオイルを選ぶには?
アロマオイルと言っても、販売されている種類は様々。安く販売されているものもありますが、中には合成香料や石油成分のみで作られた危険なものも。
また、天然のアロマオイルの中にも、刺激が強く、赤ちゃんには使用できないものもたくさんあります。
以下の注意点を守って、赤ちゃんに優しいアロマオイルを選んであげましょう。
必ず天然成分100%のものを使用する
アロマオイルの中でも、「アロマオイル」と表記されているものと「エッセンシャルオイル」や「精油」と表記されているものがあります。
「アロマオイル」と表記されているものは安価で手に入れやすいのですが、ほとんどが合成香料や石油成分で製造されたもので、使用すると気分が悪くなったり、頭が痛くなったり、喘息や蕁麻疹などの不調が出る方もいます。
必ず、「エッセンシャルオイル」や「精油」と表記され、かつ、100%天然成分であることを確認できるものを選ぶようにしましょう。
使用期限を守りましょう。
前述した通り、赤ちゃんに使えるのは100%天然成分のオイルです。
そのため、開封後に時間が経つと酸化してしまったり、日光に当たると変質してしまったり、高温多湿になると腐敗してしまうものもあります。
特に、柑橘系の精油や花から抽出した精油は劣化しやすいので、注意が必要です。
使用する濃度を守りましょう。
どんなに天然成分100%で安全と言っても、多量に使い続ければ身体に害を及ぼす危険もあります。
特に赤ちゃんは、身体も小さく、解毒機能も未完成で、影響を受けやすいです。どんなに多くても、大人の使用量の半分(目安は1度に精油1~2滴)を超えないように注意しましょう。
また、1日中、毎日ずっと使い続けるのも危険です。赤ちゃんを寝付かせるまでの10~30分での使用を目安にしましょう。
できるだけ低濃度で使うよう意識しましょう。
うまく睡眠に入るためには、脳への刺激を最小限に抑えることが必要です。
せっかくアロマを使っての寝かしつけを実践しても、アロマが刺激となって赤ちゃんが興奮してしまっては逆効果。ほんのり香りが漂う程度に抑えましょう。
作用が強い精油は使わないようにしましょう。
精油の中には、とても作用が強く、赤ちゃんや子供には使用できない精油があります。
以下の精油の使用は控えてください。
- クローブ
- シナモン
- ジンジャー
- タイム
- フェンネル
- ペパーミント
- レモングラス
- ローズマリー
- クラリーセージ
- バジル
- メリッサ(レモンバーム)
- サイプレス
- シダ―ウッド
- ジュニパー
- ヒソップ
- ミルラ
- ユーカリプタス
赤ちゃんにとって安全なアロマの使い方は?
3歳未満のお子様には、必ず「芳香浴」のみを実施します。
芳香浴とは、空間に香り成分を拡散させて、空気中に漂った香り成分を鼻から吸入する方法です。
アロマディフューザーやアロマポットなどといった専用の器具を使用するのが一般的ですが、熱湯を入れたマグカップにアロマオイルを垂らしたり、ティッシュやガーゼなどにアロマオイルを垂らして枕元に置くなど、手軽に代用することもできます。
ただし、誤って赤ちゃんが口にしてしまうことのないよう注意してください。
赤ちゃんの寝つきをサポートするのにおすすめの精油はこちら!
ラベンダー
作用が穏やかなため安全で使いやすく用途も広いので、1本持っているととても便利です。
香り成分の75%が鎮静に役立つ成分で構成されており、血圧や心拍数を下げ、神経のバランスを調整する働きがあると言われています。
そのため、眠りやすいように体の状態を整えてくれます。
カモミールローマン
ヨーロッパでは古くから民間治療薬に用いられた植物で、「女性と子供の精油」と呼ばれるほど広く安心して使える精油です。
安眠を誘う精油として有名で、乾燥させたカモミールはハーブティとしても利用されます。
高ぶっている神経や動揺を鎮めると言われており、子供の癇癪(かんしゃく)にも有効です。
フルーティな甘い香りは子供でも受け入れやすく、アロマに慣れていない赤ちゃんにもとても使いやすい精油です。
サンダルウッド(白檀)
心を落ち着かせ安心させる以外に、精神的ストレスや緊張も緩和します。
特に環境の変化や、ママが不安なときなど、何かを感じ取ってぐずるような赤ちゃんを落ち着かせるのに効果的だと言われています。
甘みのある重い香りは記憶にも残りやすく、香りと睡眠を結びつけるトレーニングに使いやすいです。
オレンジ
おなじみのオレンジの果実の皮からとれる、フルーティで親しみのある香りの精油です。
アロマに慣れていない赤ちゃんでも受け入れやすく、値段も安価なため、初めての精油としてよく選ばれます。
特に、孤独感を抱えた心を安心させ、明るい気持ちに導いてくれると言われており、抱っこをやめると不安がってないてしまう赤ちゃんにおすすめの精油です。
ラベンダーと混ぜて使用すると香りも豊かになるうえ、安眠効果も高まります。
スイートマジョラム
冷えた心や身体を温めてくれるというスイートマジョラム。
婦人科のクリニックでは冷え性や月経痛などにもよく使用されます。
血管を広げて血液の流れを良くする成分を含んでおり、寝る前に使用することで、余分な体熱を放散しやすくし、寝つきが良くなります。
ベンゾイン
バニラのような甘い香りが高いリラックス効果を発揮する精油です。
別名は安息香と呼ばれ、その名の通り、呼吸を穏やかにしてくれるという特徴を持っています。
粘膜を保護して潤わせる働きもあると言われており、呼吸器系のトラブルで眠れないときにおすすめです。
ただし、原料となる樹脂はかなり粘度が高いため、一般的に販売されているベンゾインの精油はアルコールで希釈されていることが多いです。
希釈に使われているアルコールも、植物性のものを選ぶようにしてください。
アロマをうまく利用して、心地よい時間を!
家事や育児でクタクタなのに、なかなか赤ちゃんが寝てくれない。
眠いのになかなか寝付けずイライラしている赤ちゃんを見るとつらい。
真剣に育児に向き合っているママだからこそ、悩むことも多いですよね。
そんなとき、アロマは気持ちを切り替えるきっかけとしても活躍してくれます。
初めから「アロマで寝付かせよう!」と意気込んでも、なかなかうまくいかないこともあるので、ママと赤ちゃんがリラックスタイムを共有するような気持ちで、アロマをのんびりと楽しむところから始められるといいですね。
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