見出し
現在、母乳育児を頑張っているママさんたちもいずれは卒乳・断乳の時が訪れます。
実はその時にしっかりとおっぱいケアをしないと、その後に様々なリスクを引き起こす可能性があるということを知っていますか?
「では具体的にどうすればいいの?」「やっぱり母乳外来に行くべき?」といろいろな疑問が湧いてきますよね。
そこで今回は断乳・卒乳のおっぱいケアについて詳しくお話ししていきたいと思います。
卒乳と断乳の違いは?
【卒乳】
赤ちゃんの方から自然と母乳を欲しがらなくなる、もしくは母乳が自然と出なくなって行くことで母乳育児が終了すること。
自然に授乳回数が減っていくのに合わせて、母乳量も徐々に減っていくのでおっぱいのトラブルが比較的少ない。
【断乳】
ママ側が「母乳をあげない」と決断し意図的に授乳をストップすること。
断乳の理由
- ママが病気などで投薬が必要になる場合
- ママの身体的疲労
- 産休育休から仕事復帰するため
- 赤ちゃんが1歳を過ぎても食事があまり進まない
- 夜泣きがひどい
- 寝かしつけや精神安定としての効力がなくなってきた
断乳はまだしっかりと母乳が作られている状態から突然、授乳をストップしてしまうためおっぱいも張りやすくなり、痛みやしこりができやすい状態に。
断乳のおっぱいケアが必要な理由
母乳の原料は血液です。
そのため乳房の中に残った母乳は本来、自然と血液に吸収されていくので特別に卒乳・断乳ケアをする必要は基本的にはありません。
しかし体質によっては元のおっぱいに戻るまでの時間が長くかかってしまい、スムーズに断乳・卒乳ができない場合があります。
またケアを怠ることで次の3つのトラブルが起こる可能性があります。
- 乳腺に母乳のかすが残ってしまい、次の子供の授乳時に乳腺が開かなくなる
- 古い母乳の残りが乳腺に詰まって最近感染を起こしたり、溜まった母乳の脂肪分が詰まることで乳腺炎になってしまう
- 乳腺に残った母乳がしこりになってしまう
こうしたトラブルや病気を回避しスムーズに断乳・卒乳するためにも、おっぱいケアはしっかりと行うと安心です。
断乳時のおっぱいセルフケア方法
ではおっぱいのトラブルを回避するための正しいおっぱいケアと断乳方法をご紹介します。
断乳開始から3日目まで
それまで十分に母乳が生成されていたため、断乳することでこの3日間くらいはすぐに胸が張ってしまうでしょう。しかしおっぱいが痛くなるまではなるべく我慢して母乳を出さないようにしてください。
痛くなってきたら搾乳ではなく「圧抜き」を行なってください。圧抜きは乳頭や乳輪部分をつまんでリズミカルに軽く押して母乳を出してください。指を3〜4本使っていろんな角度から圧をかけましょう。
この作業を1日1〜3回ほど。痛くてどうしても我慢できなくなった時だけやるようにしましょう。
断乳4日目以降
このころになると母乳量がだいぶ減って、おっぱいの張りや痛みが楽になってくるので溜まっている母乳を全部絞り出しましょう。
体が温まると母乳がよく出るのでお風呂場などで行うといいでしょう。両手でおっぱいを掴み、おにぎりを握るような感じで絞ります。
手の位置を変えながらいろんな方向から絞るようにしましょう。そしてここからまた1週間は痛くて我慢できなくなったり、張りを強く感じたら少しずつ圧抜きをしていくようにしてください。
断乳1週間後
断乳4日目のように母乳を絞りきってください。この頃にはもうあまり張らなくなっているでしょう。
断乳1ヶ月後
まだ母乳が出るかどうか絞ってみてください。全く出ない、もしくは白ではなく透明な汁が出始めたら断乳はほぼ完了です。まだ出る場合はまたお風呂場などで出しきるようにしてください。
しかし半年以上、母乳が出続けてしまう場合は高プロラクチン血症などの病気が疑われるので、念のため1度病院に行くようにしましょう。
断乳中に気をつけること
食事に気をつける
高カロリー、糖分や脂肪分の多いもの、揚げ物などの食事は母乳の粘性が強くなるため、断乳中に摂取すると乳腺が詰まる原因になります。
なるべくこうした食事は避けるようにし、和食などの低カロリーでヘルシーな食事を心がけましょう。
張りや痛みが強いうちはシャワーのみにする
身体を温めてしまうことで母乳の分泌が活発になってしまい、余計に張りや痛みが出て辛くなります。
特に断乳開始3日目頃までは湯船にはつからず、シャワーだけにしましょう。
おっぱいにしこりが残ってないかチェックする
断乳が完了した後、しこりがないか触ってチェックしましょう。
しこりは古いおっぱいが残っていることで出来てしまいます。
断乳の最中は時折、しこりを感じることもあると思いますがちょっとしたしこりなら気にしなくても大丈夫です。
前述したとおりの正しい断乳を行えばしこりは出にくいでしょう。
断乳中に痛くて辛い場合の対処法
断乳中の痛みや乳腺炎を防ぐためには、おっぱいを冷やすことと母乳の生成を抑えるようにすることが大切です。おっぱいが痛くて辛い場合は市販の貼るタイプの冷却シートや保冷剤などで冷やしましょう。
ペパーミント精油を冷水を入れた洗面器に6滴ほど落とし、その中に程よい大きさのタオルやガーゼなどを浸して軽く絞るとペパーミント湿布が出来ます。これを痛みや熱を持っている部分にかぶせて冷やすようにしましょう。
この湿布を作り置きしてジップロックなどに入れて冷蔵庫に保存しておくと、痛む時にすぐに使えて便利です。
また母乳分泌の抑制効果があるペパーミントティーやセージ茶などを飲むようにすると断乳・卒乳をスムーズにしてくれるでしょう。
断乳中に辛い場合母乳外来は必要?
産院や助産院にある母乳外来では乳腺をきれいにクリーニングして古い母乳を完全に取り除いてくれる専門的なマッサージをうけることができます。
また「桶谷式」と呼ばれる専門的な母乳ケアをしてくれるところもあります。
こうした母乳外来や桶谷式母乳相談室は母乳の出が悪いときや乳腺炎になった時などの授乳中の時から、卒乳・断乳時のケアまで専門的なマッサージや食事指導なども受けることができます。
基本的には前述したとおり、母乳は自然と血液に吸収されるものなので断乳・卒乳後に必ず行かなくてはいけないというわけではありません。
しかし授乳中の時に母乳が詰まりやすかったり、乳腺炎になりやすかった人は卒乳・断乳時もトラブルが起こりやすく自己ケアのみでは完了しないこともあるので、母乳外来の専門的なケアを受けに行く方がいいかもしれません。
また、特にトラブルがなくても自己ケアのみではなんとなく不安という人や、次の出産に向けてスムーズに母乳育児を開始したいという人もプロの専門的なマッサージを受ければ万全ですし安心できるのでおすすめです。
自己ケアでは母乳を出し切ったと思っていても、実際プロのマッサージを受けるとまだ残っていた母乳が結構出てくることもよくあります。
もし断乳後もしこりが残っていたり、痛みや張りがあって辛い場合はぜひ行っておくべきでしょう。
乳腺炎になるほどではないとしても、しこりが残っていると乳がん検診の検査時に正しく判別しにくくなる原因になるので早めに取り除いてもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
子育てをしているとどうしても自分のことはつい後回しになってしまうと思いますが、お子さんとの大切な授乳タイムをきちんと締めくくるためにも、自分の身体をしっかり労わって正しいケアをするようにしましょうね。
この記事を読んだ方ははこちらの記事も読んでいます。
>>恐るべし!子供の「イヤイヤ期」!有効な接し方とダメな接し方
>>サイレントベビーとはどんな赤ちゃん?うちの子もしかして・・と思ったときにママが知っておくべきこと