見出し
ある日、忙しく働いていたはずの夫がうつ病になってしまった…。
仕事はどうするの?入院?家で療養?
そんな毎日が続いているうちに、もう夫婦としてやっていくのは限界!となってしまう奥さんの姿は珍しくありません。
そこで再構築していく夫婦もいれば、離婚という選択をする夫婦もいます。
今回はうつ病の特徴とともに、うつ病を理由に離婚することの多い4つのケースや別れを選んだ際の注意点などを紹介します。
また離婚ではなく、夫を支えるという選択をした場合に「もう限界!」とならないためのポイントもお教えします。
うつ病の特徴
典型的なうつ病
やる気がなくなり、何をしても面白くなくなります。
食欲や性欲も低下し、不眠にも悩まされるようになるため、ぼんやりすることが増えます。
また集中することや判断力も低下し、ミスや遅刻などが目立ちます。
頭痛や腹痛などの身体症状が現れることもあります。
躁うつ病
活動量の低いうつ状態と、ハイテンションで活発に活動する躁状態が交互に現れる病気です。双極性障害とも言われます。
躁状態のときには激しい消費行動や、攻撃的になる場合もありトラブルにつながることも多いです。
非定型うつ病
新型うつ、とも呼ばれます。
うつ状態が現れるのは典型的なうつ病と変わりませんが、趣味など自分の好きなことには意欲的に活動できるので、周囲からは否定的に受け止められることが多いです。
また、他人に責任があるというような他罰的、批判的な態度が目立つのも典型的なうつ病とは異なる点です。
うつ病の夫を支えきれない妻は「悪い妻」?
夫がうつ病になり、献身的に看病してきたけれどもう限界!と別れを決意するのは悪いことなのでしょうか。
世間は「病気の夫を見捨てるなんて、何てひどい妻だ」と非難するでしょう。
でも、うつ病の夫を妻一人で支えるのはほぼ不可能です。
症状が重ければ通院の送迎、付き添いが必要ですし、自殺を考えるような状態では24時間の見守りが必要です。
それに加えて家事や子供がいれば育児をし、夫の代わりに働きに行く妻もいるはずです。
明らかにオーバーワークで心身ともに疲れ切った状況を、離婚することで改善させたいと思うのは「悪い妻」だからではなく、ごく自然なことです。
でも離婚に踏み切る前に、今の状況が「普通ではない」状況であることを思い出してください。
もし普段の自分だったらどう判断するか、一度立ち止まって考えてみましょう。
第三者の意見を聞くのもよい方法です。
それでも「やっぱり!」と思ったら、離婚も一つの大切な選択肢です。
うつ病から離婚に至るケース3例
うつ病の夫と離婚に至る場合、様々な理由で生活が苦しくなること、周囲の無理解に原因があることがほとんどです。
うつ病から離婚に至ることの多い3つのケースについて紹介します。
経済状況の悪化
それまで仕事ばかりしていた夫がうつ病で退職してしまった場合、家計を支えるのは妻になります。
しかし夫の看病や育児をしながら、治療費を含む家計を支えていくのは非常に困難です。
経済的に限界を感じ、離婚を選択するケースもあります。
義両親・親族との関係悪化
本来なら看病や生活の維持のために協力しあう関係の義理の両親や親戚。
しかし中には「妻であるあなたが責任をもって面倒をみてね」と丸投げにされるケースも。
さらには「うつ病になったのは妻であるお前のせいだ」「病院に連れて行ったり、入院させるなんて許さない」と追い詰められてしまうケースもあります。
非常時こそ人間の本性が見えてしまうもの。
もし夫が回復したとしても、今後親戚づきあいを続けていくことに限界を感じ、離婚を選択することがあります。
妻の心身の疲労
夫の看病に家庭生活の維持、それを妻が一身に請け負うことになればその負担は並々ならないものです。
さらに自殺を考える状態であれば終始心の休まる時間帯はなく、精神的に不安な日々を過ごすことになります。
そのストレスが原因で妻が体調を崩してしまったり、今度は妻がうつ病になってしまうことも。
やむを得ず離婚という選択をする夫婦も存在します。
うつ病の夫を支える、という選択肢~支えるポイント7
1、うつ病への理解を深める
うつ病には様々な種類があり、特徴もそれぞれ異なるものです。
まずは周囲がタイプの違いを理解することが、治療に効果的な日常生活のサポートにつながっていきます。
2、通院の付き添いなど治療に協力する
うつ病の症状の重いときは、自分で通院することも出来なくなってしまいます。
そんな時には通院のサポートや服薬の管理が必要です。
また治療に付き添うことで主治医からサポートのコツを聞くことができたり、家庭での様子を報告して治療に生かすことができます。
3、休むよう促す
真面目に頑張りすぎてしまう典型的なうつ病の人には、まず休養をとれるよう環境を調整する必要があります。
この場合は頑張りすぎてエネルギー不足になってしまった状態だからです。
励ますのは逆効果です。
一方、非定型うつ病の人は、休みすぎると何事も避けたいと思う傾向が強まります。
そのため、状況を見ながら励まして活動するように促していくことも必要になってきます。
4、腫れ物扱いせずにさりげないサポートを
病気になってしまった、といって腫れ物に触れるかのように特別扱いをされる印象があると逆に気にしてしまう人もいます。
サポートを受けること自体苦手な場合が多いので、静かな環境を作るなど些細な事でも良いので、さりげない心遣いに気をつけましょう。
5、長い目で見守る
うつ病の回復は波があります。良くなったかと思うと、また調子が悪くなったりを繰り返して回復していきます。
また一日の中でも波があるので、「じっくりしっかり治す」という気持ちで付き合うことが大切です。
また少し調子が良くなると「早く良くならないといけない」との思いから頑張ってしまい、また調子を崩してしまう人がいます。
そんな焦りを本人と同じように妻も抱いてしまいがちなので、ここは気を付けたい点です。
6、症状の変化に気を付ける
うつ病では身体も動かない状態が少し回復し、活動ができるようになってきたときに自殺が起こりやすいと言われています。
また躁うつ病の躁状態では、高額のものを相談も無しに簡単に買ってしまったり、あちこちで喧嘩などのトラブルを起こしてしまうことがあります。
本人が勝手に薬を飲まなくなってしまったり、飲んだふりをして捨ててしまうこともあり、症状が悪化している原因がわからないというケースもあります。
本人の行動や症状の変化を見逃さず、医療機関に相談しながら治療を進めていくことが大切です。
7、妻も支援を受けること
医療機関ではうつ病の患者さんに通常医師や心理士、看護師、その他の医療スタッフなどでチームを組んで治療にあたることが多いものです。
妻が夫の様子を一人で見ているのでは、その負担はかなり大きいものです。
夫の症状を医療機関に相談するだけではなく、妻自身もサポートを受ける必要があります。
例えば育児や家事を手伝ってもらい、ゆっくり休む時間を作ることが大切です。
また病気が長引いている場合、障害年金など経済的な支援を受けられる可能性もあるので、病院や行政の相談窓口などに相談してみてもよいでしょう。
もう限界!うつ病の夫と離婚を考えた時の注意点
夫を支えて頑張ってきたけれどもう心身ともに限界を迎え、離婚を前向きに考え始めたい…そんな時に注意しなければいけない点があります。
話し合いは難しい
離婚を考えた場合、まずは話し合う必要があります。
しかしうつ病の場合、話し合いがなかなか進まずに離婚協議が進められない、といったケースもあるようです。
離婚の話をしだすと症状が重くなったり、中には自殺未遂をするケースも…。
一筋縄ではいかない、と覚悟をしておく必要があります。
離婚に詳しい弁護士に相談を
自分では話し合いが進まないといった場合、弁護士に相談することが望ましいようです。
離婚調停、それがうまく行かなければ訴訟、と法律と照らし合わせながら進めることになります。
中には弁護士が間に入ることでスムーズに話し合いに応じられる場合もあるようですが、うつ病の場合はやはりなかなか進まないようです。
また法テラスなど無料で相談できる場所もありますが、一般的に弁護士に依頼する場合は費用もかかるので、相談する場合は慎重になる必要があります。
まとめ
生涯添い遂げようと思った相手がうつ病になったら…。
愛情があったとしても、それを覆すくらいの変化であることは間違いありません。
今後の人生を考えると支えるべきか、それとも離婚すべきか。
そこでどのように夫と付き合っていくか、もし迷ったときにはぜひ今回の記事を参考にしてもらえると嬉しいです!