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子育ては思い通りにいかないことだらけですよね。
親の気持ちがあまりにも伝わらないと、イライラしてつい感情に任せて怒ってしまったり、傷つけるつもりはなかったのにひどいことを言ってしまったり…
そんなとき、言葉の選び方で、子供の受け取り方や今後の成長の仕方は大きく変わります。
とは言え、慎重に毎回言葉を選んでいたら大変。
子供に接するときの心構えのコツを掴んで、自然に子供にとっていい言葉をかけてあげられるようになりましょう。
子供のしつけのポイントは「心」に寄り添う
親はついつい起こった出来事に対して注意が向きがち。
子供はまだ状況を客観的に理解するのは難しいので、結果を評価されてもよくわかりません。
そこにいたるまでの子供の心に目を向けた言葉がけが重要です。
褒めるときは「頑張ったね」
子供を褒める時、ついつい「よくできたね」や「いい子だね」といった言葉をかけていませんか?
こういった言葉は、それをやり遂げた子供自身ではなく、できた結果に目が向いてしまっています。
この言葉がけでは、子供自身が努力する心が育たず、大人が喜ぶように物事を進めようとする子になってしまいます。
褒める時は「頑張ったからできたね」など、子供本人の苦労や努力に目を向けた言葉がけが大切です。
泣いてるときは心の整理をしてあげる
小さな子供は泣くことでしか不快な感情を表現することができません。
そんなときに「泣かないの!」や「うるさい!」などと、子供の感情を抑えつけるような言葉をかけてしまうと、子供は「自分は不快な感情を表に出しちゃいけないんだ」と学び、感情を押し殺して自分の中にため込んでしまうようになります。
まだ自分で感情整理ができない子には、なぜ泣いているかを見極めて「悲しいんだね」「びっくりしたね」「悔しいね」など、子供がうまく言葉にできない感情を、ママが代わりに言葉で表現してあげると効果的です。
「いや!」に理解を示す
2歳ごろになって自我が出てくると、子供は自分の思い通りにいかないと泣いたりかんしゃくを起こしたりすることが多くなります。
しかし、そんなときに「だめ!」「いう事を聞きなさい!」など、子供の気持ちを考えずに親の意見を押し通してしまうと、自我がうまく育たず、自分の人生を自分で選べない子になってしまいます。
こんなときは頭ごなしに怒ったりせず、子供の気持ちを受け止めてあげることが大切です。
「○○ちゃんはこうしたいんだね」「これはいやなんだね」など、「ママはあなたの気持ちがわかりますよ」ということを言葉で示してあげると安心し、ママの言うことも素直に聞き入れてくれるようになります。
子供も一人の人間として認めることでしつけが上手くいく!
親はちゃんと育てなければいけないという想いから、ついつい自分の価値観を押し付けたり、大人が正しいと思いがち。
しかし、子供は子供なりに経験を積んだり考えたりして、子供なりの価値観を持っています。
それが親の価値観に沿わないからといって否定したり、叱りつけたりすることは、子供の人格そのものを否定していることになり、いつも不安を抱える子に育ってしまいます。
子供も一個人として認め、ちゃんと向き合うことが大切です。
何かをするときには「これとこれ、どっちがいい?」
親が忙しかったりするとついつい子供に「こうしなきゃダメでしょ!」と先回りして指示を出しがち。
しかし、これでは子供の価値観を無視してしまっていることになります。
こういった言葉がけは子供の人格を認めずに、子供を自分の所有物化してしまっている心の表れ。
このままでは子供は自分の気持ちを押し殺し、自分の意見が言えないようになってしまいます。
とはいえ、急いでいるときなどに駄々をこねられたりすると大変なもの。
そんなときは「これとこれだったらどっちがいい?」など、親が許容できる範囲の選択肢を提案し、子供に選択権を与えると、子供は納得して選んでくれるようになります。
そういった経験の積み重ねで、子供は「自分は認めてもらえている」という自信を持つようになるのです。
何かをしてくれたときは「ありがとう」「嬉しいよ」
例えば、子供がお手伝いをしてくれたときや、お友達におもちゃを貸してあげるなど、優しい一面を見せたときに、「偉いね」「すごいね」などといった、評価する言葉をかけてしまっていませんか?
こんな言葉で褒めていると、相手の気持ちを考えずに、自分の行動を評価してもらいたがるようになってしまいます。
優しさをもつことは、「偉い」ことでも「すごい」ことでもありません。
子供が優しさをみせたときには、「ありがとう」「嬉しいよ」など、きちんと気持ちを伝える言葉をもちいることで、相手にも気持ちがあることを理解し、相手の気持ちに寄り添った行動をできるようになります。
子供の人格を否定しない
大人であっても「ダメな人」「悪い人」「こんなこともできないの」なんて言葉を言われたら、立ち直れないほどに傷つきますよね?
それなのに、こんな言葉を子供に言ってしまっていませんか?
直接子供に言っていないにしても、大人同士のやりとりのなかで謙遜のつもりで言った一言が、子供の心を傷つけてしまうこともあります。
叱るときは何がいけないのか「理由」を伝える
まだ善悪を判断できない子供は、社会的ルールやマナーを破ってしまうこともあります。
そんなとき、「悪い子!」「ダメな子!」と叱りつけてしまっていませんか。
このような言葉を使うと、子供は「自分は悪い子なんだ」と思い込むようになってしまいます。
社会的なルールやマナーは守らないといけないものなので、ときには叱ることも必要ですが、そんなときには「なぜいけないのか」「何が問題なのか」を明確に言葉にすることが必要です。
他人に褒めてもらったときは「ありがとうございます」
子供と一緒に外出する機会が増えてくると「○○ちゃんはお利口ね」などと、他人から褒めてもらうこともあるはずです。
そんなとき、つい謙遜のつもりで「そんなことないんですよ」や「うちの子はまだまだ」など、つい子供を下げるような言葉を使ってしまっていませんか?
子供はまだ謙遜を理解できないので、そんなママの言葉を真に受けて「自分はダメな子なんだ」と傷ついてしまいます。
こういった言葉は親子の信頼関係を崩してしまうので、絶対に使わないようにしましょう。
褒めてもらったときは、素直に「ありがとうございます」や「そう言っていただけて嬉しいです」など、子供が褒められた内容を否定しないよう注意しましょう。
まとめ
子育てでの言葉がけのコツは「子供の心に寄り添う」「一人の人間として認める」「人格を否定しない」の3つです。
この3つを意識するだけで、子供に掛ける言葉や態度は自然と子供を認めるものに変わってきます。
子供は「親に認められている」という安心感だけで、健やかに成長し、ぐずることや親に反発することも少なくなります。
さらに、子供を一個人として認めることは、過干渉にならずに済み、子供との正しい距離を保つことができることによって、ママ自身も子育てが楽になります。
子供を守りたい気持ちや支えたい気持ちから、つい自分の価値観で子供の行動をコントロールしがちですが、その気持ちをグッとこらえ、子供自身の気持ちを尊重して、人としての関わりを持てるようになることが大切です。
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