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日々めまぐるしく成長している赤ちゃん。
離乳食が始まり、乳歯が生えてくる時期になると、乳歯のケア方法や「虫歯」について心配になってきますよね。
将来虫歯になりやすいかどうかは、ママやパパが赤ちゃんの虫歯ができる原因を知り、しっかりケアしてあげることが大切なんです。
この記事では、虫歯になった時の対処方法、赤ちゃんの歯磨き方法などについてご紹介します。
乳歯ケアの重要性
乳歯がいつ生えてくるかですが、離乳食を始めるころの生後5~6カ月くらいから生えてくる子もいれば、筆者の子供のように生後9カ月になってやっと下の歯が生えてくる子もいます。
早い遅いは赤ちゃんによって個人差がありますので、乳歯の生え始めはそこまで神経質になることはないです。
生え始めの乳歯はやわらかく、エナメル質の厚さは永久歯と比べると1/2と弱いです。
つまり、虫歯になりやすく進行も早いため、1本虫歯になってしまうと他の歯も虫歯になる可能性があります。
乳歯の虫歯が進行してしまうとどうなるの?
- しっかり噛むことができなくなる
- 発音やあごの発育にも影響してくる
- 永久歯の成長の阻害、歯列形成や変色に影響する
乳歯の虫歯が進行すると、上記のような影響の心配が出てきます。
乳歯はいずれ抜けるからケアしなくてもいいわけではなく、将来に影響してくるとなるとしっかりケアをしなければと思いますよね。
どうして乳歯が虫歯になるの?
そもそも、どうして虫歯になってしまうのでしょうか。
生まれたばかりの赤ちゃんの口内には虫歯菌はいません。
しかし、大人の口の中にはさまざまな細菌や、虫歯菌が数多く存在します。
虫歯菌の中で、もっとも病原性が高いと言われている「ミュータンス菌(SM菌)」は、乳歯が生え始めてから2歳半ころまでの間に母親や家族から伝播し、早期に定着してしまうと言われています。
定着してしまえば生涯虫歯は住み続け、虫歯に悩むことになってしまいます。
感染するのが遅ければおそいほど虫歯になりにくいと言われており、ミュータンス菌などの虫歯菌を防ぐことが、赤ちゃんの虫歯予防になるのです。
虫歯の感染源とは?
- 大人が使った箸やスプーンの使いまわし、口移し
- 赤ちゃんの口にキス
- 大人が口をつけたもの
ミュータンス菌などの虫歯菌は、唾液を介して感染します。
上記にあげたように大人が使った箸やスプーンの共用により子供の口内に侵入してしまいます。
ついついやってしまいがちなことですが、感染予防のためにも気をつけて避けるようにしましょう。
特に気をつけなければいけない時期
赤ちゃんの口の中に虫歯菌や、その他の菌が定着するのは「乳歯が生え始めるころから、生えそろうまで」だと言われています。
生後19ヶ月(1歳7ヶ月)から31ヶ月(2歳7ヶ月)は「感染の窓」と言われており、その時期に虫歯菌を防ぐことが、虫歯ゼロの近道といえます。
虫歯ができてしまうのは、ミュータンス菌などの虫歯菌だけが原因ではありません。食生活や嗜好、口の清掃状態などの家庭的傾向が強く関係しています。
虫歯菌をゼロにすることは困難ですが、ミュータンス菌などに感染するのが遅いほど、虫歯になりにくいことが分かっています。
ミュータンス菌に感染してしまったとしても口内ケアをきちんと行うことで虫歯予防になります。
虫歯菌をいかにして少なくして減らすか、虫歯菌の感染を遅らせるかが、虫歯予防に繋がってきます。
母乳は虫歯の原因になるの?
母乳には赤ちゃんの成長に欠かせないたんぱく質やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、赤ちゃんの免疫機能も高めてくれる効果があります。母乳自体は赤ちゃんの虫歯の直接的な原因にはなりませんが、離乳食を食べたあとなど乳歯に歯垢がついた状態ですと、母乳に含まれる糖質と重なり、虫歯になりやすくなってしまいます。
離乳食を食べたあとや、夜眠る前に歯ブラシをして歯垢を落としてあげることで、乳歯の虫歯を予防することができます。
歯磨きをしたあとに母乳を欲しがったら、迷わずにあげるようにしましょう。
虫歯になりやすい歯
乳歯はエナメル質表面の結晶構造が脆く、歯垢によって生成される酸や毒素の量が少なくてもすぐに歯の表面が溶けだしてしまいます。
エナメル質表面の結晶構造は永久歯に生えかわり、時間の経過とともにしっかりした結晶構造に変化していきます。
虫歯になりやすい箇所としてまず挙げられるのが、上あごの前歯の間です。
主に飲み物に含まれる糖分によって発生するとされています。また、奥歯の歯の間も虫歯になりやすいと言われています。
奥歯は歯磨きも難しいため、定期的にデンタルフロスを使ったケアが重要です。歯と歯ぐきの間も赤ちゃんが嫌がって磨きにくい為、虫歯になりやすいです。
もしも、虫歯になってしまったら?
とにかく、早めに歯医者で治療を行うことが大切です。
虫歯は初期段階では白い帯状のものがあります。
悪化してくると黒く変色してきますが、乳歯はやわらかいため進行も早くなります。
一般の人ではなかなか虫歯に気づく事はできません。
定期的に歯医者さんで検診を受け、なるべく早い段階で処置ができるようにしましょう。
乳歯の虫歯の治療方法とは?
虫歯初期の場合
乳歯の初期虫歯の色は黒色ではなく、白くにごっている事が多くあります。
この段階ではまだ歯を削る治療は行いません。
フッ素を塗布して歯を強くすることで、歯にカルシウムを取り込み(再石灰化)、初期虫歯の状態から回復させる治療を行います。
虫歯の原因となる食事の習慣や歯磨きのやり方を変え、定期的にフッ素を塗り続ける事で元の歯に戻す事ができるのです。
虫歯が進行していた場合
虫歯が進行していた場合は、虫歯部分を削りとってからプラスチックで詰める治療を行います。
しかし、乳歯の虫歯は進行が早い為、神経まで広がることがあります。
乳歯の虫歯が神経まで広がってしまったら、根の先に膿をため永久歯を変色させたり、歯並びを悪くしたりするので、根の神経を抜いたり、切断したりする必要が出てきます。
神経は乳歯から永久歯へ生えかわる際にとても重要な役割を果たすものです。
神経がない乳歯は、永久歯との交換の際うまく抜けないことがあります。
虫歯予防をしっかり行う事も大切ですが、虫歯になった後のケア方法についてもしっかり押さえておきましょう。
赤ちゃんに歯磨きをしてあげましょう!
赤ちゃんはまだ自分自身でお口の中をきれいに磨くことはできません。
そのため、お父さんお母さんによる歯磨きがとても重要になるのです。
ポイントを押さえ、毎日しっかり続けてあげてください。開始時期は、歯が生えてきたら始めてかまいません。
夜寝る前に、濡らしたガーゼやタオルで歯を拭いてあげることからはじめましょう。
歯磨きをする時の姿勢は、お母さんの脚を伸ばしてその上に赤ちゃんを仰向けにして寝かせ、頭の上側から磨きます。
お母さんの両足で赤ちゃんを挟むようにしながら、口の中をのぞきこみます。脇をしめて磨くと歯ブラシをもつ手も安定して、磨きやすくなります。
赤ちゃんが仰向けを嫌がるようであれば向かいあう形でもいいですし、大きくなれば立たせて行ってもかまいません。
虫歯になりやすいとされる、「奥歯の噛み合わせ部分」「上の前歯の裏側」は、特にしっかり磨きましょう。
毛先を歯の面に軽く当て、弱い力で歯ブラシを小刻みに動かして磨きましょう。
こするのではなく、歯ブラシを当てて振動させる要領で行うのがポイントです。1ヶ所につき20回以上磨く事が目安です。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がってしまう場合は?
黙って歯磨きをするのではなく、話しかけたり数を数えたりと、注意を引きながら磨くといいでしょう。
磨く力が強かったり、歯ぐきに強く歯ブラシが当たったりすると赤ちゃんが嫌がるため注意しましょう。
先にも述べましたが、こするのではなく歯ブラシを当てて振動させる要領で行いましょう。歯ブラシをペンのように握りしめて磨くと、ムダな力は入りにくく左右に細かく振動させやすいですよ。
歯磨きが終わったらしっかり褒めてあげましょう。歯が生える前から歯ブラシを触らせたり舐めさせたりすることで、事前に歯ブラシへの抵抗を減らす方法も効果があるとされています。
まとめ
将来虫歯で悩むことがないよう、歯の生え始めるときに注意することや、虫歯になった時の対処方法、赤ちゃんの歯磨き方法などについてご紹介しました。
乳歯の虫歯は大人と比べ進行が早いので、気が付いた時にはかなり進行している事があります。
大事なお子さんの歯の将来の為、虫歯の感染源となるミュータンス菌をできるだけ遠ざけ、歯磨きによって日頃からケアをしてあげる事が大切です。
また、定期的に歯医者で検診を行い、虫歯はできるだけ早く治療を行いましょう。
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