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米ぬかから作られた米油(こめあぶら)が、美容や健康に良いと話題になっています。
美白や美肌効果があるほか、動脈硬化の防止などにも有効とTVでも紹介されました。
その他にも、コレステロール値を下げる、胃もたれしにくい、お米が美味しくなるなど嬉しい効果がたくさんあるようです。
そのような良いものであればぜひ利用したいものですが、米油は一体どのように使えば効果的なのでしょうか。
また小さな赤ちゃんがいる方は離乳食に使っても大丈夫かどうかも気になるところですね。
今回は米油の効果や効能、使い方などについてご紹介いたします。
米油の効能5つがスゴイ!ただし摂取量や選び方には要注意
まずは米油の効果・効能を見ていきましょう!
そもそも米油はなぜ体にいいの?原材料と作り方
こめ油の原材料は玄米を精米するときに出る「米ぬか」です。
美容に興味のある方の中には、米ぬかが美白化粧品の原材料になっていることをご存知の方もいらっしゃると思います。
米油は機械で米ぬかに強い圧力をかけて精製したものです。
これまではヌカ臭が強いので食用には向いていないと考えられていましたが、近年臭いが抑えられ、使いやすく改良されました。
油の精製過程で薬品を一切使用しないので身体に優しく、また取り除かれた不純物も石けんやインク、化粧品等に利用されているので、環境にも優しい油だと言われています。
今大人気の米油!美容や健康への効能5つ
美白や美肌などの美容効果
米油に含まれる「トコトリエノール」という成分が、メラニンがシミに変化するのを抑制します。
また強い抗酸化力を持ち、しわの予防や改善、毛穴の黒ずみやひらきにも効果があります。
コレステロール値を下げる
こちらも米油に含まれる「γ-オリザノール」という成分が善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きをします。
コレステロール値を下げるための薬を処方されている人は、併用することで効果の促進が期待できます。
血管が硬くなるのを予防する
「トコトリエノール」が老廃物の排出をスムーズにすすめてくれるため、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中のリスクが低下するだけでなく、肩こりや首こり、疲れなどの体調不良が改善しやすくなります。
更年期障害の症状を改善する
「γ-オリザノール」は更年期障害の症状の改善にも期待できます。
女性だけでなく、若年性更年期障害の人や男性にも同じように効果があります。
胃もたれしにくい
米油は他の植物油に比べて含まれる脂肪酸のバランスが良いため、胃もたれしにくいという特徴があります。
また「γ-オリザノール」には、胃腸神経症などを改善する働きがあると言われています。
このように米油に含まれる、ビタミンEの1種である「トコトリエノール」と、ポリフェノールの1種である「γ-オリザノール(ガンマオリザノール)」が強い抗酸化力を持ち、コレステロールの低下や動脈硬化の予防、老化の防止などに役立ってくれています。
アメリカの米油を使った臨床研究
アメリカのある臨床実験で、高コレステロール血症の患者50人を2つのグループに分け、片方だけに米油を摂取してもらったところ、米油を摂取したグループは悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの値が20.6%も低下したという研究結果があります。
またこめ油を製造している工場で働いていて、よくこめ油を食べているという40代以上13名の血管年齢を調査したところ、13名中10名が実年齢よりも血管年齢が若いという結果になりました。
これらの結果からも、こめ油には血管を若く保つ効果が期待できると言えます。
米油の特徴!料理や家事でも力を発揮
上記のような効果効能のほかにも、米油には料理をおいしくしたり、家事を楽にしてくれる力があります。
その中のいくつかをご紹介します。
時間が経っても料理がおいしい
米油には抗酸化成分が豊富に含まれ、他の油に比べて酸化しにくいため、時間が経っても料理のおいしさが変わることなく味わえます。
他の油に比べてカラッと揚がる
米油に含まれる脂肪酸のバランスが良く、揚げ物をした時の油切れが抜群です。
揚げている時に泡立ちにくいので、揚げムラも比較的少なく揚げることができます。
遺伝子組み換えの心配がない
スーパーで売られているサラダ油は外国産の大豆・とうもろこし・菜種・綿実など遺伝子組み換えの原料を使用しているものが多いですが、国産の米ぬかを原料とした米油を選べば、遺伝子組み換えの心配がなく安心です。
部屋が油臭くなりにくい
揚げ物後の部屋が臭くなるのは、油に含まれるアクロレインという物質が原因です。
米油は他の油に比べてアクロレインの含有量が少ないので、臭いがあまり気にならないという特徴があります。
米が美味しくなる
お米を炊く時に米油を入れて炊くことで、コシとうま味があるお米に仕上がります。
入れる分量は、お米2合に対して米油小さじ1/2程度。米油は生でも美味しく、ドレッシングにしたり冷ややっこなどにかけたり、焼いたトーストに塗るのもおすすめです。
油切れがよく食器洗いが楽
米油ならサラッとしていて油切れが良いので、揚げ物をした後のフライパンやてんぷら鍋を洗うのも楽です。
また、米油は美容オイルとしても使用されていて、手荒れの予防にもなるので、米油が手についても気にする必要はありません。
米油の摂取量と過剰摂取
米油の1日の摂取量は確率されているわけではないのですが、目安としては1日に大さじ1杯(14g)程度。
ただしメーカーによって成分の含有量に若干違いがあるため、米油のパッケージに記されている1日の目安摂取量をチェックしておきましょう。
過剰摂取すると胃もたれや下痢を起こす場合もあり、他の油の摂取量も注意しつつ、高カロリーになりすぎないように気をつけてください。
全体の油の摂取量は変えず、今摂っている食用油の一部を米油に替えるのがおすすめです。
米油の効果的な摂り方
米油はビタミンCと一緒に摂ることで、さらにその効果を促進させることができます。
野菜に多く含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂ることで効果的に吸収できるということが分かっています。
米油はスーパービタミンEと呼ばれ、通常のビタミンEと比べて40~60倍の抗酸化作用をもつ「トコトリエノール」を含んでいるため、この抗酸化作用を最大限に発揮させることが出来るのです。
ただビタミンCは熱に弱いので、野菜は加熱せずにサラダとして、米油をドレッシングとして使うというような食べ方がおすすめです。
米油の選び方に注意!思わぬ危険性
米油の中には、精製段階で米ぬかにノルマルヘキサンという薬品を使っているものがあります。
このノルマルヘキサンは、劇薬とも言われ体に害を及ぼすことが分かっているので、使用していない米油を選ぶようにしましょう。
抽出方法を確認し、「圧縮法により抽出された米油」「圧縮米油」などと書かれているものを選ぶと安心です。
国産の米油は、これらの安全な圧縮法により精製されていることが多いです。
米油石鹸と手作りの危険性
米油の美容効能を最大限に得るため、自家製の米油石鹸を作り、米油を直接お肌に塗って使用することもできます。
ただし石鹸作りには苛性ソーダやケイ酸ナトリウムなど、皮膚を溶かす恐れのある強アルカリ性の物質を使います。
石鹸を作る際はマスク、エプロン、ゴーグル、手袋などを使用し、取り扱いには十分注意してください。
特に小さいお子さんのいる家庭では、薬品や製造過程の石鹸にお子さんが手を触れないように気をつけるように。
保存する時は常温で構いませんが、光の当たらない場所で保存するようにしてください。
食用油はいつから使う?0歳・1歳の子どもに必要なエネルギー
美容にも健康にも良い効果を持つ米油ですが、子どもにはいつから食べさせて良いのでしょうか。
また食べさせる量はどれくらいが適当でしょうか。
先ほど記載した「1日に14g程度」というのは、あくまで大人の場合の値です。
WHOガイドラインによると、子どもの場合、食材などに含まれる他の油分なども合わせた油脂の摂取量は、母乳と補完食(離乳食)をあわせたエネルギーのうち、30-45%の範囲が適切です。
具体的に1日に必要なエネルギーと油脂の量を示すと、以下のようになります。
月齢別:1日に必要な総カロリー(母乳+補完食)
- 6-8カ月 約590 kcal
- 9-11カ月 約680 kcal
- 12-23カ月 約930 kcal
月齢別:補完食で補うべき油脂の1日分
- 6-8カ月 19~29 g
- 9-11カ月 22~34 g
- 12-23カ月 31~46 g
また、これをすべて植物油に置き換えると、以下のようになります。
母乳と補完食を合わせたトータルの植物油の目安(1日分)
- 6-8カ月:大さじ1~1.5くらい
- 9-11カ月:大さじ1.5~2 くらい
- 12-23カ月:大さじ2~3.5 くらい
脂質が多い食事を摂りすぎると、タンパク質や、鉄・亜鉛などの他の重要な栄養素を含む食材を、十分に食べられなくなってしまったり、体重が増えすぎたりする恐れがあります。
その反面、脂質は料理をおいしくしたり、ビタミンAの吸収を高めてくれるなどの働きもあるため、少なくなりすぎるのも良くありません。
離乳食のメニューに油っぽいものがあるときは次回のメニューで油を使わないものを取り入れたり、逆に油が足りないと思ったときには、米油を足すなど、油を取りすぎないことと、油が極端に少なくならないようにすることの両方が大切です。
かと言ってそこまで神経質になりすぎる必要はなく、今日は油が多かったから、明日明後日の食事で調整する、など、短期間のトータル量でバランスをとると良いでしょう。
次に油脂を離乳食のメニューに取り入れる時期ですが、植物油やバターは離乳食後期の9ヶ月ごろからOK。
最初はごく少量からスタートします。
バターは塩分の摂りすぎにならないよう、無塩バターを使いましょう。
油を含む食事を取り入れることで、赤ちゃんの便秘解消にもつながります。
注意して欲しいのは、マヨネーズは油脂や添加物が多く、卵も含まれているのでアレルギーの心配もあります。
離乳食に取り入れるのはもう少し後の12ヶ月以降にしましょう。
また、最初は加熱してから与えるようにするとアレルギーの予防になります。
まとめ
いかがでしたか?
米油には健康にも美容にも良い効果がたくさんあり、とても魅力的な食材ですね。
料理を美味しくする、という効果も期待できます。ママの美容のために使うのはもちろん、お子様を含めた家族の健康のために使うと良さそうです。
子どもの離乳食に使う場合は、適切な量と、油を使い始める時期を守って与えるようにしてください。
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