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赤ちゃんと過ごしていると、大人の身体とは全く違うことが多々あって驚くことがたくさんありますよね。
梅雨が明けてぐんと気温が上がるこの季節、特に驚くのは赤ちゃんの汗の量ではないでしょうか?
大人は軽く汗ばむ程度の暑さでも、ふと赤ちゃんに目をやると、頭や顔からしたたるほどの大粒の汗を流し、服もびちょびちょでびっくり!という経験をしたことがあるママも多いはず。
こんなに暑い思いをさせてしまってかわいそうなことをした…と落ち込んでしまったり、こんなに頭や顔だけに汗をかくなんて何かの病気かな?と心配してしまうママもいるかもしれません。
その大量の汗を見ると、どうしてあげたらいいのか戸惑ったり不安になることも多いですよね。
今回は赤ちゃんが顔や頭から大量の汗をかく理由と、大量に汗をかいてしまったときの対処法についてお話しします。
頭や顔に大量の汗をかくのはなぜ?
大量のをかくのは赤ちゃんの体質によるものです。
赤ちゃんは体温を調節するための様々な機能がまだまだ未熟なため、体温調節のほとんどを汗の力に頼っています。
そのため少し暑いとすぐに汗をかいて、体温を下げようとするのです。
また、赤ちゃんはあんなに小さな身体ですが、汗腺の数は大人とあまり変わりません。
ですので、体の表面積が大人よりも少ない分、汗腺が密集してしまいます。そのため汗が溜まりやすく、大人よりも衣類や布団を集中的に湿らせてしまうので、大量に汗をかいていると感じるのです。
特に頭や顔に汗をかきやすいのは、大切な脳を体温の上昇から守るため、人間にもともと備わった大切な機能です。
脳は生命の維持する機能をつかさどるとても重要な組織ですが、その細胞は水分を多く含んでいるため豆腐のように柔らかく、熱が伝わりやすくてとてもデリケート。
体液の温度が42℃を超えると、脳の細胞はかなりのダメージを受けると言われています。
そのため、脳に熱すぎる血液が回らないようにする過程の中で、頭部を優先的に冷やせるよう、頭や顔は特に汗をかきやすい構造になっています。
また、頭部は脳に一番近く、温度の変化を感じ取ったり、脳からの指令が直接伝わりやすい部分。
「汗を出せ」という脳からの指令が、腕や脚といった身体の末端よりも早くダイレクトに伝わるため、まず初めに汗がではじめるのです。
そこに赤ちゃん特有の汗腺の密集度や、毛髪の少なさも重なり、大人よりもたくさんの汗をかいているように見えるのです。
赤ちゃんが頭や顔に大量の汗をかくのは、お母さんの管理が悪いわけでも、赤ちゃんが病気なわけでもありません。
また、大量の汗のように見えますが、実はそんなに大した量ではないのです。
頭や顔に汗でびっしりになってしまう時は…
そんなに大した量の汗でないとはいっても、やはり頭や顔は汗でびしょびしょになってしまうのは困りもの。
汗をかくこと自体で体力を使いますし、あせもなどの肌トラブルも起きやすくなりますよね。
頭や顔は真っ先に汗をかく部分ですので、頭や顔に汗をかきはじめたら早めに対処してあげることが大切です。
汗を吸収できるものを置く
まだまだ横になっていることが多い赤ちゃんは、寝具も汗で汚しがち。
寝具が汗で汚れるたびに洗うことは難しいので、頭の部分だけでもガーゼやタオルをひいて、汗をすばやく吸収するようにしてあげると、皮膚が不衛生になってしまうことを防げます。
また、ガーゼやタオルはこまめに交換しやすいので、いつでも清潔に保つことができます。
ただし、汗を吸収させたいからといってガーゼやタオルで頭を覆ってしまうのはやめましょう。
熱がこもって余計に汗をかきやすくなりますし、蒸れやこすれで肌トラブルが起こりやすくなります。
皮膚の清潔を保つ
汗でびしょびしょになってしまうと、あせもなどの肌トラブルになりやすくなります。
タオルで汗を拭うだけでは、汗の成分が皮膚に残って不衛生になりがちなので、びしょびしょになるまで汗をかいてしまったときには、細菌などが繁殖してしまう前のなるべく早い段階で、汗の成分をぬるま湯で洗い流すのが効果的です。
ただし、頻繁にシャンプーやせっけんを使ってしまうのも肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌に良くないので、シャンプーやせっけんの使用はどんなに多くても1日2回までにとどめましょう。
体温が上がりすぎないよう工夫する
赤ちゃんは身体の表面積が少ないため、体温を外に逃がすことが苦手です。
そのため、大人よりも熱が身体にこもりやすく、汗だくになりやすくなってしまいます。
大人が暑いなと感じる前に、赤ちゃんの暑さ対策をとってあげることが重要です。
大人の場合の最適な室温は25~28℃と言われていますが、赤ちゃんが快適なのは23~25℃。
また、衣服は大人が快適と感じるよりも1枚少なくするくらいがちょうどいいと言われています。
真夏は汗を吸わせるために肌着をプラスするのではなく、汗を吸いやすい素材の衣服を1枚で着せるほうがいいでしょう。
汗が蒸発しやすいよう工夫する
汗をかくのは、汗の水分が蒸発する際に熱を奪うという作用を利用して体温を下げようとするから。
どんなに汗をかいても、その汗を蒸発させることができなければ、体温は下がらないのです。
効率よく汗を蒸発させるために必要な環境は「乾燥」と「空気の流れ」。
水分が蒸発するのは、空気中に水の分子が溶け込むからなのですが、すでに空気が多くの水の分子を抱えていたり、水分を抱えた空気がその場にとどまってしまうと、新たに水の分子を取り込むことができずに、水分が蒸発できなくなってしまいます。
湿度をさげたり、うまく室内の空気を循環させるようにすると、汗が蒸発しやすくなり、効率よく体温を下げることができます。
快適な湿度は50%前後。
早く汗を蒸発させようと湿度を下げすぎても、汗の蒸発速度が著しく上がることはないうえに、粘膜や肌まで乾燥してしまったり、ほこりが舞いやすくなったり、乾燥を好むウイルスなどが増えやすくなってしまうこともあるので、乾燥させすぎにも注意が必要です。
また、身体の周りの空気を循環させようと、直接身体が風に当たるのもよくありません。
特に、頭だけに風を当ててしまうと、脳だけが「寒くなった」と感じてしまうことで、身体は冷えていないのに体温を上げてしまい、内臓の細胞がダメージを受けてしまうこともあります。
風を当てるというよりは、室内全体の空気をかきまぜるイメージで扇風機などを利用するとよいでしょう。
まとめ
生命を維持する脳を守るために、頭や顔は特に汗をかきやすい部分。
決してママの管理が悪かったり、赤ちゃんが何かの病気にかかっているわけではありません。
赤ちゃんは汗が出る穴が大人に比べて密集しているため、汗をかくとすぐにびしょびしょになってしまいます。
汗がびしょびしょのまま放置すると肌トラブルを起こしてしまったり、汗をかくこと自体で体力も消耗してしまいます。
汗をかいたら放置せずに皮膚を清潔に保ったり、そもそも汗が出すぎないよう衣服や環境を調整して、体温が上がりすぎないように保ってあげることが大切です。
赤ちゃんは大人よりも体温が体内にこもりやすいので、大人が快適と感じるよりも少し涼しいくらいがベスト。
赤ちゃんもママも快適な夏を過ごせるよう、うまく工夫できるといいですね。
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