夏になると蚊が気になる、という人は多いかと思います。
大人の場合は虫除けスプレーなどで蚊に刺されるのを防止できますが、虫除けスプレーや蚊取り線香などは赤ちゃんに使用しても害はないのでしょうか?
今回は虫除けスプレーの赤ちゃんに対する影響と、赤ちゃんがいる家庭でのおすすめの虫除け対策についてご紹介いたします。
蚊に刺されない方法 子供や赤ちゃんに蚊取り線香は大丈夫?安全な対策とは
赤ちゃんの蚊除け対策は徹底して!
赤ちゃんが蚊に刺されてしまうと、腫れて痒くなるだけでなく、マラリア・デング熱・日本脳炎・ジカ熱など、命に関わるような病気に感染してしまう可能性があります。
実際に感染した例は少ないものの、蚊はこれらの病気を運んでくることがあり、また赤ちゃんは大人よりも抵抗力が低いため、感染症にかかってしまう可能性はゼロとはいえません。
このような病気から守るためにも、赤ちゃんの蚊除け対策はしっかりと行ってください。
赤ちゃんに虫除けスプレーやクリームタイプの虫除けを使ってもいいの?
虫除け対策といわれて最初に思いつくもののひとつに、市販の虫除けスプレーやクリームタイプの虫除けがあると思います。
これらの虫除け剤には、大抵「ディート」という成分が含まれていて、蚊やダニを防ぐのに強力な効果を発揮し、しかも効果が長続きします。
しかし、ディートの効果はあまりにも強力なため、赤ちゃんに使う際には注意が必要です。
ディートが含まれた虫除けを使う際の注意点
ディートは濃度80%にもなると車のシートも溶かしてしまうほどだといわれるほど強力で、濃度30%ほどのディートが含まれた商品を使った海外の動物実験では、ディートを連続的に大量摂取すると神経性毒が見られたという報告もあります。
日本の虫除けに含まれているディートの濃度は最高でも12%で、人体に重大な影響はないといわれていますが、まれに蕁麻疹などのアレルギーを引き起こすことがあり、日常的な連続使用や誤飲をしたりすると、低血圧や痙攣、発疹などが出る場合もあると言われています。
特に赤ちゃんや子供の場合は大人よりも体の発達が未熟ですので、発疹やかゆみの他にも、頭痛やめまい、筋肉の硬直などの症状がでる可能性もあります。
これらの危険性を避けるため、赤ちゃんや小さい子供にディートが含まれる虫除け剤を使用する際には、頻度や使用方法などに十分注意してください。
以下が具体的な注意点や使用方法です。
使用頻度について
- 6ヶ月未満の乳児には使用してはいけない
- 6ヶ月~2歳未満は1日1回、
- 2歳~12歳未満は1日1~3回
使用方法について
スプレーしたときに吸い込んでしまわないように、できればスプレータイプよりもクリームタイプのものがおすすめです。
スプレータイプのものしか家に無いときは、まずは大人の手のひらにスプレーし、手のひらで薄くのばしてから子供につけてあげましょう。
また口に入らないように顔に使用するのは避けましょう。
使用時間について
ディートが含まれる虫除けの使用時間の目安は約4時間です。
このことからも長時間の使用は身体にあまりよくないことが分かりますが、虫除けをせずに蚊に刺されてしまったら、そのほうが重大な病気などにかかってしまう可能性が高いです。
ディートの使用には少々注意が必要ですが、虫除け効果は非常に高いので、山に入るときや花火をするときなど、ここぞというときに限定的に使用するのがおすすめです。
赤ちゃんの近くで蚊取り線香を使っても大丈夫?煙は安全?
虫除けスプレーやクリームタイプの虫除け以外に考えられる方法として、昔ながらの蚊取り線香があります。
蚊取り線香の煙は赤ちゃんにとって有害ではないのか気になるところですよね。
蚊取り線香の主成分は「除虫菊」と呼ばれる白い花に含まれる「ピレトリン」という天然の殺虫成分を真似て作られているそうです。
実際に蚊取り線香に含まれている殺虫成分は「ピレスロイド」という名前なのですが、ピレスロイドは害虫を寄せ付けない効果があり、即効性が高く、それでいて安全性が高いことで知られています。
たとえ人間がピレスロイドを吸い込んで身体の中に取り込んでしまったとしても、すぐに分解されて体外に排出されるため、人体への影響は無いそうです。
そのため、蚊取り線香は赤ちゃんや妊婦の側で使っても大丈夫、ということができます。
ただし、普通の煙といっしょで、蚊取り線香の煙が目や喉の粘膜に入るとしみたりむせたりしますし、手を触れると火傷する恐れもありますので、使用する際は置き場所に気をつけてください。
赤ちゃんの近くで、「ベープマット」「アースノーマット」などを使っても良い?
もうひとつの防虫対策として、「ベープマット」や「アースノーマット」などの電気で焚くタイプの殺虫剤があります。
これらは製造販売元のメーカーがHPなどで「乳幼児がいる部屋で使っても大丈夫」とうたっているとおり、基本的には赤ちゃんがいる場所で使用しても問題ありません。
ただし、「閉めきった部屋や狭い部屋で使用する場合は、ときどき換気をしてください」と併記されているとおり、換気することを忘れないようにしてください。
またワンプッシュで殺虫剤を散布するタイプのものを使用する際には、散布の際に殺虫剤を吸い込んでしまわないように、赤ちゃんを別の部屋に一旦移すようにすると安心です。
市販の虫除けスプレーは、特に外出時には便利ですが、赤ちゃんには刺激が強すぎることがあります。
使用するのは、ここぞという短時間だけにして、あとは蚊取り線香や電気で焚く殺虫剤などで対応できると良いですね。
次の段落でおすすめの蚊対策をご紹介しますので、参考にしてください。
いや~な蚊から赤ちゃんを守る!必見蚊対策!
市販の虫除けスプレーや蚊取り線香などの、赤ちゃんに対する危険性の有無や程度がわかったところで、赤ちゃんを蚊の脅威から守るための方法を、場面別にご紹介します。
蚊が好んで刺す人の特徴
蚊に刺されないための対策を立てるため、まずは蚊が好んで刺す人の特徴をまとめました。
- 女性より男性が刺されやすい
- 体温が高い人が刺されやすい・・・蚊は人や動物が発散する炭酸ガスを感知して近寄り、その発生源が体温を放っているかどうかで獲物かどうかを判断するため。
- 暗い服を着ている人が刺されやすい・・・ある実験で、黒→青→赤→褐→緑→黄→白の順に蚊が集まりやすいという結果がある。
- 日焼けしている人が刺されやすい・・・洋服といっしょで暗い色が好みなため、日焼けしていて肌が黒っぽくなっている人が刺されやすい。
- 汗っかきの人・・・蚊は汗に含まれる乳酸を好むため。
こうした蚊の性質を上手く利用して、赤ちゃんを蚊から守ってあげましょう。
赤ちゃんの上手な虫よけ方法は?
外出時
なるべく肌の露出を避け、服は黒っぽい色はさける
ランニングなどの袖なしは避け、できるだけ袖のある服を着せましょう。
蚊は黒や青などの濃い色を好むので、お出かけの際には白いTシャツなど薄い色の服を着せてあげると良いでしょう。
肌が露出する部分には虫除けを塗る
どうしても服で隠せない腕や顔には虫除けを塗りましょう。
ディート入りの商品を使うのが不安な場合は、「シトロネラ」「ユーカリ」「ペパーミント」など、虫が嫌う香りの天然由来オイルを使うのもおすすめです。
虫除けは時間がたつと効果が薄れてしまうので、外出の直前に塗り、時間が経ったら塗りなおすようにしましょう。
日焼け止めも同時に塗る場合には、先に虫除けを塗って、乾いてから日焼け止めを重ねるようにします。
どちらもムラが無いようにまんべんなく塗ってください。
汗をかかない工夫をする。かいたらすぐ拭いてあげる
蚊は汗のにおいに敏感に反応して寄ってきます。
なるべく日陰を選んで汗をかかない工夫をしたり、汗をかいたときにはすぐに拭いてあげましょう。
外出はなるべく朝夕の蚊の活動時間を避ける
蚊の活動が活発になるのは、朝の5~6時と夕方の6~7時です。
できればこの時間の外出は避け、別の時間に外出を済ませるようにしましょう。
室内
窓を開けるときは必ず網戸を
蚊の侵入を防ぐため、窓を開ける際には必ず網戸をしましょう。
網戸に蚊がとまっていることもありますので、開閉する前に必ず網戸を軽くはたくようにしてください。
外からの虫の浸入を防ぐ空間用の虫よけも便利
玄関や物干し竿に吊るすタイプの虫除けも便利です。
ドアやベランダの開閉時の蚊の侵入を防ぐことができますし、赤ちゃんの側に置かないので、人体への影響も最小限で済みます。
就寝時は赤ちゃん用の蚊帳を利用する
網戸だけでは防ぎきれず、蚊が室内に侵入している場合もあります。赤ちゃん用の蚊帳を利用して、2重で蚊の侵入を防ぎましょう。
海外製にはなりますが、蚊帳付きのベビーベッドも販売されています。
蚊取り線香を利用する
電子タイプでない、煙が出るタイプを利用する場合には、赤ちゃんに直接煙がかからないように注意しましょう。
蚊が侵入しやすいベランダや窓辺などに置いておくと効果的です。
赤ちゃんが蚊に刺されないよう予防を徹底しよう
このほかにも、蚊が潜みやすい雑草の集まりや水溜りなどを取り除いて、まずは家の周りで蚊が発生するのを予防しましょう。
万が一蚊に刺されても重大な病気にかからないように、日本脳炎などの予防接種を受けておくのも大事です。
夏前に十分な準備をして、赤ちゃんを蚊から守ってあげてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
赤ちゃんが蚊に刺されると、痒いだけでなく、重大な感染症にかかってしまう危険性もゼロとはいえません。
今回ご紹介した方法を参考に、しっかりと対策を行ってください。
ディートが含まれる虫除けスプレーを利用する際には、くれぐれも頻度や使用方法などに注意してくださいね。
蚊対策をばっちりと行って、元気に夏を乗り切れると良いですね。