「いつもなぜか不安で仕方ない」「周囲の人を信用できない」「人と接することがしんどい」など、「なんだか生きづらいな」「生きていても楽しくないな」と思ったことはありませんか?
そういう風に思ってしまう自分を、責めてしまっていませんか?安心してください。
その苦しみは、あなたに非があるからではありません。
実はその生きづらさ、『自己肯定感』が低いからかもしれません。
生きていくうえで一番大切だと言われる自己肯定感。どんなものか知って、ちょっと楽に、生きてみませんか?
自己肯定感とは?
幸せのベースになる感情
自己肯定感とは、簡単にいえば「自分は大切な存在だ」「生きている価値がある」「必要とされている」という気持ちのことです。
この心の土台が形成されるのは0~3歳頃と言われており、母親を中心とした保護者との関わりの中で育つ感覚です。
物事の判断や感情、コミュニケーション能力など、人生に関わる多くの感覚を左右する大切な感情のひとつで、この自己肯定感が低いと、自殺や犯罪に走りやすいというデータも出ています。
大人になってからでも自己肯定感は持てる
自己肯定感は0~3歳の時に形成されるとお話ししましたが、この時期を過ぎたからといって自己肯定感を獲得するチャンスがなくなるわけではありません。
母親との関わりがうまくいかなくても、自分自身で自己肯定感を持つよう努力することもできるのです。
自分で自分を否定していませんか?
例えば、友人などと一緒にいるときに「こいつはダメな奴だ」と感じたり、「あなたは本当にダメな人だよね」などと言ってしまったことはありますか?
おそらく、多くの人はそんな経験少ないはずです。
もしそんな言葉を相手に投げかけてしまったら…相手をひどく傷つけ、信頼関係が崩れてしまうことは想像がつきますよね?
でも、自分には平気で「自分は今のままじゃダメだ」と、ひどい言葉を投げかけて、自分を傷つけてしまっていませんか?
あなたはあなたのままでいい
自分に足りないものを見つけて向上心を持つことは大切です。
でも、向上心を持つことと、自分を否定することは別です。
ありのままの自分を受け入れ、自分のいいところを伸ばすことで、生きづらさが解消され、大きく飛躍できるようになります。
自己肯定感を持てない原因
自己肯定感を持てない方はいわゆる「毒親」を持つ方が多くいます。
また、一見良い親に見えても、無意識のうちに子供を支配し、苦しめているケースもあります。
幼いころ、親とのかかわりの中でこんなことはありませんでしたか?
親の理想が高かった
「成績が悪いと叱られる」「周囲の目を気にして育てられた」などはわかりやすく、代表的なケースです。
しかし、一番多いのは「できて当たり前」という接し方をされてきた方です。
例えば、「お姉ちゃんだから」と、自分のことは自分でやるように言われ、思う存分母親に甘えることができずに育った場合や、「この子は優秀だから」と、できないことを言い出せず、無理をしてでも自分で頑張ってきたタイプの子は、自己肯定感が育ちにくいです。
親にかまってもらえなかった
両親が共働きで忙しかったり、兄弟が多くて親が全員の気持ちとうまく向き合えなかったケースです。
本来なら自分に一番注目してもらいたかった乳児期に、親の精神的に余裕がなく、「いう事を聞きなさい」「いいから早くして」など、親の意見ばかりを押し通されて、自分の意思を主張する機会を失うことで、自己肯定感が獲得できなくなります。
乳児期にスキンシップが少なかった
「あまり泣かない子だった」と言われたことはありませんか?
本来、赤ちゃんは泣いて自分の存在を示すのですが、泣いても親が構わないでいると、泣くことを諦めてしまうことがあります。
そうすると親は「手のかからない子」と受け止めてしまいがちですが、赤ちゃんが泣かなくなったのは成長したからではなく、生きる希望を失ってしまったからです。
この時期に抱いた失望感や孤独感は、後にも大きな心の傷として残り、感情に大きなダメージを与え続けます。
褒めてもらうことが少なかった
特に第一子に多いのですが、親が「子供とは」を分からずに育ててしまい、さも大人に接するかのような扱いを受けてきた場合に陥りやすいケースです。
例えば、「2本足で歩くこと」は人間なら当たり前にできることなのですが、赤ちゃんにはこれがとても難しいです。
しかし、親がそのことを理解できずに「人間なんだからそりゃいつかは歩くでしょ」と、歩いたことを褒めてくれなかったりすると、「自分は頑張っても認めてもらえないんだ」という感情を抱きやすいです。
家庭内に安心できる居場所がなかった
「お姉ちゃんだから」「なんでも自分でやりなさい」などと言って育てられると、辛いときや悲しいときにも安心して家族に甘えることができなくなってしまいます。
一番安心できるはずの家庭内で気をつかったり気丈に振舞おうとしてしまうことで、安心できる場所を完全に失ってしまうケースです。
すると、心も身体も休まることがなく、体調を崩したり、ちょっとしたことでもパニックになってしまうなど、体調や行動にも問題が起きてきてしまいます。
自己肯定感を高めて、幸せになろう!
自分を客観的に見つめてみる
友人を誰かに紹介するときのように、自分自身のことを自分に向けて紹介してみましょう。
どんなところが好きで、どんな付き合いをしているのか、それを整理するだけでも、自分は大切な存在なんだという意識を持つことができます。
境界線をひく
周囲の感情に振り回されて、辛いと感じることはありませんか?
自己肯定感が低い人は、ついつい周りの反応で自分の価値を決めがちで、自分とは全く関係のないことで感情的になっている人に対しても、「自分が怒らせたのではないか」などと罪悪感を抱きがちです。
他人の感情と自分の感情に境界線をひき、他人の感情に振り回されないようにしましょう。
自分を褒めてくれる人を周囲にもつ
あなたの友人や知人の中で、いつもあなたのことを褒めてくれる人はいませんか?
もしかしたら、せっかく褒めてくれているのに「あの人は良いように言っているだけ」なんて、素直に受け止められずにいるかもしれませんが、怖がらず、その言葉を素直に受け止めてみてください。
自分で自分を褒める癖をつける
自己肯定感が低い人はついつい自分を責めてしまいがちです。
自分で自分を追い込んでしまうとつらくなる一方なので、ぜひ自分を褒めてあげてください。
どんな小さなことでも大丈夫。「今日もちゃんと仕事に行って偉かった」「一日よくがんばった」など、自分の努力を認めてあげましょう。
相手に評価を求めるのをやめる
例えば、恋人に喜んでもらおうと必死でがんばったのに、恋人が思ったように喜んでくれなくて落ち込んだ経験はありませんか?
これは、自分自身の努力を他人に良く評価してもらおうと求めてしまうから起こること。
大切なのは、相手の反応ではなく、自分自身がどう考え、どう行動したかです。
ネガティブな自分も受け入れる
「自分自身を認めなければ」と無理をして、前向きにばかり考えようとするのも苦しいもの。
ネガティブな感情が芽生えることは人間として当たり前のことなので、そんな感情を持つ自分も否定せずに受け入れてあげてください。
辛い人間関係は思い切って断ち切る
母親や父親と一緒にいると苦しくなるのに、家族だから関係をうまくいかせようとして無理していませんか?
家族といえど、自分の気持ちを乱す人とは、思い切って距離を置いてしまいましょう。
自分の周りに自分の理解者しか置かないということは、決して逃げではありません。
まとめ
自己肯定感が低い人は、ついつい周囲の反応を気にしてしまい、自分で自分の人生を選べていないような気持に陥ることもあります。
多くは母親をはじめとした保護者との関りがうまくいかなかったことによって起こるので、思い切って自分に危害を加える相手とは距離をとってしまうことも必要。
自分の気持ちが元気になったらまた、その相手とも新しい関係を築いていけばいいのです。