ふと赤ちゃんの手足に触れた時、あまりの冷たさに驚いたことはありませんか?
「こんなに冷たいと風邪を引いてしまうのでは!?それとも何かの病気かしら!?」と心配になりますよね。
私も娘を出産したばかりの頃「赤ちゃんは体温が高いはずなのにすごく手足が冷たい!なぜ?」と慌ててしまったことがあります。
そこで今回は赤ちゃんの手足が冷たくなってしまう原因とその対処法について説明していきます。
なぜ赤ちゃんの手足が冷たくなるの?
赤ちゃんは体温調節機能がまだ未発達であり、大人よりも皮下脂肪が少ないため気温の変化に左右されやすい性質があります。
しかしその代わり、赤ちゃんの手足には体温調節の機能が備わっています。
赤ちゃんが「寒い」と感じとった時や体温が低くなった時に身体の末端である手足を冷やすことで毛細血管を収縮させ、手足へ血をあまり流さないようにします。
これにより体内に熱を集めて体を温めるようにしているのです。
反対に「暑い」と感じた時や体温が高い時は体に熱がこもらないように、手足の毛細血管を緩めて血流を身体の末端まで流し、手足から熱を放出させます。
赤ちゃんの皮膚は薄いため体の表面に体内の熱が伝わりやすいという性質があるので手足から熱を逃がしやすいのです。
このように赤ちゃんの手足はとても機能的な温度感知器の役割を持っています。
ですので赤ちゃんの手足が冷たいからといって、寒くて苦しんでいるというわけではありません。
焦って厚着させるのではなく、まず赤ちゃんの手足を触ってみることで暑いのか寒いのかを判断し、室温や衣服、布団などで温度調節をするようにしましょう。
病気かもしれない場合とその判断基準は?
赤ちゃんの手足が冷たいということだけで病気を疑う必要はありません。
しかし手足の冷たさと共に、体を触った時に体温が異常に高い、もしくは低いといった症状がみられるときは感染症など病気の可能性もあります。
また機嫌が悪かったり泣きわめいたり、食欲がなく元気が無いなどの症状も同時に現れやすいので合わせてチェックし、家庭での処置で手に負えそうにないと判断したら早めにかかりつけの病院を受診するようにしてください。
また赤ちゃんの発熱時の初期症状として、熱が出てるのに手足が冷たいといった症状がでます。
この症状は急激に熱が上がってしまったため心臓から遠い手足に熱が行き渡るまでに時間差ができてしまっている状態であり、まだ熱はこれから上がっていく途中の段階といえます。
こうした場合の対処法としては、とにかく赤ちゃんを温め熱が体全体に行き渡るまで待つようにしましょう。
そして手足まで熱くなったら室温を少し下げたり掛け布団を一枚少なくするなどして、今度は手足から熱が放出されやすいように促してください。
そして脇の下や首の両サイド、脚の付け根などのリンパ節を冷やしてあげるようにして解熱処置を行ってください。
赤ちゃんの手足の冷え 対処法は?
まず手足の冷たさだけでなく背中やお腹などの胴体部分を触って体温を確認しましょう。
赤ちゃんは大人よりも体温が高く、平熱は36.5〜37.5℃とされています。胴体部分がこの平熱の温かさなら心配はいりません。
もし汗をかいていたなら衣服を一枚脱がせたり、布団を一枚減らしたりなどして調節してください。
新生児の場合は冷えにより手足の色が紫色っぽくなる(チアノーゼ)場合もありますが、この場合も元気な様子なら問題はありません。
逆に身体も冷たいようなら赤ちゃんにとっては寒い状況なので、衣類を一枚重ねたり布団を一枚増やしたりしてください。
また室温にも注意が必要です。
赤ちゃんの体温調節機能は未熟なため、夏や冬の極端な温度に晒されることでその機能が狂ってしまい免疫力が低下し風邪を引く原因にもなります。
赤ちゃんが快適と感じる温度は夏は26〜28℃、冬は18〜24℃、湿度は40〜60%くらいといわれているので、この快適温度・湿度を保つよう心がけましょう。
冬は暖房器具の温度設定に注意しながら暑すぎず寒すぎない温度を保つようにしてください。空気が乾燥しているので湿度には充分気をつけるようにしましょう。
特に暖房器具がエアコンの場合は室内が乾燥してしまうので加湿器を置いたり、枕元に濡れたタオルを干すなどしてしっかり加湿するようにしてください。
また温かい温度は室内の上部にいきやすく冷気は下部にいきやすい性質を持っています。ですので赤ちゃんのいる位置によっては暖かさが充分に届かず、むしろ冷気の漂う位置に晒されているかもしれないので気をつけてください。
逆に床暖房の床に布団を敷いて寝かせている場合は温めすぎてしまい体温が上がってしまう原因になりますので、床暖房の温度を低くするかベビーベッドなど床から離した位置に寝かせるようにしてください。
夏は暑さでつい、エアコンを強くしてしまいがちですが冷房が効きすぎていることも赤ちゃんの体温調節機能が妨げられてしまい、体内の免疫力が下がったり低体温症になるおそれもあります。
温度設定に注意し、エアコンの直風が赤ちゃんに当たらないように気をつけてください。
手足の冷たさだけを理由に厚着させたり布団を多くかぶせたりなど過剰な保温はやめましょう。とくに眠っているときに温めすぎると寝汗をかいてしまい身体を冷やしてしまいます。
室温が適切で体温も平熱の36度台なら、手足まで靴下や布団で覆ってしまう必要はありません。
胴体部分だけ温かくしていれば充分なのです。
赤ちゃんは寒さを感じているとき、体を縮めるようにして泣くことで寒さを訴えます。泣くことで身体が温かくなるということも本能で知っているのでしょう。
しかし暑い場合は、泣くと余計に暑くなってしまうため暑さを訴えることができません。
このことに気づかずに親心のつもりで赤ちゃんを温めすぎることはむしろ逆効果なばかりか、熱が体内にこもり体温が上昇してしまい、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすかもしれない危険性があるので注意してください。
赤ちゃんが裸足で過ごすメリット
赤ちゃんが裸足で過ごすことには体温調節のため以外にも大切な意味があります。
赤ちゃんは手足に触れるものを感じ取ることで刺激を受け、脳や自律神経が活性化し成長していきます。
ですので靴下やミトンなどで手足を覆うことは赤ちゃんの大切な成長を妨げてしまうことにも繋がるのです。
また、靴下やミトンで温めてしまうことで、先に述べたように手足の毛細血管が緩み体内の熱が逃げてしまい逆効果です。
とはいえ、特に冬に気をつけて欲しいのは、出していいのはあくまで手足までということです。腕や脚の部分まで露出した状態は冷えすぎてしまうので衣服でしっかりと覆い防寒してください。
便利でおすすめなのはレッグウォーマーです。これですと靴下のように足先を覆ってしまうこともなく脚の防寒にもなります。
ニット類だけでなく薄手のコットン素材などもあるので、夏も冷房対策として使うといいでしょう。
ミトンについて
基本的には室内で靴下やミトンは必要ないということをお話ししましたがミトンに関しては例外もあります。
例えば古い建物の住居の場合、マンションなどと比べて気密性があまりないため暖房の効きが悪く、家自体が寒いということがあります。
そうすると赤ちゃんは皮膚が弱いこともあり、なかには寒さで手にしもやけができる子もいます。
この場合ミトンを使うことによって手を保湿し保温することができ、しもやけの改善になります。
かといって付けっ放しはやはり赤ちゃんの体温調節機能と脳の成長の妨げになりますので、冬の夜、就寝時にだけミトンをつけて寝かせるようにするといいでしょう。
まとめ
いかかでしたか?大切なのは赤ちゃんが手足をだしていても大丈夫なように快適な環境を整えてあげることです。
手足を温めすぎることで赤ちゃんの大切な機能と成長を損なうことのないようにしましょう。