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「出産すると母乳はおのずと自然に出るもの」そう思っている妊婦さんはたくさんいるのではないでしょうか?
私も妊娠中はそう思い込んでいた1人です。
しかし出産後、思っていたようには母乳が出ずにとても苦戦しました。
今思えば早めに妊婦のうちから母乳ケアをしていれば違ったかもしれないと、とても後悔したのです。私のように元々の体質や産後の体調など、さまざまな理由で母乳が出ない・出にくいことで悩んでいるママさんはたくさんいます。
そこで今回は母乳で育てたいと希望している妊婦さんに早めのケアができるよう、妊娠中のおすすめのおっぱいマッサージ方法をご紹介したいと思います。
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おっぱいマッサージって?
おっぱいマッサージには2つあります。
母乳の分泌を促すための「母乳マッサージ」と赤ちゃんが哺乳しやすくするための乳頭を作る「乳頭マッサージ」です。
母乳マッサージとは乳房の下側の基底部分を中心によくマッサージすることで母乳の分泌を促進させるマッサージです。
そして乳頭マッサージとは赤ちゃんにとって母乳の飲み口である乳頭を吸いやすいようにするためのマッサージです。乳頭の形によって吸いにくい場合もあるので、事前に自分がどういった形なのかを知る必要があります。
母乳の出る仕組みとおっぱいマッサージの効果
妊娠中、胎盤や卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンの働きにより乳腺が発達していきます。
一方でこれらのホルモンは母乳分泌に作用するプロラクチンの働きを抑制しているため、妊娠中には母乳が出ないようになっています。
この抑制作用が出産後に解除されることでプロラクチンが活発化し、母乳の生産が始まります。生産された母乳が勝手に出てしまわないように乳頭の筋肉は通常時、収縮した状態になっています。
乳頭には知覚神経という刺激に敏感な神経が集中しているため、赤ちゃんが吸う刺激により脳の視床下部が刺激を受け、オキシトシンというホルモンが分泌されます。
このオキシトシンの働きにより乳腺の周りの筋肉を収縮させ、乳頭の筋肉がゆるみ母乳が出るようになります。
このように母体は優れた母乳のメカニズムを持っていますが、人によっては母乳が出ない、詰まるなど多くのトラブルに悩まされていることも事実です。
こうしたトラブルの対処法としておっぱいマッサージが効果的に働きかけてくれるます。母乳の原料は血液ですが、その血液を運ぶ血管が多くあるのは乳房の下側の「基底部」というところです。
この部分の血行を良くすることで母乳の分泌を促すことができるのです。
また母乳分泌が良くても乳管が詰まりやすかったり、特に初産の人は乳腺や乳口が開きにくいことなどから肝心の母乳が外に出ないというトラブルが起こりやすいです。
この場合にもおっぱいマッサージは母乳の通りをよくし乳腺や乳口を開きやすくしてくれる効果があります。
さらに哺乳時の赤ちゃんの吸引力は予想以上に強いため、特に初産婦さんの乳頭は初めて赤ちゃんに吸われることで、切れたり荒れてしまって痛みが伴うこともあります。
このトラブルに対しても乳頭マッサージを妊娠中から行っておくことで未然に防ぐことができます。
母乳ケア!おっぱいマッサージはいつからやるの?
産後から始めてももちろん効果はあります。しかし産後からすぐにスムーズに授乳できるようにするには妊娠中からのケアがおすすめです。
開始時期は一般的には妊娠28週頃から推奨されていますが、早いと20週頃からともいわれています。いずれにせよ医師の見解やその時期の妊婦さんの状態にもよるので必ず担当医師に相談するようにしましょう。
注意点としては、おっぱいマッサージはオキシトシンというホルモンを分泌させるため、このオキシトシンが子宮を収縮させてしまうので妊娠初期や切迫早産の人は行わないようにしましょう。
乳腺炎への対処法
乳腺炎は乳腺が詰まって、炎症が起こることで乳房にしこりができたり痛みが伴う症状です。さらに悪化すると発熱を起こすこともあります。
乳腺炎の対象法はとにかく母乳を外に出すこと。ですのでおっぱいマッサージをおこなっておっぱいを飲みやすくし、赤ちゃんにどんどん飲んでもらうことも1つの改善方法です。
しかしそれでも追いつかないほど母乳の分泌量が多すぎたり、乳腺が詰まったりすることで、授乳や搾乳すら難しいほどおっぱいがカチカチに硬くなってしまったり赤く炎症を起こしたりします。
この場合は自己流では限界があり誤ったやり方をしてしまうのはいけないので、産院や助産院の母乳外来などで専門的なおっぱいマッサージを受けるようにしましょう。
私も1度、乳腺炎になりかかったことがあり、痛みで眠れない日もありました。しかし母乳外来でのマッサージを受けたところ、1回で随分と改善し、その後おっぱいが痛くなることは無くなりました。
母乳外来は何回か通う必要があると言われることが多いので出産後、何度も通院することを負担を感じ、受診を避けてなるべく自分でなんとかしようとしてしまう人が多いです。
しかし私のようにたった1回だけでも十分効果を得られて痛みから解放される人も多いので、あまりためらい過ぎずに1度早めに専門的なケアに頼ってみるのもおすすめです。
産院や助産院によっては妊娠中から受けられる母乳外来を設けていることもあるので利用してみるのもいいでしょう。
赤ちゃんが吸いにくい乳頭の形とは?
まずは赤ちゃんが哺乳するための飲み口である乳頭(乳首)の形が自分はどういった形なのかを見てみましょう。
赤ちゃんが吸いにくい乳頭には次の4つがあります。当てはまる人はぜひ妊娠中から乳頭マッサージを試みてください。
陥没乳頭
乳頭が乳房の内側に埋もれて隠れている状態です。
普段内側に埋もれている分、刺激に弱いため切れたり傷ついて痛くなりりすい形です。まずは乳頭吸引器などで乳頭を出すようにしてからマッサージを行なってください。
扁平乳頭
乳頭と乳房との境目がなく、乳頭が飛び出ていない平らな状態です。
乳頭を引っ張ってみて出るようなら、乳頭マッサージなどで柔らかくして伸ばすようにしましょう。出ないようなら乳頭吸引器を。
小さい乳頭
小さいので刺激を受けやすく負担が大きいため、傷ついて痛みやすいです。
乳頭マッサージでなるべく乳頭を強化しましょう。
大きい乳頭
大きいと赤ちゃんの小さい口に上手く入りきらず、授乳が困難になることも。
乳頭マッサージでなるべく乳頭を柔らかくするようにしましょう。
乳頭マッサージ方法
- 親指、人差し指、中指の3本で乳頭の付け根をつまみ、軽く引っ張ったり左右に回したりしてマッサージする。
- 人指し指と中指で乳頭をはさみ、親指で乳頭の先を回すようにしてマッサージする。
母乳マッサージ 方法
- 左手で左のおっぱいの外側から手のひらで押さえるように支え、右手で左のおっぱいを指を広げてボールをつかむように持つ。
- 母指球筋(親指の根元部分で手のひらの膨らんでいる部分)を左のおっぱいの上部に当てて、右に向かって垂直に押す。(4〜5回繰り返す)
- 右手の指は閉じて位置を少し下にずらし、ななめ左下からおっぱいを支えるように持つ。
- 左手を右手の外側に重ね、右肩方向に押す。(4〜5回繰り返す)
- 右手の手のひらを左のおっぱいの下側に当てて支えるように持つ。
- 左手は右手の下に添えるようにして、下から上にすくい上げるように持ち上げる。(4〜5回繰り返す)
右側のおっぱいも同じように行いましょう。
尚、このマッサージは入浴時に湯船の中で行なったり、おっぱいに蒸しタオルを当てて温めてから行うと血行が促進され、より効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
くれぐれも切迫早産や妊娠初期は控えるようにしてください。
また安定期でもお腹が張ったりなどの症状が出るときはすぐに中止してください。
母乳で育てたい!と強く願っている妊婦さんは私のような後悔のないよう、ぜひ早めのおっぱいケアで母乳育児の準備をしておいてくださいね。