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妊娠前からもともと喫煙者だったママさんが出産後、ふとした拍子に無性に吸いたくなってしまうという話をときどき耳にします。
ですがママは赤ちゃんの1番近くで毎日お世話をしなければいけない立場ですし、まして授乳中ならなおさら吸いたい気持ちは何としても抑えたいですよね。
そこで今回は授乳期間中のタバコについて詳しくお話ししていきたいと思います。
たばこを吸いたい衝動に苦しむママたち
実は喫煙の依存性は男性よりも女性の方が強く出やすいといわれています。
そのためか妊娠中にせっかく禁煙していたのに、産後にまた喫煙の欲求がぶり返すというのも女性喫煙者だからこそ起こりやすいことかもしれません。
実際、年々喫煙者が減少している近年においても、女性の喫煙者はあまり減少傾向がなく数字も横ばいのようです。
なかでも30代から50代の女性の喫煙率が高く、最も高いのは40代の女性のようです。
こうした年代は高齢出産が年々増えていることからも出産、子育ての時期にも当てはまるため、禁煙に苦しみながら子育てしているママさんは想像以上にたくさんいるのかもしれませんね。
授乳中のタバコによる影響
母乳の量が減ってしまう
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させてしまい血流を悪くさせてしまいます。
そのため母乳の元である血液の流れが滞り、母乳の量や出が悪くなってしまいます。
実際、授乳中ついタバコを吸ってしまっているママさんがだんだん母乳が出にくくなってきてしまい結局、母乳育児をやめてミルク育児に切り替えてしまうというパターンがよくあるようです。
母乳の中に高濃度のニコチンが含まれてしまう
ママがタバコを吸うことで自分の体の血液中に吸収されるニコチン量よりも、母乳の中に含まれてしまうニコチン量の方が約1.5〜3倍多く濃縮されてしまうそうです。
つまりママよりもずっと小さい体である赤ちゃんに、ママよりもはるかに高濃度のニコチンを母乳と一緒に飲ませてしまうということなのです。
これは本当に考えただけでも恐ろしいことですね…
赤ちゃんの正常な発育・発達を妨げてしまう
ニコチン量の多い母乳を飲んでいる赤ちゃんには様々な身体への悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
下痢や嘔吐、脈拍増加、また注意多動性欠陥障害(ADHD)などの精神疾患も引き起こす可能性があります。
厚生労働省の発表によると1日に4本以上喫煙する場合、母乳分泌量は10〜20%低下し、喫煙量が増えるほどこの低下が著しくなるようです。
呼吸器疾患など様々な病気を引き起こす
タバコの煙は吸っていない人にも影響してしまいます。
ママやパパが赤ちゃんが暮らす室内で喫煙することで赤ちゃんが受動喫煙してしまい様々な病気のリスクが高くなる恐れがあります。
特に気管支喘息や肺炎などの呼吸器疾患などの発症頻度は、喫煙していない家庭に比べて約3倍にもなります。
さらに乳幼児突然死症候群(SIDS)までも引き起こす可能性もあり、この発症頻度も約5倍といわれています。
さらにアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患も発症するリスクがあります。
「たばこを吸ってしまった…!」授乳はどうすればいいの?
タバコはよくないとわかっているのにどうしても我慢できずに吸ってしまった場合、その後の授乳はどうすればいいのでしょう?
吸ってしまってからどのくらい間隔を開ければ授乳可能なのかというのは最も気になるところでしょう。
母乳の中に含まれるニコチンの濃度が半分までに減るには約60〜90分といわれています。
薬剤などの場合、半分に減るまでの時間の約5倍の時間が過ぎれば血液から薬剤は消えるといわれています。
これをニコチンに置き換えると90分×5倍=約7時間半の間隔を置けばよいということになります。
しかし一方で母乳中のニコチンは約3時間ほどで無くなるともいわれているなど、専門家によって見解は様々です。
つまり確実に安全が確保される時間ははっきりとは言いきることは難しいということなのでしょう。なぜならニコチンの消失までの時間もニコチンに対する影響度にもそれぞれ個人差があるからです。
まして頻回授乳期の場合、ニコチンが母乳内から消えるまで十分に授乳間隔を開けることは実質不可能でしょう。
さらにタバコは母乳の分泌に影響したり、高濃度のニコチンが含まれてしまうという点からも母乳育児を続けたいのなら少なくともこの期間は禁煙するようにしましょう。
少なくとも授乳回数が少なくなり、授乳間隔も十分取れるようになるころまでは我慢しましょう。そして喫煙後すぐには絶対に授乳はやめて間隔を開けてください。その間はミルクで対応しましょう。
そしてすぐには禁煙できなくてもなるべく本数を減らしていくよう努力していきましょう。またタバコの場合はお酒とちがって受動喫煙の問題もあるので、家の中や赤ちゃんと一緒の状況では吸わないようにしてください。
タバコとストレスについて
タバコが吸いたくなる理由にストレスが大きく関わっていると思います。
日々の子育てはストレスの連続です。特に授乳期間は睡眠も妨げられ、食事や入浴、外出など基本的な日常生活が全て自分のペースでは全くできなくなってしまいます。これでストレスを溜めるなというほうが無理がある話かもしれません。
ですがタバコを吸ってしまうとむしろストレスが溜まりやすくなるというのを知っていますか?
タバコは体内のビタミンCを大量に奪い取ります。ビタミンCは抗ストレスホルモンの合成作用があり、ストレスから身体を守ってくれる大切な成分です。
タバコを吸うことでストレスに対抗する力がなくなっていき、ますますストレスを感じるようになり喫煙欲求が止まらなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
ですのでタバコ以外のものでストレスを解消するようにしましょう。
ご主人や家族の人など誰かに赤ちゃんのお世話を頼んでなるべく自分の時間を作るようにしてみましょう。少しの時間だけでも解放されるだけでもリフレッシュできたりします。
また赤ちゃんがお昼寝してる間だけでも読書や音楽を聴くなど、とにかく自分が楽しめることをしてリラックスできる時間をなるべく作るようにしましょう。
禁煙のススメ
授乳中のお酒に関する記事でもお話ししましたが、お酒をタバコに置き換えてあえて厳しいことをもう一度言います。
授乳期間中はどんなにタバコを吸いたくても我慢するのが前提ですし、その我慢も含めて母親としての責任なのではないかと私は思っています。
ましてタバコの場合はお酒以上に赤ちゃんに与える影響はとても深刻です。
先に述べた様々な恐ろしいリスクを念頭に置いて、これを機にぜひ禁煙して欲しいと思います。
そうはいっても喫煙者にとって禁煙はそう簡単にはいかないものですよね。
先述したようにタバコには強い依存性があり、特に女性は男性よりも依存率が高いことからもママさんたちの禁煙は困難なように思われます。
しかし禁煙することは美容面においてとても大きなメリットがあります。
先述したようにタバコは美肌のための必須成分であるビタミンCを奪っていきます。そのためタバコを吸っていると肌がくすみがちで毛穴も開きやすくなり、ニキビや肌荒れなど様々な肌トラブルが出やすくなります。
若い時はタバコが肌にあまり影響しなかった人も年をとるごとに肌に現れやすくなっていき、非喫煙者に比べて老化の速度が速くなってしまいます。まして出産を経た女性にとってはタバコが美容面で大きなダメージになります。
肌だけでなくタバコのヤニによる歯の黄ばみや口臭なども喫煙のデメリットでもあります。
これらのことからも禁煙は女性にとって嬉しいメリットばかりです。
子供のためにも自分自身のためにもぜひ禁煙を成功させて、いつまでもキレイなママでいられるように頑張りましょう!
まとめ
いかがでしたか?
タバコは百害あって一利なしです!思わず吸いたくなったら今回お話しした赤ちゃんへの様々なリスクのことを思い出すことでどうか踏みとどまって欲しいです!
そして赤ちゃんとママの健康のためにもタバコ以外のストレス解消法を見つけてくださいね!
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