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母乳で育てると「免疫力が高くなり病気になりにくい」とか「親子の絆が深まる」といわれその魅力は多くの人が知るところですが、実は母乳ってもっともっと想像以上にすごいんです!
アメリカボストン小児科医院の研究チームによって「母乳で育てる子どもの知能が高くなる」という研究結果が発表されました。
なんと1312組の母子を長期間に渡り調査した結果なんだとか。今回はこの母乳の素晴らしい効果についてみていきます!
母乳で育てる子どもの知能が高くなる!という研究一覧
アメリカボストン小児科医院の研究
アメリカボストン小児科医院が行った衝撃の研究結果が世間を賑わしています。
この病院の研究チームがなんと11年間にわたり1312人もの子どもと母親を調査し続けました。
すべての子どもが1歳の誕生日を迎えた時点でどのくらいの子どもが母乳を飲み続けているかを調べ、その後3歳と7歳になった時点で知性や言語能力などの向上を調べる知能検査を実施しました。
その結果母乳を飲んでいた期間が長ければ長いほど知能・言語能力が上昇し、IQが約4ポイント向上することが期待できるという事がわかりました。
ブラジルペロタス連邦大学の研究
ブラジルペロタス連邦大学は新生児約3500人の30年間の成長を追って調査した結果、乳児期に母親で育てられた子どもは20歳を過ぎてからの知能が高く高収入であるという研究結果が発表されました。
発表された研究論文のなかで主任のベルナルド・レッサ・オルタ氏は「母乳を与える期間が長ければ長いほどIQのポイントが高くなる」と述べています。
またオルタ氏は母乳に含まれる不飽和脂肪酸の一種である「ドコサヘキサエン酸(DHA)」による効果であると言っています。
医学雑誌「ランセット」の調査
医学雑誌「ランセット」の調査によると、1年以上母乳を飲み続けた子どもは1ヶ月だけ母乳を飲んだ子どもに比べ、就学年数が長く学力テストの点数も良く、成人してからの収入も多いと言う事が明らかになっています。
▽▽医学雑誌『ランセット』についてはこちら▽▽
https://ja.wikipedia.org/wiki/
イギリスエセックス大学とオックスフォード大学の調査
こちらの研究は母乳やミルクを飲ませるタイミングでIQに差が出るというビックリな研究です。
母乳やミルクは3時間おきが望ましい等と良く耳にしますが、この研究では赤ちゃんが欲しがったときにミルクや母乳を与えるという「赤ちゃんまかせ」の授乳をした子どもの方がIQが高くなるというもの。
8歳の時点でIQテストをすると母乳・ミルクに関わらず時間を決めずに授乳した子どものIQはそうでない子どもより約5ポイントも高かったそう。
これは平均的な30人学級で例えると時間を決めずに飲ませた子どもは11番目、そうでない子は15番目くらいの差なんだそうです。
母乳で赤ちゃんを育てることは心身の良好な発育の為にもとても良いと聞いたことはありましたが、これらの研究結果を見ていくとその効果は大人になっても現れるのだという事がわかりますね。
母乳がこどものIQの向上に良い理由
これだけ母乳が良いと言われると、ではなぜ良いのかしら?と疑問が沸いてきますよね。これには専門家によって様々意見があるようです。
- 母乳に含まれる不飽和脂肪酸である「DHA」やアラギドン酸の「ARA」といった栄養素が脳の発育に良い。しかしこれらは粉ミルクにも含まれているので真偽は不明です。でもDHAもARAも脳に良い事は事実なので積極的に母乳をあげるママも摂取すると良いですね。
- 母乳には他には含まれない栄養素が含まれているから。
- 母乳が直接関係しているわけではなく、母乳をあげることで母親と子どもの絆が脳の発育に良い。
などの様々な意見があります。
いい母乳のためにしたいこと
いくら母乳が良いといっても母乳の質が悪くては元も子もありませんね。赤ちゃんのためにいい母乳を出すためにはどうしたらよいのでしょう。食事面や生活面で気をつける事などをご紹介していきます。
水分をしっかり摂る
え?と思う方も多いかもしれませんが、母乳をいっぱい出すためには水分が欠かせません。
母乳は血液から作られるので血液の量を増やす事はもちろん、血液の質を良くしてさらさら血液でいることが重要です。
最近のママさんはなかなか忙しさもあってか水分をあまり摂らない方が多いようですが、授乳中に必要な水分量は毎日3リットル、夏場は5リットルと言われています。また冷たいミネラルウォーターやノンカフェインの麦茶を飲んでいるという方が多いのですが、胃腸が冷えると母乳の出が悪くなる事からも、温かい少し栄養のある物を飲むと母乳の出が良くなります。
そんな事からも温かいルイボスティーなどがオススメです。母乳育児のため日に何度か温かいルイボスティーを飲んでホッとリラックスする時間を作ってはいかがでしょう。
▼▼ルイボスティーの良い効果についてはこちらの記事をご覧ください▼▼
https://be-a-mother.info/have-a-baby/rooibos
鉄分、カルシウム、たんぱく質、ビタミンを摂る
色々と栄養素を並べましたが要はバランスの良い食事を心がけるということです。
授乳中は2500キロカロリー必要だといわれています。これは運動選手と同じくらいのカロリーなのです。授乳も子育てもアスリート並みに大変な労力だと言う事ですね。
特に、貧血には注意が必要です。出産時に出欠が多かったり、妊娠中から貧血気味だったという人は積極的に鉄分の補給を心がけましょう。
またたまねぎや青い葉っぱの野菜をたくさん食べるとさらさらの詰まりにくいおっぱいになりますよ。逆に高カロリーで脂っこいものは乳腺が詰まりやすくなるので、授乳中は少し我慢したほうが良さそうです。
▼▼こちらの記事に母乳に良い食事、よくない食事をまとめていますのでぜひ読んでみて下さい▼▼
血液循環の流れを良くする
たくさん水分を摂って栄養のある物を食べても、母乳は血液から作られるとお話したように血液の流れが悪ければ母乳の出は良くなりません。
慣れない長時間の抱っこで首や肩が凝っていたり、体が冷えていたり、運動不足やストレスでも血液循環は悪くなります。
お医者様からお風呂の許可が出たらできるだけ湯船に浸かるようにしましょう。お風呂に入れない時期は足湯をしたりおっぱいをホットタオルなどで温めて軽くおっぱいを動かしてあげると良いでしょう。
できるだけ寝る
夜中の授乳もあってなかなかまとまった睡眠を取るのはむずかしい時ですが、睡眠時にはプロラクチンというホルモンが沢山出て母乳の出を促してくれるので、夜間はミルクに助けてもらったり昼間も赤ちゃんが寝ている時を見計らって一緒に寝るように心がけましょう。
乳腺のつまりをなくす
母乳はたくさん作られているのに乳腺が詰まっているがために母乳が出ずらくなってしまっていて、それを母乳不足だと思ってしまっている場合もあります。
乳腺が詰まると乳腺炎になっていまう場合もありますので気をつけたいですね。食事はバランスの良い野菜や魚など和食中心にして、フライドチキンやピザ、ケーキなど高カロリーなものは少しの間我慢しましょう。
それでも改善しない場合は助産師さんにおっぱいマッサージをお願いすると良いですね。
母乳でなければダメなの?
母乳が出なかったり、ママの健康状態や仕事復帰など様々な理由で母乳をあげることが難しい場合もあります。
それでも心配いりません!イギリスエセックス大学とオックスフォード大学の調査では母乳やミルクどちらかではなく、あげるタイミングが大切だという研究結果もあり、また「母乳がIQの向上になぜようのでしょう」の中でもご紹介したとおり「母乳が直接関係しているわけではない」という専門家も居ます。
ハーバード大学医学大学院小児科準教授のベルフォート博士は「赤ちゃんと話したり、絵本を読んであげたり、赤ちゃんの発育には母乳以外にも様々な要素が影響する」と言っています。
大切なのは授乳中母乳でもミルクでも赤ちゃんのお顔を見て「おいしいね」と話かけたり、ベビーマッサージなどでコミュニケーションをはかったり、赤ちゃんを心からかわいいと思い慈しむママの心がとても大切なのではないでしょうか。
間違ってもおっぱいやミルクをあげながら携帯をいじっているなんてダメですよ。