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出産による骨盤の歪みや開きについて、他の記事でもお話ししてきました。
今回は産後の骨盤矯正についての総まとめとして、骨盤矯正を考えているママさんにとって大切な12のポイントをまとめてました。
ぜひ歪みを戻す前に知っておいて欲しい大切な基本事項なのでチェックしてくださいね。
骨盤の仕組みと役割とは
実は体の骨の中で「骨盤」という骨は存在しません。
骨盤は次の4つの骨をまとめて総称した部位のことです。
- 坐骨…座った時に座面に当たるお尻の骨
- 恥骨…身体の前側、股間付近にある、少し浮き上がっている骨
- 仙骨…背骨の一番下の骨
- 腸骨…ウエストより下にある、腰骨と言われるところ
これら4つが組み合わさった腰回りの部位を「骨盤」と呼んでいます。
骨盤は人間の骨格の根幹部分にある重要なパーツであり女性と男性で形状が異なっています。
特に女性にとって骨盤は妊娠・出産において重要な役割を担っています。
骨盤の役割
- 上半身を支えバランスを保つ
- 股関節と連動させ歩く動作を支える
- 内臓(大腸や小腸、子宮など生殖器、泌尿器など)を保護する入れ物
- 座る時に身体全体を支える
骨盤は靭帯や筋肉でしっかりと補強されていて丈夫な作りになっています。
なので本来、骨盤の関節が歪む、ズレるといったことはそうそう簡単には起こりません。
どんな状態が骨盤の「歪み」なの?
骨盤が「歪む」「ずれる」というと、骨そのものが変形してしまったようなイメージを持つかもしれませんが、それは間違いです。
「骨盤の歪み」というのは骨盤が全体的に左右前後に傾いていたり捻れていたりする状態のことです。
出産だけじゃない!?骨盤が歪む原因
骨盤は丈夫な作りのため、ちょっとやそっとでは歪んだりズレたりするものではありません。
しかし実際、骨盤の歪みは存在する症状ですし、特に女性は妊娠・出産による影響は大きいでしょう。
ですが妊娠・出産だけが骨盤の歪みの原因なのではありません。実は妊娠や出産よりも大きな原因があるのです。
それは主に次の2つ。
姿勢の悪さ
骨盤は上半身と下半身のバランスを保つ役割を持っています。
そのためいつも左右どちらかに重心を置いた姿勢だと骨盤もそれに合わせて傾いていきます。
また猫背の場合は後ろに、反り腰の姿勢の場合は前に傾いてしまいます。
また足を組んだり、いつも左右の片方だけで荷物を持つ、横座りやぺしゃんこ座りといった姿勢の悪さによって骨盤やその周りの筋肉も不均等になり、体全体の歪みをも引き起こしてしまいます。
筋力の低下
運動不足などで骨盤を支えている筋肉が衰えてしまい、支える力が弱くなります。
すると骨盤の位置が安定しにくくなり歪みやすくなるのです。
特に大腰筋と内転筋が弱くなることが大きな原因のため、この筋肉を重点的に鍛えることが大切です
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、そのお腹を支える姿勢になるため反り腰になります。
また産後は授乳姿勢は猫背など前傾姿勢になりがち。
また必然的に妊娠中は運動不足になるため、妊娠・出産は骨盤の歪みに拍車をかけるのです。
出産で開いた産後の骨盤は自然に元に戻るの?
リラキシンという妊娠中に分泌されるホルモンは産後、長い人だと半年くらいまで影響します。
このリラキシンは骨盤の関節や靭帯が緩みやすくして骨盤を開かせて産道を作る作用を持っています。
よく「開いた骨盤がそのまま固まってしまうので自然に元に戻ることはない」といった話を耳にしますが、それは間違いです。
本来、女性の体の仕組みとして出産で開いた骨盤は出産が終われば自然と元に戻るのは当たり前のことです。
しかし『出産だけじゃない!?骨盤が歪む原因』でお話ししたように産前から日常的に姿勢が悪かったり筋力不足だったりすることで歪みが生じるだけでなく、酷くすると痛みなどが生じることにもなります。
例えば「仙腸関節の機能障害」や「恥骨結合離開」といった症状になると、専門家や医師による治療が必要となることもあります。
産後1ヶ月は骨盤ベルトやニッパーだけにしておく
出産で緩んだ靭帯や関節が元に戻るのに約2ヶ月はかかるといわれています。
特に産後1ヶ月は床上げはしてはいけないと昔から言われているように、この時期は決して無理をせず安静にすることが大切。
無理をするとその後の体調などにも響いていきます。
積極的な骨盤矯正をするのもこの時期は避けるようにして、最低でも産後1ヶ月は骨盤ベルトやニッパーだけのケアにとどめておきましょう。
骨盤矯正はいつから始めるの?
『後1ヶ月は骨盤ベルトやニッパーだけにしておく』でもお話ししたように、産後1ヶ月は悪露もまだ出ていたり、人によっては後陣痛があったりなど、出産による体への影響がまだまだ残っている状況です。
この時期に骨盤矯正は体への負担になってしまうので最低産後1ヶ月間は避けるようにしたほうがいいでしょう。
目安は1ヶ月後検診で問題なければ医師に確認してから始めると安心ですね。
またリラキシンの作用が産後長い人だと半年くらいまで影響します。
リラキシンによって靭帯や関節が緩んでいる時期は言い換えれば骨盤を元に戻しやすい時期とも言えます。
従って、骨盤矯正は産後2ヶ月ごろから半年までの間に始めるのがベストタイミングでしょう。
もちろん半年以降に始めても意味がないのかというと、そんなことはけしてありません。
あくまで効果が出やすい理想的な時期があるということです。
骨盤矯正はプロの施術を受けないといけないの?
結論から先に言うと、プロの施術は必ず受けないといけないわけではありません。
先にもお話ししたように、産後の骨盤は自然に元どおりになるようにできています。
確かに産後直後だと骨盤の開きによる腰痛や恥骨痛、尾てい骨の痛みなどが出る場合がありますが、日常の姿勢の改善や筋力強化など自力での改善することは十分可能なのです。
プロの骨盤矯正ってどんなもの?
プロの骨盤矯正というと整体院や整骨院などで専門の施術を受けることですが、プロの骨盤矯正といっても骨盤自体を直接どうにかするわけではないのです。
プロの骨盤矯正の施術効果は筋肉をほぐしたり関節の柔軟性を高めることで、全身のバランスを整えて骨盤や骨格を正しい位置に促すというものなのです。
プロの産後骨盤矯正施術のメリットは?
まずは何と言っても専門家にチェックしてもらうことで自分の骨盤の状態がきちんと把握できるので安心ということ。
自力での骨盤矯正のためのエクササイズや筋トレ、ストレッチなどを行う際も、それが自分にあっているのか正しいのかも確認できるので自信を持って取り組めます。
また、骨盤の歪みの原因である姿勢の悪さは日常の癖になっているもの。
つまり悪い姿勢というのは定着しやすいのです。
すると身体が良い姿勢を忘れてしまい骨盤の歪みがますます悪化していきます。
これをプロの施術によって体のバランスを整え、正しく身体を使えるようにすることで良い姿勢を身体にしっかりインプットさせることができます。
自分で出来る骨盤矯正!歪みを戻すために必要なポイント
骨盤の歪みを改善するために必要なポイントは次の3つ。
骨盤や姿勢に関わる筋肉を鍛える
姿勢の悪さによって筋力が低下したり、バランス悪くついてしまった筋肉をきちんと鍛えることで筋肉を正しい位置に整えることができます。
すると骨格、骨盤も筋肉によって正しい位置に導かれます。
先にお話しした大腰筋や内転筋などを含む「インナーマッスル」といわれる筋肉を鍛えることで姿勢や関節の位置を正すことができます。
インナーマッスルを鍛えるにはウォーキングやヨガ、ピラティスなどの軽めの有酸素運動が効果的です。
関節の柔軟性を高める
骨盤が歪んだ状態だと筋肉のバランスが悪くなり余計な負担が身体にかかるようになります。
こうした負担は筋肉を緊張させて硬くしてしまい、関節の動きを狭めてしまいます。
柔軟性が悪い身体でエクササイズをしても効果を得られにくいだけでなく、体のバランスの悪さが悪化してしまいます。
ですので、ストレッチなどで柔軟性を高めてからエクササイズをするようにしましょう。
また整骨院や整体院でプロの施術を受けるのも効果的でしょう。
日常的に良い姿勢を心がける
骨盤の歪みの大きな原因は姿勢の悪さ。せっかく筋力をつけたり柔軟性を高めても、日常的に姿勢が悪いと元もくあみです。
とにかく日頃から姿勢を正して過ごすことを心がけましょう。
2人目の産後に体の不調が出る原因
1人目出産時には特に骨盤の開きによる腰痛など、特に体の不調はなく体も楽だったのに、2人目の出産後は腰痛などの体の不調がいろいろ出てしまったというママさんも多いようです。
また、よく「1人目よりも2人目を産んだ後は体型が元に戻りにくい、戻らない…!?」なんて話もよく耳にします。
これらは一言で言ってしまうと「産後の生活習慣が悪かったことが原因」なのです。
1人目出産時と違い、2人目の場合は赤ちゃんとの生活だけに集中することはできません。
上の子のお世話もしなければならないので、1人目の時のように赤ちゃんと一緒にお昼寝して体力を回復させるといったことができにくくなります。
また2人目出産時は1人目の時よりも必然的に歳をとっているので、加齢による体力の低下もみられます。
こうしたことが合わさって2人目の出産後はママの体がきちんと回復されず、骨盤のスムーズに戻りにくくなり体の不調となって現れやすいという傾向があります。
骨盤のために!産前・産後に気をつけること
産後の体の回復は妊娠中からの生活習慣や心がけによって大きく左右します。
産前からできることをやっておけば産後の体の回復もスムーズになります。
産前からなるべく歩くようにしたり、睡眠を十分にとるよう心がけましょう。
また歩く時の靴はスニーカーなどかかとのない、足腰に負担の少ない靴を選びましょう。
そしてなにより、体を冷やさないようにすることが大切です。
そして産後、特に1ヶ月は産前と同じく体をなるべく冷やさないようにしたり、ソファなどに座ると緩んでいる骨盤がズレやすくなるので、なるべく椅子に浅く腰をかけるなどして姿勢を正す習慣をつけるようにしましょう。
また低反発や柔らかいマットレスは骨盤矯正には実はあまり向いていません。
骨盤にいいのは畳に敷布団がベスト。畳に敷布団は寝ている間に自分の体重で緩やかに骨盤矯正をする効果があるので理想的な睡眠スタイルといえます。
まとめ
いかがでしたか?
必ずしもプロの施術を受けないといけないわけではなく、骨盤矯正は自力で十分可能なんです。
また他にも産後の骨盤矯正について知らなかったことや誤解などもあったのではないでしょうか?
今回のポイントが産後ママのプロポーション改善のお役にたちますように!
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