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子供の食生活で気をつけたいのが「子供の肥満」。
そのほとんどは、食べ物からの摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ること、そして運動不足が原因と言われています。
現代は、いろいろな食べ物が簡単に手に入りますし、ついつい加工食品や外食などで食事を済ませることも少なくありません。
自由に遊ぶ場所も限られ身体を動かすことも少なくなってきているのも事実です。
子供の肥満は、そのまま生活習慣病などにもつながりかねませんから、子供たちが健全に成長していけるよう食生活を整えたいですよね。
そこで今回は、幼児期からの「食育」を通して、幼児期の肥満の原因を見直してみました。
それでは、詳しく見てみましょう!
子供の肥満は世界的に増加傾向に!
2017年10月に、世界保健機関(WHO)は、「2016年現在で、世界で肥満の子供(5~19歳)は推定1億2,400万人に達している」との報告書を発表しました。
また、「2億1,000万人は、肥満ではないものの太り気味とみられ、世界的にも肥満は増加傾向である」ということも併せて発表されました。
加えて、糖尿病やがんなどにかかるリスクは高くなっているということも警告されています。
子供の肥満の原因は何?
こんなにも子供の肥満が増えたのはどうしてなのでしょうか?子供の肥満の原因にはどんなものがあるのか、見てみましょう。
好き嫌い・偏食がある
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。特に、ビタミンB₁は糖、ビタミンB₂は脂質、ビタミンB₆はタンパク質というように、それぞれの代謝に欠かせない栄養素です。
これら代謝に関わる栄養素を摂らず、炭水化物などの糖質だけを食べるなど好き嫌いや偏食をすると、栄養面でもバランスが偏り肥満の原因となります。
また、おやつなどの間食を食べ過ぎて食事が十分とれない場合も、栄養バランスが悪い上に過剰なエネルギー摂取につながりますから、これも肥満の原因になります。
よく噛まないで食べる(早食い)
大人でも早食いの人はよく噛まないで食べるので、肥満気味の人が多いですよね。
食事において噛む速度と食後のエネルギー消費量(食事誘発性体熱産生)の関連を調べた研究によると、急いで食べるよりもゆっくり噛んで食べるほうが、エネルギー消費量を大幅に増やせるということが分かりました。
もう一つ、よく噛むことのメリットがあります。それは、「満腹中枢」が刺激され、食欲にブレーキがかかるということです。
食べ物を食べて栄養素を摂取すると脂肪細胞が膨らみ、この脂肪細胞から「レプチン」というホルモンが分泌されます。
この「レプチン」によって満腹中枢が刺激されると、食欲が抑制されると同時に自律神経の交感神経が活発になり、肝臓や筋肉で脂肪の分解が促されます。
ダイエットのために食事を制限すると、「レプチン」の分泌が減ってしまい満腹感を感じにくくなってしまいます。
ですから食事を制限するのではなく「よく噛むこと」が、肥満を防ぐ近道と言えるのです。
運動不足
現代の子供たちは、習い事や塾など大人顔負けの忙しさですね。
また、昔は子供の遊びと言えば外遊びがメインでしたが、室内でひたすらゲームをするなど身体を動かすことが少ないので運動不足になりやすいですね。
運動の習慣がないと身体を動かすのが億劫になり、ますます肥満に拍車をかけてしまいます。
運動の習慣は、子供の体力や身体能力を高めると同時に、肥満を防ぐためにも欠かせないのです。
睡眠不足
しっかりと睡眠をとることは、子供の成長に欠かせませんね。
睡眠には、「脳を休める」、「身体を休める」、そして「新陳代謝を活性化させる」という効果があります。
睡眠不足になると新陳代謝を十分に促すことができなくなりますから肥満になりやすくなるのです。
肥満は遺伝するの?
脂肪の燃焼を促す「β3アドレナリン受容体(β3AR)遺伝子」や「脱共役たんぱく質1(UCP1)遺伝子」などに異常をきたしていると、脂肪を貯め込み肥満になりやすくなります。
こういった体質は肥満遺伝子によるものですが、肥満遺伝子を持っていても必ずしも肥満になるとは限らないのです。
肥満は、遺伝が3割、生活習慣が7割と言われていますから、子供の世話をする親の生活習慣が大きく影響していると言えるでしょう。
食生活を含めた生活習慣の見直しは、肥満を改善する上でも大変効果的でしょう。
ストレス
ストレスが溜まって、そのストレスを緩和させるための代償行為として挙げられるのが「食べる」こと。
空腹なわけではないのに食べ続けるので、肥満につながりますよね。
ストレスを取り除くことが最優先ですが、「食べる」こと意外でストレスを解消するようにしたいですね。
運動不足だとストレスが発散されにくいので、適度な運動は全般的に肥満には効果的と言えますね
「食育」で子供の肥満を防ごう!
子供の肥満を改善する上で注意したいのが、栄養面。
大人の肥満の場合、ある程度の摂食などは肥満の程度によりやむを得ないかもしれませんが、成長期である子供の場合は避けたいですね。
そこで、活用したいのが「食育」。
健康的な食習慣は、幼児期からの積み重ねが大切です。好き嫌いなどの問題も含め、「食育」を取り入れてみましょう!
簡単でも手作りで
現代は、お惣菜や外食など自分で作らなくても見栄えのいい食べ物が簡単に手に入りますね。
でも、手作りの食事はやはりひと味違います! “焼くだけ”、“煮るだけ”、“蒸すだけ”などのシンプルな調理でも美味しくいただけますよ。
ちなみに我が家の中華ドレッシングは、すし酢とごま油としょうゆを適量混ぜて作ります。
そして、ねぎのみじん切りを入れて完成!!ごま油の風味が最高!味の好みは調味料の割合で変わりますから、「実験」してみて、好みの味を見つけみてはいかがでしょう。
味付けは薄めに
子供は大人よりも味覚が敏感です。そのため、大人の味付けでは濃いですから薄めの味付けにしましょう。
味付けを薄めにすると食材本来の美味しさを味わうことができ、またご飯などの炭水化物のドカ食いも防ぐことができますね。
これは、妊婦さんにもおすすめです。また、「だし」を活用すると薄めでもおいしく食べることができますよ。
家族で食事をする
食べ物の栄養面ももちろん大事ですが、家族で楽しく食卓を囲むことは子供の心の安定にもつながりますね。
また、その日あった出来事などを食事しながら話すことで、ドカ食いなどの食べ過ぎを防ぐことができますね。
ストレスを抱えている時も、家族が話を聞くことで心を開放することができるのではないでしょうか。
食べる時は良く噛んで
食べものをよく噛むことで、唾液に含まれる消化酵素である「アミラーゼ」がよく働き、栄養素をしっかり消化吸収できます。
また、噛むことで神経伝達物質である「セロトニン」を増やすこともできます。
「セロトニン」は精神の安定に作用するほか、集中力を司る交感神経にも作用するので、血圧や体温を上昇させる働きがあります。
セロトニンがきちんと分泌されると体内時計の調整になり、日中も活発に活動できるようになります。
おやつの時間を決めておく
おやつの時間を決めておくのは、ダラダラとおやつを食べることを防ぐことができますね。
規則正しい食生活は、肥満の改善に大きな効果がありますね。
また、おやつと夕食の時間が空くことで、夕食をきちんと食べられますから偏食も防げます。
おやつは単なる間食ではなく、食事と同様、成長期の子供の大切な栄養源となります。
スナック菓子や砂糖がたくさん入ったケーキ、チョコレートはあまり食べさせないようにしたいですね。
バターや砂糖を控えめにしたスイートポテトや、手作りの蒸しパンなど素朴なおやつも意外と子供たちは喜んで食べてくれます。
クリームチーズとハチミツを混ぜて作る「簡単チーズケーキ」もおすすめです。
外遊びで身体を動かそう
元気に体を動かす外遊び。特に、幼児期は神経機能の発達が著しいので、「タイミングよく動く」、「力の加減をコントロールする」などの運動を調整する能力がとても向上する時期。
ですから、この時期の外遊びは子供にとってとても重要なのです!外の空気を吸うことは心のリフレッシュにもなりますし、お友達との人間関係を築くことにもつながりますから、外遊びは是非させたいですね。
まとめ
子供の肥満は今や世界的な問題。成長期の子供の肥満は、食事や外遊びなどの生活全般を通して改善していきたいものです。
「食育」を通して、健康な食生活を伝えていければ親としても安心です。
「食育」は、子供の健康だけでなく家族全員の健康や食生活も見直すきっかけになりますから、是非取り入れたいですね。
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