赤ちゃんが可愛く思えないのは母性が足りない?つらい日々を乗り越え心から母になれる時
見出し
赤ちゃんが可愛く思えない理由 母性が足りないせい?
赤ちゃんが生まれてすぐに「ああ可愛い」と思えたママもいるでしょう。
でも「可愛く思えない」というママももちろんいます。それは変なことではありません。
ママを取り巻く様々なストレスが理由になっているせいで、持っている母性がうまく引き出されないことがあります。
母性が足りないせいではないのです。
そのストレスの原因をいくつか紹介します。
産後のホルモンの乱れ
妊娠後、ママの体は赤ちゃんを育てるための女性ホルモンが増加します。
しかし出産後はその女性ホルモンが急激に減っていきます。その急激な変化はママの気持ちのバランスに影響を与えます。
急に不安になったり、かと思えばイライラしたり…。このホルモンバランスの変化が「赤ちゃんが可愛いと思えない…」という気持ちを助長させている可能性もあります。
身体の疲れ
赤ちゃんが生まれてから昼夜を問わない授乳やおむつ替えなどのお世話。
それに合わせて普段の家事。
出産の疲れでボロボロの身体なのに、どんどん疲れは溜まる一方です。
そんな身体の疲れによるストレスは多大なものです。
「赤ちゃんが好きじゃないのかも…」と思ってしまっても無理はありません。
経済的な問題
赤ちゃんがいることで、家計への影響はそれまでと大きく変わります。
これまでの夫婦だけの生活から比べると増えていく支出はそれだけで不安を生みます。
お金が減るという漠然とした不安は赤ちゃんに向かうこともあるでしょう。
そのせいで「可愛くない」と思ってしまうのかもしれません。
時間の余裕がない
洗い物をしていても赤ちゃんが泣けば中断し、トイレもゆっくり入っていられない…。
いわば赤ちゃんに振り回される毎日で、「いつも赤ちゃんといっしょでうらやましい」なんて言われた日には…。
なんとも言えない怒りや空しさがこみ上げてきてしまいます。
赤ちゃんと24時間一緒にいると、ほぼ自分の時間はありません。
そんな余裕の無さは赤ちゃんを可愛く思えない心の状態につながりやすくなります。
【経験談】心から「母」になれた時 ~筆者の場合~
ここで筆者自身の経験談を紹介します。
筆者は数年前に女の子の母になりました。
出産は時間がかかり、ようやく産まれた我が子。産声を聞いたときは安心しました。
周りからはすぐに(正確には妊娠した時からですが)「ママ」として扱われますが、「ママになれた」かというとピンと来ませんでした。
わが子は確かに可愛いとは思うけど、それは小さくて守らなくていけない存在である「赤ちゃん」としての可愛さでした。
正直な気持ちは「正体不明の生き物を育てる」という感じでした。
「かわいい」と言わなければいけない苦しさ
そこからは赤ちゃんのお世話に追われる毎日。毎晩2時間おきの授乳、腱鞘炎で沐浴もおむつ替えも苦痛。夜は布団に置くと泣くのでずっと抱っこ。
実母はこまめに連絡をくれるけれど、結局は「毎日可愛くていいね」と言われておしまい。
「そうだよ」と言わないと自分が悪者になってしまうような、逃げ道をふさがれた感覚を持っていました。
夫も忙しく、夜帰ってくれば抱っこをしてくれるけれど、泣き声で目を覚ますのは結局自分。
そんな中頼るべきは育児書。
育児書通りにはいかないけれど、マニュアルがあることで少しだけ安心できたのをはっきりを覚えています。
赤ちゃんが体調を崩せばかわいそうだけど、他のお母さんが思うように「代わってあげたい」とまでは思えませんでした。
むしろ小児科に行かなければいけない、普段と違うお世話が増えて面倒なことになったなぁと思っていました。
支援センターなどで支援員さんと話しても、「元気な子でかわいいですね」、「育児は楽しいでしょう」と言われることがほとんどで、「なんか違う」という気分で妙に疲れることが多かったです。
自分は母親には向いていないのかも…
気分転換も必要かと思い、たまに夫に預けて外出もしましたが、帰宅し「いい子にしてたから大変じゃなかったよ」と言われると、別にお世話をするのが自分じゃなくてもいいんだ、という気分になってしまいました。
また、その切り取った一部分だけでは私の大変さはわからないでしょう?と卑屈になっていました。
24時間一緒にいるのは自分で、これからもそれは変わらないんだと、今思うとノイローゼのようでした。
周囲の友人たちは子どもがいても働いていたのでそれもつらかったです。
なぜ自分だけおいて行かれるんだろう。この子がいることで、私の人生は変わってしまったと不満にも思いました。
そして一番つらかったのは、そんなことを思ってしまう私は「母として失格だ」と思ってしまうことでした。
心から「母」になれたきっかけ
娘には食物アレルギーがありました。離乳食で口にしたときに発覚し、その後は与えられたタスクをこなす感覚で食事を作っていました。
ある日、夫が娘に食事をあげようとしました。
しかしその時の料理に使われていたのが初めての食材だったためか、娘はなかなか口にいれようとしないのです。そこで私が代わるとためらいなく口に入れ始めました。
私はなぜかその姿を見たときに、ああこの子の母親は私なんだ、と実感することが出来ました。
未知の物を口に入れる不安がある中で、娘は私に絶対の信頼をおいてためらいなく口にしたのです。それは些細な事でしたが、娘を育ててきた中で芽生えた絆が、目に見える形で表現されたようでした。
そして形式だけでなく、心から「母親としてこの子をなんとしても守らなければいけない」という思いが湧いてきたのです。
そしてその出来事を境に、娘が愛おしくてたまらない存在になりました。
これをきっかけに私は心から「母」になれた気がしています。
悩みすぎてつらい時こそ赤ちゃんを抱きしめる
子どもが生まれたからすぐに心から母親になれるかというと、個人差があると思います。
世の中からそれを望まれているのに、気持ちが追い付かないのはなぜ…?と悩むこともありました。
生まれるまでの葛藤もあるでしょうし、お世話に追われて気づく暇もないこともあるでしょう。
でもその時悩んでいても、ふとした瞬間に気づくきっかけがあるはずです。
そもそも「母性が足りないのでは?」「赤ちゃんがかわいいと思えない…」と悩んでいるママたちは、自分たちが気づいていないだけで、とても真剣に「母」として赤ちゃんに向き合っているのです。
中には自分の母親との関係が上手くいっていなかったために、赤ちゃんへの愛情もうまく作っていけないママもいるでしょう。
そんなママは自分のペースで赤ちゃんとの関係を築いていくことが大切です。
気づくきっかけはどこにあるのかわかりません。
明日かもしれないし、もう少し先かもしれません。
悩んでつらい一日になっているかもしれませんが、そんな時は赤ちゃんを抱きしめてあげてください。
それだけでも赤ちゃんにはしっかり愛情が伝わるはずです。
まとめ
可愛いはずの赤ちゃんを可愛く思えないのはつらいですよね。
でも筆者は悩んだ時期があったことで、今の子どもとの良い関係が作れたのだと思っています。
また、赤ちゃんが可愛く思えないことは、母性の働きを邪魔するストレスがあるからかもしれません。
何より赤ちゃんのことを可愛いと思いたいママは素敵なママだと思いますよ。
ぜひ赤ちゃんに笑顔を見せてあげてくださいね。