離乳食いつから?始める体重の目安はあるの!?WHOが勧める開始期間とは?
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離乳食はいつから?
離乳食の開始時期(厚生労働省調べ)
(回答者:平成17年度0~4歳児の保護者、平成27年度0~2歳児の保護者)
※離乳食を開始しない場合を除く
厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」の離乳食開始時期の調査によると、平成27年度では「生後6カ月」が44.9%ともっとも高い割合になっています。
平成17年度では生後5カ月がピークでしたが、1カ月遅くなっていることにより、平成19年3月の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳食開始時期を従前の「生後5カ月になったころ」から「生後5、6カ月になったころ」と変更しています。
離乳食の開始の目安は?
離乳食開始の目安(厚生労働省調べ)
(回答者:0~2歳児の保護者)
月齢を目安に離乳食を始めたという人が84.3%と、大多数の人が回答しています。
食べ物を欲しがるようになったが49.5%ですが、食に興味を持ち始めたということですから、開始する目安になりますね。体重など発育状態については14.2%なので、そこまで重視はしていないようです。
日本で推奨されている離乳食の開始時期は5、6カ月なのに対して、WHOが推奨する離乳食の開始時期はいつなのか、ガイドラインを参考にみてみましょう。
WHOガイドラインではいつが離乳食の開始時期?
WHOとは「世界保健機構」のことをいい、離乳食のことを、「補完食」と呼んでいます。
WHOのガイドラインでは、5カ月までは母乳やミルクから栄養をとり、6カ月以降から補完食をとるよう指導されています。
「母乳は、赤ちゃんにとって最も自然な最初の食事であり、生後6か月間は母乳だけを与えるべきです。
しかしながら、この期間以降は追加の食事 (補完食)が必要となります。」
「生後6か月間は母乳だけで乳児に必要な栄養も水分も満たされるので、
乾燥した気候や熱帯地方でも余分な水分は必要ないこと、
生後6か月間の完全母乳育児は、
児の消化器感染症予防と運動発達によいこと、
生後6か月未満の貧血と亜鉛不足のリスクのある児にとっても補完食は鉄剤やサプリメントのような効果はないことが理由としてあげられています」
「補完食(母乳で育っている子どもの家庭の食事)」監修:JALC日本ラクテーション・コンサルタント協会
離乳食が早すぎても遅すぎても危険?
WHOのガイドラインでは、補完食が早すぎても遅すぎても危険があると記載されています。
「補完食をあまりに早く始めるのは危険です。
なぜなら、子どもはまだ他の食物を必要としていないし、母乳から置き換わってしまうかもしれません。
食物を与えられると、子どもは母乳を飲む量が減り、母親の母乳分泌量は減少してしまいますし、それによって子どもの栄養必要量を満たすのがさらに難しくなってしまうかもしれません。
子どもが受け取る母乳中の防御因子が少なくなってしまい、病気にかかるリスクが増します。
補完食は母乳ほど衛生的ではないかもしれないので、下痢になるリスクも増します。
母乳の代わりに、赤ちゃんが食べやすいように薄く水っぽい粥やスープを与えることがあります。
これらの食物を食べると満腹になりますが、母乳よりも栄養素が少ないため、子どもの必要量を満たせません。
母親は乳房を吸われる頻度が少なくなるために妊娠するリスクが高くなります。
補完食が遅すぎるのもまた危険です。なぜなら、子どもはエネルギーと栄養素の「差 」を満たすのに必要な食物を得られません。子どもの成長が止まるかゆっくりになります。栄養失調や微量栄養素不足のリスクが増加します。」
WHOガイドライン「補完食」翻訳:日本ラクテーション・コンサルタント協会
つまり、赤ちゃんが成長し、活発になるにつれて母乳だけでは得られない栄養が必要になり、母乳の栄養素と、赤ちゃんの栄養必要量を満たすために補完食が必要になるということ。
そして、生後6カ月以降であれば、赤ちゃんも母乳以外の食物を食べる準備ができているということですね。