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妊婦に起こりやすいお口の問題とは?|歯科検診の重要性!

出産/妊娠
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妊婦さんは妊娠により、身体が大きく変化します。ホルモンバランスが乱れたり、つわりで食生活のバランスも悪くなります。その影響でお口の中の環境も大きく変化し、唾液の量が減ったり、虫歯菌や歯周病菌が活性化することでお口の中の問題が多く発生します。妊娠中に妊婦さんが歯科検診を科検診を受け実際に治療を受けた人は約4割と言われていて、半数以上の妊婦さんが歯科を受診していないのが現状です。お口の中の歯をを治療するとなるとX線撮影麻酔など赤ちゃんに影響するのではと心配になりますよね。

最近では妊婦さんに母子手帳を交付するときに歯科検診を勧められることもあります。妊婦さんにとって赤ちゃんのためにも歯科検診が重要であると言われています。そこで、妊娠中の妊婦に起きやすいお口の中の問題と歯科検診について紹介していきます。これを機会にお口を気にして頂き、歯科検診を受けるきっかけとなってくれたら嬉しいです。

妊娠するとお口にどんな問題・影響が起きる?

妊婦口問題

妊娠によって高まった女性ホルモンの影響で一部の歯周病菌が増殖したり、お口の中の唾液の分泌量が減ってしまうため、通常よりも虫歯になりやすい状態です。つわりが重い人になると歯ブラシをお口の中に入れることができなくなったり、辛いといって歯磨きを怠ってしまうと、歯周病や虫歯が増えると言われています

妊婦に起こりやすいお口の問題!

妊婦口問題

お口の問題|歯肉炎・歯周病

妊婦の約60~90%近い人が歯肉炎や歯周病に悩み、出血しやすくなったというデータがあります*)。妊娠中は女性ホルモンの増加で歯周病菌が増え活性化します。そのため歯茎の腫れや出血を訴える妊婦が多いです。このような症状を妊娠性歯肉炎と呼び、妊娠初期から起こり妊娠中期まで続きます。

つわりなどによって、歯磨きが充分にできなかったり、歯茎の腫れを気にしてあまり磨くことが出来きないまま過ごすことで歯周病になってしまいます。お口の問題に悩まされていない妊婦に比べ、歯周病を患っている妊婦は歯周病から産出される物質により約7倍も早産や低体重児を産むリスクがあるというデータがあります*)。生まれてくる赤ちゃんのためにも早い受診で歯周病の悪化を防ぎ、きちんと治療することが大切です。

*)約60~90%近い人が歯肉炎や歯周病に悩み、出血しやすくなったというデータについては下記学会誌より引用しています。川崎医療福祉学会誌vol18 「妊婦の歯周病と早産との関連についての文献検討」

お口の問題|虫歯

虫歯になる理由は妊娠前と妊娠中とでは基本的にはあまり変わりませんが、女性ホルモンの増加で唾液の分泌量が減り、その性質も酸性に傾きやすくなるため歯の再石灰化しにくくなります。またつわりの影響で食生活が乱れ、お口の中の環境の悪化から虫歯になってしまいます。虫歯菌は母親の唾液を通して感染するので、生まれてくる赤ちゃんのためにもケアをしておく必要があります。

お口の問題|口臭

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妊娠中はドライマウスになりやすいと言われており、口臭が発生しやすい状態となります。歯磨きがきちんとできなければ磨き残しの歯垢が原因となり口臭が発生します。もちろん上記で述べた歯周病や虫歯を放置しておくことも口臭の原因となりますので注意が必要です。こまめに水分補給やうがいを行うといいでしょう。

歯科検診はどんな内容・受ける時期はいつ?

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検診を受ける時期

歯科検診はお口の中を診てもらうので、つわりがひどい時期は厳しいですよね。そのため、つわりのピークが過ぎた妊娠4か月ごろに受診するのが良いでしょう。早めに検診を受けることで、仮に治療することになっても安定期の間(5か月~8か月頃まで)に治療することが出来ます。妊娠初期や後期に我慢できない痛みがある場合は歯科医院へ相談し応急処置をしてもらいましょう。

検診費用は自治体によって妊婦に限り無料で行うことができる場合もあり(検診の内容や指定外の歯科医院の場合有料になることもある)、検診を受ける前に自治体へ確認してください。

妊婦が受ける歯科検診の内容

妊娠中の歯科検診は、虫歯や歯周病歯肉炎歯周ポケットや歯石噛み合わせなどの歯の状態を確認します。それに加えて口内炎や顎関節症粘膜異常など口内トラブルがないかチェックします。検診後には歯磨きの正しいやり方や、自宅でのケア方法について指導があります。検診で治療する箇所が見つかった場合は、治療を進めていくことになります。検診は無料の場合がありますが、その後の治療費などは自己負担になることがあります。

虫歯や歯周病になったときに気になるポイント

レントゲンをして大丈夫?

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妊娠中にレントゲンを撮影する場合、歯科医院は歯の部分のみ撮影し、腹部に防護エプロンを着用するため赤ちゃんが被爆する心配はないといえます。デジタルレントゲンになると、一般的なレントゲンよりも放射線量が4分の1以下になっているのでより安全です。心配なときは歯科医院で確認してからレントゲン撮影をしましょう。

治療をするときに麻酔を使用しても影響はない?

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歯の治療の際によく使用される麻酔ですが、歯科医院で歯茎に打っています。局所麻酔なのでとても低濃度であり、無痛分娩でも使用される麻酔と同じものになるので、赤ちゃんに影響がでることはないと言われています。安心して治療を受けてください。

治療中にお腹がつらくなってきた場合

歯科医院での治療は基本的には椅子に仰向けに寝て行います。妊娠初期の場合はお腹も出ていないので辛くなることはあまり無いですが、妊娠中期から後期にかけて治療する場合はお腹がだんだん大きくなるにつれて仰向けの態勢を長い時間取るのは辛くなってきます。その時は我慢するのではなく、歯科医又は歯科衛生士に遠慮なく辛いことを伝えましょう。伝えることで、負担のかからない椅子の角度や治療時間の短縮など配慮して治療を行ってくれます。

歯科医院で処方された薬について

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妊娠中はどの薬に対しても敏感になってしまいます。お腹の赤ちゃんに影響がないのか気になり、痛みを我慢したり病院へ行くのを躊躇ったりするものです。虫歯や歯周病になると歯の痛みも生じます。歯科医院で処方される薬はほとんどが妊娠中や授乳中に服用しても安心な薬であると言われています。歯科医も妊娠中であることを把握した上で治療していますから、飲むことが出来ない薬を処方することはないでしょう。心配なときは、産婦人科の主治医に歯科医院で処方してもらった薬などについて相談しましょう。

まとめ

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妊娠すると女性ホルモンの影響でとても不安定になります。それは体調だけでなくお口の中も同様で、お口の環境も乱れがちになります。辛いこともあるかもしれませんが、妊娠初期からお口の中のケアをしっかり行うことが妊娠期間中の健康状態に大きく影響してきます。もちろんお腹の赤ちゃんにも関係してくるので、いかに虫歯や歯周病にならないかこまめにケアしていく必要があります。

妊娠中も出来る限り歯ブラシでしっかりブラッシングしましょう。小さめの歯ブラシを使用するのがお勧めです。もし口内トラブルが起きても後回しにせず、安定期のうちに治療をしましょう。先延ばしにすることで症状も悪化しますし、産後では育児に追われて歯科医院へ受診することすら難しくなってきます。生まれてくる赤ちゃんのためにもより良い口内環境で迎えたいですよね。そのためにも、口内に不安を感じなくても歯科医院にてメンテナンスをしてもらうように心がけましょう。

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