授乳期間のお酒…アルコール摂取時の赤ちゃんへの影響は?飲んでしまった時の対処法
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授乳期のアルコール(お酒)摂取時の影響
母乳は血液から作られます。授乳期間中にアルコールを摂取するとママの血液中のアルコール濃度が上がります。
すると飲酒後に授乳すると高濃度のアルコールが含まれた母乳を赤ちゃんに飲ませてしまうことになります。
例えば飲酒して1時間ほど経てば血中アルコール濃度は薄まりそうに思いますが、飲酒1時間後くらいではまずアルコールは抜けません。
飲酒直後のMAXの血中のアルコール濃度と1時間後を比べても、5〜10%ほどしか減少せず、ほぼ変わらない状態です。
これではママが飲んだお酒をそのまま赤ちゃんに与えているようなものなのです。
お酒の赤ちゃんへの悪影響
アルコールは肝臓で分解されます。しかし赤ちゃんの臓器はまだまだ未発達です。もちろん肝臓の働きも未熟なためアルコールをきちんと分解することができません。
分解できないということは赤ちゃんの体内にアルコールが残ってしまうことになります。そうすると赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼす危険性があるのです。
例えばアルコールが体内に残るということで赤ちゃんがアルコール中毒になってしまうこともあります。
また赤ちゃんの脳や運動能力の発達の遅れが出たり、低体重や低身長などの身体的な発達の遅れ、記憶障害や学習障害など様々な弊害の恐れもあります。
軽めの症状としては赤ちゃんの寝る時間が短くなってしまったり、寝つきが悪くぐずるようになったり、赤ちゃんの肥満につながることもあります。
お酒のママへの悪影響
ママがアルコールを摂取することでプロラクチンとオキシトシンという2つのホルモン分泌に悪影響を与えてしまいます。
アルコールは母乳の分泌を促進する作用を持つプロラクチンの働きを抑制してしまいます。これにより母乳の分泌量が減ってしまうのです。
またオキシトシンの働きもアルコールの影響で抑制されます。
するとおっぱいを吸われることで母乳を作り出す作用である射入反射の働きを妨げてしまいます。
これらによりおっぱいの出が悪くなってしまい、母乳育児に大きな弊害を与えてしまうのです。
アメリカなどでは授乳中の母親の飲酒については日本ほど厳しくないようで、アメリカでの研究結果として「飲酒後2時間ほど間隔を開ければ授乳をしてもかまわない」といわれているようです。
もちろん習慣的にずっと飲酒し続けていたり、多量にお酒を摂取しているといったケースはこれに当てはまりません。
れっきとした研究結果に基づくのだから2時間開ければお酒を飲んでも問題ないのでは?と思いますが、これはあくまでアメリカでの研究データです。
アメリカ人とでは体格や体質などにも違いがあるので、日本人にもこの研究結果が当てはまるとは断言できないのです。
どちらにせよ授乳中は原則として『禁酒』が最も望ましいことなのは確かでしょう。