妊婦さんが敏感肌に肌質が変化する理由とおすすめケア方法
敏感肌とは?どんなトラブルを起こすの?
敏感肌とは「肌が弱く少しの刺激でも過敏に反応してしまい、さまざまなトラブルを起こしやすい肌」のことです。
そして敏感肌になっていると肌の最上部である角質層が薄くなっています。
なぜ敏感肌は角質層が薄くなっているのかというと、理由は次の2つです。
正常な肌の皮脂膜(保護膜)ができにくくなっている
本来、健康な肌は水分(汗)の分泌と油分(皮脂)の分泌がバランスよく混ざり合って、天然の保湿・保護クリームと言われる皮脂膜を肌表面に作ることができます。
これにより乾燥から肌を守りながら潤いを保つことができるのですが、敏感肌は皮脂や汗の分泌が少なくなっているため正常な皮脂膜が作られにくくなっています。
このため角質層の潤いを保てなくなって細胞内の水分が蒸発してしまいへこんで薄くなってしまうのです。
バリア機能が低下している
バリア機能とは外の刺激から肌を守り、肌内部の潤いを逃さないようにすることで健康で美しい肌を保つための大切な機能です。
このバリア機能を保つためには肌内部の水分を維持するための「NMF(天然保湿因子)」と肌細胞同士をつなぎ合わせる役割の「細胞間脂質」が欠かせません。
しかし敏感肌はこの2つが不足している状態です。すると角質層の保水力が低いので肌細胞はいつも水分不足でぺしゃんこに。しかもそれらの細胞をつなぐ細胞間脂質も不足しているので細胞の間は隙間だらけ。
するとその隙間にどんどん刺激が入り込んだり、肌内部の水分も外に逃げやすくなります。すると肌は潤いやハリ、弾力がなくなってへこんで薄くなってしまうのです。
なぜ妊娠すると敏感肌になってしまうの?
妊娠すると敏感肌に変わってしまうのはなぜでしょうか?
通常、女性の身体はエストロゲン、プロゲステロンという2つの女性ホルモンがバランスを保ちながら分泌されることで正常な生理や妊娠・出産に作用しています。
しかしこれらの女性ホルモンは妊娠することで分泌量が急激に変化してしまいます。
本来、女性ホルモンには肌のバリア機能を正常に保ったり、皮脂を分泌させて肌の潤いを守る作用がありますが、妊娠によってホルモンバランスが変化することで肌質が変化しやすくなってしまうのです。
そのため妊娠中は肌が乾燥しやすくなったり、肌の水分と油分のバランスが悪くなって、肌のバリア機能が低下するといったことが起こりがちなのです。
また、プロゲステロンの分泌の影響を受けることで妊娠中にニキビができやすくなるといった場合もあります。ニキビができやすい肌というのも乾燥と同じく、肌が弱く敏感になっているということでもあります。
いずれにせよ妊娠中はホルモンの影響から敏感肌になりやすい状態といえます。
(妊娠中のニキビに関して詳しくは「妊娠中のニキビはなぜできるの??ニキビの原因と治し方、予防方法まとめ」に記載しています。」
敏感肌に起こりやすい肌トラブル
肌の赤み・炎症
バリア機能が低下している敏感肌は外からの刺激が隙間だらけの角質層を通して肌の奥まで入ってしまいます。
すると肌内部の毛細血管が刺激を受けて拡張し、炎症を起こしてしまうことで肌に赤みが出やすくなります。
敏感肌は皮膚が薄くなっているので毛細血管の赤みが透けて見えやすいのです。
乾燥
刺激を受け肌内部が炎症を起こしやすくなり、炎症によって皮膚温度が高くなります。
すると肌の水分が蒸発しやすくなって水分不足になり肌が乾燥しやすくなります。
乾燥しやすい肌は刺激を受けやすいので、敏感肌をより悪化させてしまいます。
毛穴が目立ちやすくなる
毛細血管の拡張が薄い皮膚から透けて見えることで毛穴周りの皮膚が赤くみえてしまい毛穴が目立つようになってしまいます。
色素沈着
紫外線などの外的刺激を受けやすくなり、刺激に反応したメラノサイトが肌を守ろうとして過剰にメラニンを発生させてしまうため、刺激や赤みが出た部分などに色素沈着やシミが出やすくなります。
妊娠中はシミができやすいと言われるのもこれが原因です。
肌の老化
炎症が長引くことで肌内部にダメージが溜まっていくと肌の毛細血管が切れてしまい、肌に栄養などを与えにくくなります。
すると、肌がくすんだり、ハリや弾力が失われていき、肌が老化してしまいます。